中小企業で働く方や個人事業主、フリーランスの方など、戦略や企画の立案に加えて管理業務も1人で兼任する方にとって、作業タスクの効率化は業務パフォーマンス向上のために重要です。

今回は、管理業務を効率化する重要性と、最適化するためのTipsを紹介します。

管理業務を効率化するメリット

1.時間に余裕が出る

管理業務を効率化すれば、本来必要な戦略や企画立案などの業務時間をより多く確保できるようになるでしょう。

特に経費管理など単純作業ではあるもののミスが許されない作業は、できる限り自動化しておくとチェック作業も短縮化できます。

2.マルチタスクの削減

戦略や企画立案などの業務に加えて管理業務なども1人で行うと、マルチタスクになりがちです。

ツールなどを活用して効率化を図れば必然的に業務量の削減ができるため、マルチタスクも削減されていきます。

3.作業の分散・非属人化

業務を効率化しておけば「誰でも処理できる」状況を整えられるため、タスクがひとりの人に集中してしまうことを防げます。

また「誰でも処理できる」環境を整えれば、属人的になってしまいがちな作業の標準化も図れるでしょう。担当者が退職や異動などになった時に、引き継ぎ業務を簡略化できるというメリットもあります。

業務の最適化を効率的に進めるつの5つのステップ

1.業務の棚卸しをする

業務内容を可視化する際には

・何の業務があって
・どのような内容で
・どれくらいの時間がかかるものなのか

という3つの視点を持ちましょう。

作業内容を具体化すると、改善点や効率化できる業務、削減できる業務を発見しやすくなります。

なお複数人で管理作業を行っている場合は、各々で業務の洗い出した後に話をすり合わせましょう。チームメンバー全員が業務内容に共通認識を持っているとは限らないため、まず業務内容の認識を統一することがポイントになります。

2.業務の分類をする

業務を具体化したら、業務の分類を行いましょう。具体的には、必要な業務と不要な業務を分ける作業になります。

業務の分類をする目的は3つあります。

1つ目は、不必要な業務を見つけることです。「習慣として根付いているから」という理由で行っている業務は、必要ではない場合も多くあります。

「なぜこの業務が必要なのか」という具体的な理由がない業務は、思い切って削減することも大切です。

2つ目は、必要な業務を確認することです。必要な業務を可視化して「なぜ」その業務が必要なのかを理解すると、効率化できるポイントを探しやすくなります。

また、見落としている必要な業務がないか確認することにもつながります。

3つ目は、情報資産の整理です。管理業務で取り扱う内容は、財務情報や人事情報、顧客情報など外部への流出を完璧に防がなくてはならない情報資産です。

そのため、常に情報を把握しておく必要がありますが、整理されていない情報を把握することは並大抵のことではありません。

情報を整理しておけば、ミスが起きにくくなるために漏洩防止効果が期待できます。また万が一漏洩した場合に、「なぜ」「どこから」「どの情報が漏洩したか」を把握しやすくなり、すばやく対応できるでしょう。

3.業務の「標準化」をする

業務の分類を行ったら、次は必要な業務の流れを可視化しましょう。誰でもいつでも確認できるように具体的に可視化すれば、認識を統一できます。

また、なにから、どのような手順で作業すればよいのかが明確になれば、作業中の迷いがなくなるので時間短縮効果もあります。

4.改善策を考える

作業工程が可視化したら、改善策を検討します。

改善策を考えるコツは「すべてを改善しようとしない」ことです。一気に改善策を進めると、一度に業務の大部分を変更することになります。

そのため、進行状況の管理や改善されているかの確認がおろそかになってしまったり、かえって効率が悪くなってしまったりといった問題が発生しやすくなります。一度にすべてを改善しようとするのではなく、ひとつずつ改善していくことのがおすすめです。

改善ポイントを決める上では、最も作業が滞っているポイント「ボトルネック」の解消から取り組んでみましょう。ボトルネックについては、以下の記事を参考にしてください。

ボトルネックとは?ビジネス頻出キーワードの意味を再確認|ferret [フェレット]

5.改善策・新業務プロセスの実行

改善策を実行して満足するのではなく、その後の進行状況のチェックも重要となります。
あらかじめチェックシートなどを作成しておき、改善策がきちんと進んでいるかどうかチェックしましょう。

また、常にPDCAを回してよりよい改善案を探ることも重要です。業務の内容が変わったり新しい業務が追加されたりなどで、改善ポイントの変更や改善策の練り直しが必要になるかもしれません。

「もっと効率化できるかも」という視点を持つことを忘れないでください。