インターネット行動をログ分析する「株式会社ヴァリューズ」は、国内に在住する20歳以上男女2万5,884人を対象に、新型コロナウイルス流行による働き方・消費意識の変化に関するアンケート調査を実施。同時に、同社の提供するマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」から、ユーザーのログを分析し、消費者動向の変化を調査しています。(アンケート調査は2020年4月30日~5月7日実施)

本記事では、同調査をもとにして、アフターコロナの消費者意識の変化を考えていきましょう。

参考:【調査リリース】コロナ影響下での消費者動向、アフターコロナへの展望を調査 収束後も日用品・食材・化粧品などのネット購入は継続傾向に

新型コロナウイルス流行拡大による興味の変化

ライフスタイル、そして娯楽がキーワード

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出典:【調査リリース】コロナ影響下での消費者動向、アフターコロナへの展望を調査 収束後も日用品・食材・化粧品などのネット購入は継続傾向に

まず、新型コロナの影響が拡大するとともに、消費者意識はいったいどのように変わっていたのでしょうか?「新型コロナウイルスの影響拡大をきっかけに興味を持ったこと」として、最も多かったのが「健康・医療・病気」といったトピックス。コロナ対策として、そして巣ごもり時間中の運動不足などがヘルスケア分野への関心を高めたことは言うまでもありません。

また、掃除や料理などが改めて注目されているのも見逃せないポイント。今まで忙しくて自宅で過ごすことが少なかった消費者も、否応なく自宅時間が増え、こうした暮らしにまつわることに目が向き始めたと言えるでしょう。

20〜40代女性で関心の高い「節約」

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出典:【調査リリース】コロナ影響下での消費者動向、アフターコロナへの展望を調査 収束後も日用品・食材・化粧品などのネット購入は継続傾向に

もう一つ、着目してみたいのが20代〜40代の女性で特に「節約」への興味関心が高まっている点です。コロナウイルスの影響が、どう暮らしに広がっていくかがわからない中、漠然とした不安を抱える消費者は少なくありません。20代〜40代女性は既婚者であれば家計管理を、未婚であれば将来設計を特に考えるゾーン。こうした世代の節約志向にどう対策を打つべきか、も考えていきたいところです。

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出典:株式会社ロイヤリティマーケティング「第41回Ponta消費者意識調査 2020年6月発表」|「Pontaリサーチ」調べ

また、別のリサーチ調査になりますが、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営している株式会社ロイヤリティマーケティングが発表した「第41回Ponta消費者意識調査 2020年6月発表」から垣間見える、消費者の節約意識の動向も注目です。

2020年5月29日〜31日に「Pontaリサーチ」にて実施された同調査によれば、新型コロナウイルスにより、収入が「減った」人は全体の約3割。買い物の価値観も、収入が減った層は特に金額を重視する傾向が高まっています。

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出典:株式会社ロイヤリティマーケティング「第41回Ponta消費者意識調査 2020年6月発表」|「Pontaリサーチ」調べ

一見、消費者の節約志向では、「節約したい」派(節約したい金額が1円以上)の割合が、「節約したくない」派(節約したい金額が0円)よりも多いものの、節約したいと回答する人の割合は、同年4月調査よりも減少。「節約したい金額が0円」の理由として18.4%が「節約に回す余裕がない」と回答しています。

節約志向が高まり、そもそも節約すらできないという現実に直面している消費者に対しては、今後、今まで以上に「この商品・サービスを購入することで、どんなメリット・価値があるか」を提案できるかどうかが鍵になってくるでしょう。

参考:株式会社ロイヤリティマーケティング「第41回Ponta消費者意識調査 2020年6月発表」|「Pontaリサーチ」調べ