2019年3月1日、「マーケターの価値を明らかにする」をビジョンに掲げ、「マーケティングのビジネス貢献度の可視化」、「マーケターのキャリア構築支援」、「ビジネスパーソンのマーケティング思考育成」の3点をミッションとした一般社団法人マーケターキャリア協会(MCA)が発足し、3月5日に設立発表会が開催されました。

代表理事は株式会社ホールハート代表取締役CEO小野進一氏で、小野氏を含む7名が代表理事として設立発表会に登壇しました。

副業、独立、起業… マーケターのキャリアに選択肢を増やすための議論の場を

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一般社団法人マーケターキャリア協会(MCA)設立の背景について、代表理事の小野氏は下記のように述べました。

私自身は広告業界にいるマーケターやクリエイターの方の転職支援を10年行った後、現在はホールハートの事業としてIT・Web業界に従事している方々の転職支援を行っています。2万人以上の転職やキャリア相談に乗ってきて、年をとるごとにそれぞれの人のキャリアに向き合うという気持ちが強くなってきました。
転職支援の他に副業支援の事業も立ち上げ、フリーランスの方や起業されるという方にも多く出会う機会がありました。クリエイターの方々は独立して起業する、というキャリアアップのモデルが既に確立されていますが、マーケターの方が独立して仕事をしていくという道は実はあまり拓かれていません。
マーケティングの協会や学会は既に数多く存在していますが、マーケターキャリア協会は、マーケターのキャリアについて真剣に考え、向き合い、個人個人の人生に寄り添って新しい道を考えていけるような団体にしたいと考えています。マーケターは転職市場においても企業においても非常に足りていない状況です。人材が足りていないだけでなく、マーケターを育てる環境も豊かであるとは言えません。
そのような状況を協会を通してより良くしていく、マーケターの人たちがたくさん生まれて、経営にもマーケティングは重要なんだということが伝わるような活動をしていきたいと考えています。

「マーケターの価値を明らかにする」ビジョンとミッション

マーケターキャリア協会(MCA)は「マーケターの価値を明らかにする」というビジョンを掲げています。

小野氏はパネルディスカッションの中で

マーケターの人が転職したいとなった場合、前の会社では評価されていたとしても次の会社でもそうなるとは限りません。今まで積み上げてきたキャリアが客観的に見てどう映るかということが自分で理解しきれていないということがあります。逆の場合ももちろんあって、客観的に見て素晴らしいキャリアを自分ではそうとは思えていない人もいるでしょう。自分自身の価値が明らかになっていなかったりわからなかったりという人が多いのではないかと思っています。
アメリカでは転職だけでなく起業や副業といった選択肢も当たり前のように存在していて、今の日本ではそういった手段を取れる環境が整っていないと感じます。協会を通じてマーケターの価値や貢献度が明らかになるような仕組みを作っていきたいです。

と語りました。

さらに、ビジョンを実現するために下記の3つのミッションに取り組むとしています。

・ビジネスを動かすマーケティングの貢献度を可視化する。
・プロフェッショナルとしてのマーケターのキャリア構築を支援する。
・ビジネスパーソンのマーケティング思考を育成する。

また、これらのミッションに対する具体的なアクションが発表されました。

「ビジネスを動かすマーケティングの貢献度を可視化する」ためのアクション

「ビジネスを動かすマーケティングの貢献度を可視化する」ために行うアクションとして、「CEO調査」「ビジネス貢献度調査」「上場/中小/ベンチャー企業の経営者会議」が挙げられました。

「プロフェッショナルとしてのマーケターのキャリア構築を支援する」ためのアクション

「プロフェッショナルとしてのマーケターのキャリア構築を支援する」ためのアクションとして、「マーケター従事者意識調査」「メンターシッププログラムの実施」「マーケティング事例研究会の開催」が挙げられました。

参加するメンターについては今後、マーケターキャリア協会のサイトにて発表することです。

また、設立発表会前に実施された「マーケター関連業務従事者意識調査」の結果は下記のページにて公開中です。

https://marketercareer.jp/news/release2/

「ビジネスパーソンのマーケティング思考を育成する」ためのアクション

「ビジネスパーソンのマーケティング思考を育成する」ためのアクションとして、「MCA主催セミナーの開催」「理事による各種メディアでの執筆」「理事による各種イベントでの講演」が挙げられました。

マーケターの裾野を広げるために、ビジネスパーソンだけではなく学生も含めてマーケティング思考を備えることが重要だとしたうえで、マーケター育成のための様々な取り組みについて試みていくとしました。