前回の記事 では、マーケティング思考を鍛えるためのトレーニング方法「マーケティングトレース」の方法論・プロセスについて解説しました。

マーケターの筋トレ・マーケティングトレースは、フレームワークを活用して企業のマーケティング戦略を分析した上で、自分がその企業のCMOだったらどのようなマーケティングを実施するかの仮説を立てるトレーニングです。

今回は、マーケティングトレースを実践する時や、仕事の中でマーケティング戦略を考える時に押さえておきたいポイントをお伝えします。

特に、フレームワークを活用する際に注意するべき点を重点的に解説していきます。

フレームワークの習熟度をあげる」ことは、マーケティングトレースの目的の一つです。
フレームワークを有効活用して、効率的に、かつ実践で活かせるマーケティング戦略を描けるようになりましょう。

フレームワークの活用レベルを確認

最初に、自分自身がフレームワークをどのレベルで活用できているか確認しましょう。

以下3つの観点で、自分自身のフレームワークの活用レベルを確認してみてください。

フレームワークの選び方を理解している
状況に合わせて適切なフレームワークを選択することができている

フレームワークの使い方を理解している
フレームワークを使い、課題定義・戦略仮説を導き出すことができている

フレームワークの共有の仕方を理解している
フレームワークを組織内で共有し、戦略を実行に結びつけることができている

この3つに自信をもってYESと言える人は、この記事やマーケティングトレースは必要ない方だと思います。
自信をもってYESと言い切れない方々に対して、フレームワークの習熟度をあげて、良い戦略を描くためのポイントを紹介していきます。

目指すべきは、適切なフレームワークを選べて、活用できて、共有ができ、市場と組織に変化を起こせている状態です。

フレームワーク分析で陥りやすい罠

まず、フレームワークを使う時の注意点から解説していきます。

WEBマーケティングの仕事をしている皆さんは、仕事でフレームワークを活用することが多いのではないでしょうか。

3C分析やPEST分析、4P分析など、一度は提案書に入れたことはある、見たことはある方がほとんどだと思います。

しかし、有効的にフレームワークを活用して戦略を導き出せている方は多くないと考えています。

間違ったフレームワークの活用について

間違ったフレームワーク分析の傾向を抽出すると、下記のような特徴があると考えています。

・そもそも使っているフレームワークが間違っている
・情報を当て込んだだけで、自分ならではの仮説がない
・データが入っていないため客観性に欠ける
・仮説は出しているけど面白みに欠ける
・そもそも活用しているフレームワークの意味を理解できていない

調べた情報をフレームワークに当て込むだけでは、使い物にならない戦略仮説しか生まれません。
フレームワークを使って自己満足な状態だけには陥らないようにしましょう。

それっぼいアウトプットを出せている状態で終わっているというフレームワークの落とし穴に陥ってしまっている現象を、WEBマーケティングの世界では見かけることが多いです。

フレームワークを有効活用するための5視点

それでは、フレームワークを有効活用するためには、どんな工夫が必要なのでしょうか?

著者がマーケティングトレースにおいて実践している方法をご紹介します。

フレームワーク分析をした後は、5つの視点で振り返りを行い、有効的な戦略仮説を導き出せているかをチェックするようにしています。

①当事者性:もし自分だったらという視点をもって分析できているか?
②本質性:その企業が成功するための根本的な要因を分析できているか?
③客観性:事実(データ)に基づいて分析ができているか?
④関係性:1つひとつの要素間の繋がりを意識して分析できているか?
⑤独自性:自分独自の視点をもって分析できているか?

フレームワークの5つのポイント

フレームワークを活用していると、市場のこと、顧客のこと、組織のことを「わかったつもり」になりやすいです。
分析の合間で、適切な分析ができているかのチェックは入れるようにしましょう。

戦略をつくっていると、自分はよく考えているな......と勘違いしやすいので、常にチェックシートを活用して客観的に見つめ直すことが大切だと考えています。