今、再びSEOのあり方が見直されています。

昨年話題になったキュレーションメディア騒動では、コピーコンテンツや画像の無断使用など著作権法に抵触していた点に加え、オリジナル性が低く信頼性の低いコンテンツ検索結果の上位を独占していたことから「アルゴリズムの隙をついたSEO」として問題視されました。それに対しGoogle日本法人はアルゴリズムの変更を発表するという異例の対応を行いました。

Googleは年々アルゴリズムの精度を向上させており、対応の難易度も上がり、具体的にどのような施策を行うべきかわからず苦戦している企業は少なくないのではないでしょうか。

一方で、Web集客においてSEOは大きな流入を期待できるものであり、多くの企業にとって欠かすことのできない重要なテーマです。

今回は、SEOコンサルティングを行う株式会社ウィルゲート監修のもと、SEO流入を大きく伸ばした事例を踏まえながら、これからSEO対策を行う際に気をつけたいポイントを解説します。

最新SEO事情

まず、直近のSEO事情を理解するために知っておくべき主要ニュースを確認しておきましょう。

モバイルファーストインデックス導入を発表。評価基準はパソコンからスマホへ

2016年11月、Googleは「モバイルファーストインデックス」の実施を発表しました。

これまではパソコンのページを優先的にインデックスしていましたが、今後はモバイルのページを優先する、というものです。
モバイルページが優先的にインデックスされるということは、モバイルページを軸にサイトを評価するということになります。

スマートフォンでの検索回数が急増し、既にパソコンでの検索回数を超えている現状を受けての判断だったようです。(※1)

評価対象がパソコンからスマートフォンに切り替わったからといって、各サイトに大きな影響が出ることはほぼないでしょう。

今回の変更は、急増しているスマートフォンユーザーが快適に検索できる環境を構築するために実施されたものです。
ここからも、Googleが「ユーザーファースト」な状態を目指している姿勢が見てとれます。

アルゴリズムの精度向上により、悪質なSEO対策を行うリスクはますます上昇

2017年2月、Google日本法人は、公式ブログで「質の低いコンテンツ」を持つサイトの順位を下げるためのアルゴリズムを更新したと発表しました。

その影響か、多数のキュレーションメディアの表示順位が急激に下げられました。

ブログ内で、Googleは評価を下げる対象について以下のように言及しています。

「ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。」(※2)

Googleアルゴリズムの隙をついたSEO対策が行われている状態は、今に始まったことではなく、SEOが生まれた頃から繰り返されています。

GoogleSEO事業者のイタチごっこのようにも見えますが、Googleは「ユーザーにとって有益な情報」を提供する検索エンジンを目指して日々アルゴリズムの改善に努めています。

とはいえ、有用で信頼できる情報のみが表示される完璧なアルゴリズムになるまでにはまだ相当の期間を要するでしょう。

それまでの間、検索エンジンの隙をつくような手法は際限なく出てくるはずです。
しかし、ユーザーを無視した施策がいずれ淘汰されていくことは、これまでの検索エンジンの歴史を見ても明らかです。

これからSEO対策を行う時、実際に何をやればいいのか?

上記のようなニュースからも、正攻法でユーザーにとって有益な情報を出していけばいいことはお分かりかと思います。
しかし、「具体的にどうすればいいかわからない」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。

以下より、事例をもとにSEO流入数を劇的に増加させた具体的な施策内容をご紹介します。

メディアのSEO流入数が約30倍に成長した事例

暮らしニスタ|知りたい!教えたい!暮らしのアイデアがいっぱい!.png

株式会社ウィルゲートが運営するユーザー投稿型ライフスタイル系メディア「暮らしニスタ(※3)」は、2014年9月にリリースして以降、自然検索流入を中心にアクセスを伸ばしています。

「暮らしニスタ」で実施された施策は、大きく分けると以下の2つです。

施策1(立ち上げ初期):記事タイトル、内部リンク構造を修正し土台固めを徹底
施策2(成長促進期):記事作成に注力しコンテンツをブラッシュアップ

2014年9月に立ち上げて最初の1年半で記事タイトル内部リンク構造を修正することでサイトの土台を徹底的に固め、それ以降はSEO流入を増やすための記事作成に注力しコンテンツのブラッシュアップを行っていきました。

実際にどのような施策を行ったのか、SEO施策を担当したウィルゲートの北原氏に伺いました。

施策1(立ち上げ初期): 記事タイトル、内部リンク構造を修正

DSC_1189.JPG

北原氏:
立ち上げ当初は、まずSEOの競合分析を行い、自社サイトに不足している部分を徹底的に洗い出しました。
弊社では専用ツールを利用し、キーワードごとの自社・競合の差異を詳細に分析していきました。

こちらが実際に調査した時のレポートです。
競合分析.png

自社で狙いたいキーワードに加えてサジェスト(検索エンジンの予測変換機能)で出てくるキーワードやその他の関連キーワード全般で競合分析を行います。
1,395キーワードを競合20サイトと比較した結果、以下2つの問題点が見えてきました。

1.ロングテールキーワードで上位表示できていない
2.ミドルキーワードでタグページタグに紐づいた記事が一覧表示されるページ)が上位表示できていない

問題が抽出できたら、それらの問題を課題(解決可能なもの)に落とし込みました。

1.ロングテールキーワードで上位表示できていない
ページタイトルにキーワードが含まれる割合は10%程度で、キーワードに最適化されていない

2.ミドルキーワードでタグページが上位表示できていない
タグページが適切に評価されていない

課題1.ページタイトルがキーワードに最適化されていない→記事タイトルの修正

北原氏:
ロングテールキーワードで上位表示できていない原因を追求するために、上位表示しているページと自社との違いを調査しました。
その結果、決定的な違いとして、上位表示しているページのほとんどに対策キーワードが入っていたのに対し、自社サイトのページタイトルにキーワードが含まれている割合は10%程度だったということが明らかになりました。

暮らしニスタはユーザー投稿型のサイトのため、多くの記事コンテンツはユーザーが自由に投稿しています。

ユーザー自身はSEOを意識したタイトル付けをすることはないので、メディア側で調整する必要がありましたが、勝手に書き換えることはできません。
そこで「暮らしニスタ」の場合、記事公開前にスタッフの承認というステップがあるため、そこを利用しタイトルの修正依頼を個別で出すという方法をとりました。

修正に応じて貰えるか不安でしたが結果、なんと9割近くのユーザーが応じてくれました。
ユーザー投稿型のサイトの場合、事前チェックを入れてタイトルを最適化するだけでSEO的な効果は格段に変わるでしょう。

注:  
暮らしニスタの記事はすべて、「文章の内容が法令を遵守しているか」という観点だけでなく、「法的な問題はないものの、特定の記事の言い回しを変えただけのような、品質の低い内容ではないか」といった観点でも、システム及び専属スタッフによる目視確認を行っています。

課題2.タグページが適切に評価されていない→タグページを精査&ページの評価を高めるために内部リンク構造を修正

北原氏:
ユーザー投稿型メディアの「暮らしニスタ」は当初、記事へのタグ付けも投稿ユーザー自身が自由に作成できるようになっていたため、タイトルだけでなくタグページもコントロールできていない状況でした。

その結果、紐づくコンテンツが非常に少ないタグが次々に作られ、内容の薄いタグページが大量に生成されてしまいました。
その状態を解消するため、編集部側で作成したタグしかつけられないようにするためにタグを選択式に変更し、同時に紐づくページの少ないタグや、検索ボリュームがほとんど無いタグページは削除しました。

タグページ.jpg
結果、元々あった約10,000個のタグは1,200個程に減り、1つ1つのタグページの内容が厚くなっていきました。
また、特に上位表示を狙いたいものに関してはタグページにオリジナルのコンテンツを作成して入れ込みました。

コンテンツページ.png

並行して内部リンクの最適化も行いました。
ほとんどのタグページはTOPページからのリンクがなく、クローラビリティ、ユーザビリティ共に悪い状態でした。
そこで、TOPページの下層に「タグページ一覧」を設置し、その下層にタグページを置くことでTOPページから辿りやすくしました。
さらに、タグページの評価を上げるために、内部リンクが集まっているページからタグページリンクを貼りました。

結果:SEO流入数が1年6カ月で約10倍に成長

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北原氏:
以上の施策を行った結果、1年6カ月後にはSEO流入数が10倍に向上しました。
徹底した事前調査で課題を抽出し、課題を解決するためにページタイトル変更・タグの修正・内部リンクの最適化の3つを綿密に行ったことで、内部対策のみでもこれだけの結果が出ました。

重要なのは、徹底的に調査して何が原因かを突き止めてから施策を実施することです。
施策に入る前の事前調査は手間を惜しまず取り組みましょう。

施策2(成長促進期):SEO流入を増やすための記事作成に注力

北原氏:
内部対策が一通り完了し、土台が固められたので、次は記事作成に注力しました。

土台が整ったので、ユーザーが投稿する記事に加え、編集部が作成する記事も追加していきましたが、1記事あたりのセッションがなかなか伸びないという問題が浮上しました。
そもそもの対策キーワードの傾向を調査した結果、以下2つの課題が抽出されました。

・検索ボリュームや競合性が考慮されていないキーワードを対策していた
・上位表示されるためのコンテンツ設計ができていなかった

課題1.検索ボリュームや競合性が考慮されていない対策キーワードになっていた→検索回数・競合性を考慮したキーワード選定を実施

北原氏:
ユーザーが投稿する記事に加え、編集部が作成する記事も追加していきましたが戦略的にキーワードを選定せず記事を作成していました。
その結果、競合が非常に強く上位表示が難しい、または上位表示されていても検索回数がないキーワードを多く狙っていたことになり、1記事当たりのセッションを伸ばせていないという状況に陥っていました。

この課題を解決する為に、検索回数や競合性を考慮したキーワード選定を行いました。
記事の内容についても、特定ワードの検索結果を考慮して検索ユーザーのニーズを読み取り、SEOの要素を盛り込みました。

1.検索回数

想定されるキーワードをピックアップし、キーワードプランナーで検索回数を調査しました。

2.競合性

弊社開発のキーワード調査ツールを利用し、サイト単位で競合に勝てるかどうかを分析しました。
1.で抽出されたキーワードの、自社と競合シェア状況を確認しどこに注力するかを決定します。

課題2.上位表示されるためのコンテンツ設計ができていなかった→ユーザーニーズを満たすコンテンツを作成

「上位表示される=検索ユーザーが求める内容が入っている」と推測できるので、上位表示しているページの内容を精査し、共通する要素を抽出します。

検索エンジンのサジェストや関連検索に表示されるキーワードをピックアップし、よりユーザーニーズを満たすコンテンツに近づけました。
形式は「特集」にして、ユーザーの投稿を特定の切り口(選定したキーワード)でまとめたものを作成しました。

結果:2016年9月~2017年2月の6カ月でSEO流入が約3倍に増加

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北原氏:
上記のような手法でコンテンツ制作を続けたところ、対策開始から6カ月でSEO流入が3倍になりました。

成長促進期に突入した約3か月後の2016年12月に、社会的に問題になったキュレーションメディア群が軒並み閉鎖して検索結果から姿を消しました。しかしながら、「暮らしニスタ」は、キュレーションメディアを対象にしたと思われる「記事の質が低いサイトの順位を下げるアルゴリズム」の更新後も伸びを見せているので、「暮らしニスタ」は質の良いメディアとしてGoogleから評価されたと言えるでしょう。

SEOの事前調査から実施までを全てコンサルティングするウィルゲートのSEO支援プラン

上記の事例を見て、「自社だけでここまではできない・・・」と感じた方は、ウィルゲートのSEO支援プランの検討をオススメします。
ウィルゲートのSEO支援プランでは、施策を始める前の3C分析、キーワード調査、キーワード設計はもちろん、実施から検証、改善までのロードマップを敷いてSEO施策全般のコンサルティングを行います。

ウィルゲートのSEO支援プランの特徴は大きくわけて3つあります。

1.自社開発ツールを活用した分析力
2.業界特化型のコンサルティング体制
3.コンテンツ作成の代行も可能

1.自社開発ツールを活用した分析力

ウィルゲートでは、自社で独自開発した分析ツールを多数保有しています。(事例でご紹介した競合分析も自社ツールを利用しました)
内部対策、外部対策それぞれの専用ツールを開発、運用しているため、包括的なSEOコンサルティングを実施できます。

例えば内部対策用のツールでは、ページ、ディレクトリ単位でテキストの重複率を調査できます。
ディレクトリA.png
新・施策B.png

競合サイトや自社サイト内での比較を行った結果、重複率が高いページから優先的に、オリジナルテキストの追加やキーワードの削除を実施し重複率を下げていきます。

外部対策ツールでは、競合他社と自社のドメインの強さや被リンク数を比較し、自社サイトがどのくらい質の被リンクをあと何本獲得しなければいけないのかを可視化します。

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10年間、効果的なSEOを研究し続け、実績を残してきたウィルゲートのノウハウが詰められたツールを利用し、全てのお客様に質の高いサービスを提供します。

2.業界特化型のコンサルティング体制

ウィルゲートには、人材、不動産、金融など特定業界を数多く経験してきたコンサルタントが在籍しています。
また、経験豊富なシニアコンサルタントと高い分析力を誇るアナリストの2名体制で手厚くご支援します。

3. コンテンツ作成の代行も可能

SEOの要となる「コンテンツ作成」に割けるリソースが無いというお客様に対しては、ウィルゲートが運営する記事作成特化型クラウドソーシングサービス「サグーワークス(※4)」のご利用をオススメしています。

サグーワークスは一般的なクラウドソーシングサービスと異なり「受託型」です。
発注側と受注側の間にサグーワークスのコンサルタントやディレクターが介在し、記事チェックを行うことで品質を担保します。

企業ごとに最適なSEOを提供するウィルゲート

Googleは、「検索ユーザーにとって便利な検索エンジン」を目指しています。
なので、検索クエリの中にユーザーのどのようなニーズがあるのかを深く追求していくことが本質的な対策となります。

検索ユーザーのニーズを正しく把握し、多数のキーワードで競合サイトに打ち勝つためには多数のデータを収集し、分析することが必要です。
ウィルゲートでは、業界屈指の分析力を駆使して、お客様のWebサイトが抱えるSEO課題を抽出し、解決策を提案します。

・これからSEO対策を行いたいけど、昨今の問題を受けて慎重になっている
・既にSEO対策を実施しているものの、効果が出ていない

以上のように感じている方は、ぜひご相談してみてはいかがでしょうか。

参考:

※1.Google、モバイルファーストインデックスの導入予定を正式発表。スマホ向けページを検索の評価対象に。SEOへの影響は? | 海外SEO情報ブログ

※2.Google ウェブマスター向け公式ブログ: 日本語検索の品質向上にむけて

※3.暮らしニスタ|知りたい!教えたい!暮らしのアイデアがいっぱい!

※4.SEOに強い記事作成特化型クラウドソーシング【サグーワークス】