「人材サービス事業」、「HR Techサービス事業」から「メディア事業」まで幅広い事業を展開している株式会社ネオキャリア。

「人材サービス事業」における、サービスである「保育ひろば」では、候補者様に対し保育士・幼稚園教諭専任コンサルタントが、オンラインにて面談を実施し、全国4万件以上の施設の中から候補者様の希望条件にあった職場、最適な求人を提供している。

今回の事例では、「保育ひろば」がb→dashを活用して、実現した面談実施率を70%から80%に改善した事例と、データマーケティングツールの選定ポイントについて、事業戦略本部 マーケティング部 グループマネージャー 山本 長武氏に話を伺った。

b→dash導入前の課題

面談実施率の向上の施策を実施するためには、数百万円のコストを払う、もしくは数ヶ月間待たなくてはいけなかった

ferret:
データマーケティングツールの導入を検討したきっかけは何だったのでしょうか?

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山本氏:
リスティングやディスプレイといった広告の運用をしていたこともあって、新規登録者の獲得は一定できていたのですが、登録したものの、人材コンサルタントとの面談実施につながらず、求人のご紹介が出来ない候補者様が多くいらっしゃいました。

面談実施につなげるために、面談予約前日にメールでリマインドするといった単純な施策は実施していたのですが、なかなか面談実施率の数字が改善しなかったので、追加施策として「メール以外のチャネル、例えばLINEやSMSを用いて、面談実施の3日前、前日、当日の3回リマインドを行う」という施策と、「会員登録はしたものの、面談設定をまだされていない候補者様に面談設定を促すメールを配信する」といった施策を行いたいと考えました。

そういった背景の中、施策実現に向けて、MAツールの検討を行いまして、数社のMAツールベンダーさんと比較した結果、最終的にはb→dashさんを選ばせていただきました。

ferret:
なぜ、b→dashの導入を決めたのでしょうか?

山本氏:
施策の実施に向けてMAツールベンダー数社に話を伺ったのですが、話を聞いていく中で、どのツールも「メールを配信する」といった配信作業の自動化は実現できるものの、その配信に必要なデータの集計や加工作業はツールでは出来ず、その作業は自社で実施しないといけないことがわかりました。

例えば、面談予約日の3日前、前日、当日に、候補者様に面談日時をリマインドする、といった施策を実施するには*「面談予約日までの残日数」といったデータが必要*です。

ただ、弊社の基幹システムを見てみると「面談予約日」や「登録日」といったデータはあるものの、「面談予約日までの残日数」というデータは保持しておらず、新しく作成する必要がありました。

このデータを作成するには2つの方法があり、外注して作成を行う方法、もしくは、データ基盤ツールを導入し自社でデータ作成する方法があります。

ただ、外注で作成する場合は何百万円と費用がかかりますし、一方、自社で作成する場合は、弊社の開発部門に依頼しないといけませんのでエンジニア工数がかかります

さらに、開発部門からは、「データ作成にはSQLの処理を構築しないといけないため、すぐには出来ない」「別件で対応している「保育ひろば」サービスサイトの改修が完了した後に着手する」という連絡をもらい、データ作成の処理構築に着手できるまでに数ヶ月待たないといけない状態でした。

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事業成長の観点からも数ヶ月待つことは許容できなかったため、他の方法を模索したのですが、その中で、たまたまb→dashの話を伺い、b→dashであれば、外注も不要で、開発部門への依頼も不要で、SQLの知識がないマーケティング部門のメンバーのみでデータの準備をでき、施策実施まで完結できる、ということを聞いたため、興味を持ち、話を伺いました。

b→dashの話を聞いていく中で、データの加工や統合のテンプレートを250種類も用意されている点や直感的に使いやすいUIUXになっている点を拝見し、b→dashであれば、SQLの知識がないマーケティング部門のメンバーだけでも運用できそうだな、というイメージが持てたため、導入を決めました。

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b→dash導入後に実現

マーケター自身がデータ作成を出来るようになったため、社内エンジニアの工数「0」、外部ベンダーへの発注も不要に

ferret:
b→dashを使って実現できたことについて教えて頂けますか? 

山本氏:
大きく2つあると思っています。1つ目は、前述した通り、SQLが不要なので、開発部門へ依頼せず、マーケティング部門内で準備を完結できるようになったことです。

施策を実施し始めてから気づいたのですが、施策を実施してみると、「施策内容を変更した方が効果出るかな」とか「新しい施策を実施してみたいな」といった思いが芽生えてきます。

このときに、施策によっては、一度準備したデータと異なるデータを再度準備しないといけない場合があります。例えば「企業との面談を実施したものの決定しなかった候補者様に、面談日から1週間後におすすめ求人を紹介する」という施策を実施したい場合「面談日からの経過日数」という新しいデータを追加で作成しないといけません。

この場合、もしb→dashを利用していなければ、再度、開発部門へデータ準備の依頼をしないといけなかったと思いますが、b→dashの場合は、変更時においても、マーケティング部門内で対応できるので施策の企画立案から実施まで、非常にスムーズに実施できますね。

そして2つ目は、成果の観点ですね。

b→dashを活用して、当初予定していた「メール以外のチャネル、例えばLINEやSMSを用いて、面談実施3日前、前日、当日の3回リマインドを行う」という施策と、「会員登録はしたものの面談設定をまだされていない候補者様に面談設定を促すメールを配信する」の施策が実現でき、成果も創出することができました。

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時期にもよってばらつきはあるのですが、b→dash導入前では面談実施率が平均して70%程度だったのですが、導入後は80%程度まで改善することが出来ました。

面談率は、応募数や決定数といった後続プロセスのKPIにもプラスの影響を与えることができるので、面談率を改善できたことは、事業の観点から見て非常に大きな成果です。

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最後に

b→dashの導入を検討されている方々へ

ferret:
b→dash導入を検討されている方々に向けてマーケティングツール選定における重要なポイントを教えて頂けますか?

山本氏:
KPIを向上するために施策を実施したい、という企業様は多いと思うのですが、その施策を実施するためにはSQLを使ってデータを準備しないといけない、という点は見落としがちだと思います。

弊社の場合、開発部門の社内エンジニアの工数が足りなかったため、数百万円払って外注するか、社内エンジニアの工数が空くまで数か月待つか、という状況だったのですが、b→dashさんはノーコードでSQLを書かずともデータを準備できるため、マーケティング部門のメンバーで完結でき、非常に助かっています。

ツール選定をする際は、このSQLを書く業務を誰が行うのか、という点を意識して検討された方が早期の施策実施と成果創出につながるのではないかと思います。