ECの集客数を増やしたいものの「Web広告CPAが高い」、「ブランドを立ち上げたばかりでどのように認知を獲得すればよいか分からない」といった課題がある方もいるのではないでしょうか。

これらの課題を解決するためのヒントとして、EC発の低アルコールドリンク 「koyoi」のブランディング事例がおすすめです。

この記事では、Web広告に頼らないブランディング手法で成果を上げる「koyoi」の取り組みや、EC事業を成長させるためのポイントについてご紹介します。

目次

  1. 「koyoi」が取り組む3つの認知獲得戦略
  2. 商品購入につながるブランディング手法
  3. EC事業を成長させるためのポイント

▼「koyoi」のブランディング戦略の詳細はこちら

EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略

EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略

Web広告だけではないEC/D2Cのブランディング手法を解説します

「koyoi」が取り組む3つの認知獲得戦略

「koyoi」のブランド立ち上げ初期にはWeb広告の費用対効果が合わず、それ以外の手法で認知獲得に取り組みました。主な施策は次の3つです。

PR

最も注力した施策はPRです。1週間に2回の頻度でメディア露出ができる状態にし、100媒体ほどに掲載されることで認知を拡大していきました。

「koyoi」のPRでは、ただ商品を知ってもらうだけでなく、ブランドストーリーを丁寧に言語化し伝えたことがポイントです。創業の思いや社内の組織文化、お客様の声、開発風景などを言語化し、PRの要素としています。

メディア露出による認知獲得

出典:資料「EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略」

また、メディアに合わせてPRする際の切り口を変えたことも成功要因のひとつです。例えば、ファッション誌に対してはクリエイティブの要素を重視して売り込む、ビジネスパーソンが見ている媒体ではビジネスに関する要素を盛り込むなど、メディアに合わせた切り口やストーリーを作成しました。

口コミ

2つ目の施策は、購入者からの口コミや情報の拡散に注力したことです。「koyoi」に関するオーガニック投稿は1,000件を突破し、認知の拡大につながっています。

思わず他の人に紹介したくなるようなおしゃれな商品パッケージにより、オーガニック投稿の中には商品開封時の様子を紹介する「アンボクシング」のコンテンツが多く見られました。また、Z世代を中心としたインフルエンサーにも定期的に紹介を依頼し、新たなファンを獲得しています。

ブランディング

3つ目の施策は、ブランディングへの取り組みです。小売店の卸に取り組むなど、EC販路だけでなくリアル販路も活用したブランディングを行いました。

例えば、ヒルトン東京をはじめとしたラグジュアリーな雰囲気の飲食店などに導入してもらうことで、非日常的な楽しみが味わえるブランドだという印象を形成しています。

商品購入につながるブランディング手法

「koyoi」のブランディング戦略のポイントは、商品を知ってもらう段階だけでなく、注文してから届いて飲むまでの一連の過程でコンセプトを伝え、体験価値を高めていることです。ブランディングへのこだわりが、リピート購入やファンの獲得につながっています。

「koyoi」が取り組むブランディングの工夫は次の通りです。

ブランドコンセプトの言語化

どのような価値のある商品なのかをユーザーに知ってもらうためには、ブランドのコンセプトをわかりやすい言葉で表現することが重要です。そのため、まずは時間をかけてブランドコンセプトの言語化に取り組みました。

「koyoi」のブランドコンセプトを言語化するにあたって最初に取り組んだことは、お酒に対しての課題をアウトプットすることです。それらをベースとしてチーム内で方向性をすり合わせていき、「嗜好品だからこそ心が浮上する時間を作りたい」というコンセプトワードにたどり着きました。

商品ラベル・同梱物の工夫

「お酒を飲むことで日々の役割を忘れて心地よくなってもらい、明日も頑張ろうという気持ちになってもらう」というコンセプトを実現するために、「koyoi」は商品ラベル同梱物が工夫されています。

商品が届いた時から思わず「素敵」と声が漏れるようなボックスや、飲み進めていくうちに内側のラベルが出てくる仕掛けなどが、クリエイティブのこだわりです。

ブランドコンセプトを伝えるクリエイティブ

出典:資料「EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略」

また、「koyoi」のターゲット層の女性数百人へのアンケートで分かったお酒と過ごしたいシーンを描いたイラストや、それに合わせた短編の小説なども同梱しています。イラストはSNSを通じてコンタクトを取ったイギリスのアーティストによる作品で、他では見たことのないようなテイストで非日常感を演出しています。

ECサイトでもブランドの世界観を表現

ECサイトでの体験も、ブランドの世界観を表現するために工夫されているポイントです。ECサイトのデザインは、商品ラベルや同梱物と同じテイストに統一されています。

ブランドの世界観を伝えるECサイト

出典:資料「EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略」

さらに、ECサイトに訪れた人にパーソナライズしたコンテンツを提供する仕組みも実装されています。画面上に表示される診断に答えていくと、気分に合った商品を見つけることが可能です。

ブランドの世界観を表現した「koyoi」のECサイトは、複数の購入チャネルを作る上での中心的な役割を担っています。

EC事業を成長させるためのポイント

EC事業を成長させるためには、ブランド戦略のほかにも重要なポイントがあります。主なポイントは次の通りです。

自社だけでなく競合や市場のリサーチも行う

自社の商品に関する掘り下げとともに、競合商品や市場、ターゲットユーザーなどについての分析も重要です。「PEST分析」や「3C分析」などのフレームワークを用いると、市場のニーズや競合商品と比較した自社商品の相対的な強みなどが把握できます。

PEST分析は「Politics(政治)」、「Economy(経済)」、「Society(社会)」、「Technology(技術)」の4つの視点で分析する手法です。3C分析では「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の視点からマーケティング環境を分析します。

社内外の要素についてリサーチを行った上で、商品企画やブランドコンセプト、販促施策などを立案することが重要です。

費用対効果を考慮して施策を決める

ブランディング施策やマーケティング施策には様々なやり方があり、手法によって費用対効果が異なります。

費用対効果の高い施策から優先的に取り組むことが、EC事業の立ち上げや拡大を成功させるポイントです。例えば、「まずはPRや口コミなどで認知を獲得し、ある程度予算がかけられるようになったらWeb広告を始める」などの戦略が考えられます。

ECサイトの施策で費用対効果を見るための主な指標は、CPA(顧客獲得コスト)LTV(顧客生涯価値) などです。CPAがLTVを上回ってしまっている場合、施策を継続しても収益を得ることはできません。施策ごとにデータを確認し、費用対効果の合う手法に注力しましょう。

PDCAを回し改善を繰り返す

施策の効果を継続的に高めていくためには、得られた成果を数値として客観的に把握し、PDCAを回していくことが重要です。

EC事業でPDCAを回す際に見るべき主なKPIとして、WebサイトPV数(ページビュー数)UU数(ユニークユーザー数)CVR(コンバージョン率) などが挙げられます。また、広告を出稿している場合はCTR(クリック率) も改善すべき指標です。

施策の成果を定期的にチェックする体制を作り、改善に取り組みましょう。

ブランドを設計し認知獲得につなげよう

ECサイトで多くのファンを獲得するためには、Web広告以外にもPRや口コミ、ブランディングなど様々な方法があります。商品の価値を伝えるためには、一貫したブランド設計が重要です。ブランドコンセプトを言語化した上でECサイト、商品パッケージなどに反映し、認知拡大につなげましょう。

下記の資料では、「koyoi」のブランド立ち上げ背景グロース戦略がさらに詳しく学べます。Web広告に頼らないECサイトの認知拡大施策について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

▼「koyoi」のブランディング戦略の詳細はこちら

EC発「koyoi」のグロースステップ・マーケティング戦略

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