デジタルマーケティングの領域で注目されている、「クロスデバイス計測」はご存知でしょうか。クロスデバイス計測とは、1つのマーケティング施策を単一のデバイスで完結させるのではなく、複数のデバイスをまたいで効果を見ていく分析のことです。

今回は、デジタルマーケティングにおけるクロスデバイス計測の重要性について紹介します。

クロスデバイス計測とは

クロスデバイス計測とは、単一ではなく複数のデバイスをまたいで計測することです。ここでいうデバイスとは、主にパソコンやスマートフォンなどの端末を指します。

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ユーザーは、広告を閲覧した後、すぐに商品購入に至るとは限りません。スマートフォン広告を見て気になった商品を、後からパソコンで購入する場合もあるでしょう。

しかしかつては、スマートフォンで広告を見たユーザーがそのスマートフォンで購入まで至らなかった場合、その後同じ人がパソコンで商品を購入しても計測ができませんでした。その結果、商品購入のきっかけは広告にあるにもかかわらず、配信した広告は購入に繋がらなかったと判断されてしまいます。

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クロスデバイス計測の場合、ひとつのデバイスのみで広告効果を判断するのではなく、その後別のデバイスで購入が発生しているかも含めて計測が可能になります。これにより、広告を閲覧したデバイス以外で購入があった場合でも、広告の効果を正しく評価できるようになるのです。

なぜクロスデバイス計測が必要なのか?

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クロスデバイスが必要になる理由として、利用デバイスの多様化が挙げられます。
スマートフォンの爆発的な普及により、ユーザーの利用するデバイスは多様化しています。スマートフォンにパソコン、タブレットなど、ユーザーが所有しているデバイスはひとつではありません。

シチュエーションや時間帯など、様々な状況に応じて使用デバイスを使い分けているユーザーも多いでしょう。
そのためデジタル広告の成果を正しく計測するためには、これらの使い分けに対応していく必要が出てきました。ユーザーの行動や利用する端末の変化に伴い、デジタルマーケティングの施策も柔軟に対応していく必要があるのです。

デジタルマーケティングの流れはより複合的に

テクノロジーの進歩とユーザーのインターネットにおける行動の多様化に伴い、デジタルマーケティングの流れはパーソナライズに傾倒しています。1人ひとりの興味や行動に合わせたアプローチが求められます。

こういった流れの中で、マーケティングオートメーションなどのOne to Oneマーケティングが注目される機会も増えています。また、見込み顧客に対してアプローチの手段を組み合わせて戦略的にアタックするチャネルミックスといった考え方や、広告やSNS、メルマガなどのメディアをまたいで貢献度を計測するアトリビューション分析など、複合的なマーケティング手法と分析方法が確立されています。クロスデバイス計測もそのうちのひとつであり、デジタルマーケティングにおいて重要視されている考え方です。