大ブームとなったショートムービーアプリ『TikTok』ですが、ユーザー層は10代〜20代前半と若く、より上の年代や企業の参入障壁は高く感じられていました。

しかし2020年に入り、TikTokの企業活用が以前より活発になり始めています。本記事ではより積極的にTikTokを活用している企業事例と、企業活用が進んだ理由を解説します。

企業のTikTok活用がより活発に

TikTokが中高生に流行りだした頃は、中高生に人気のインフルエンサーを起用したキャンペーンが行われていました。コカ・コーラの「#リボンでありがとうチャレンジ」や、AbemaTVの「#今日好きダンス」などが有名です。

参考:「TikTok」を活用したマーケティングと企業の活用事例

2020年になると、これまでのTikTok活用の流れが変化しました。企業が公式アカウントを作ったり、フィルターを作ったりして、企業自身が発信を始めたのです。

なぜ企業自身がTikTokで発信を始めるようになったのか?今回は実際の活用事例を見ながら、その理由を探っていきましょう。

ここに注目!企業のTikTok活用事例

まずは企業のTikTok活用事例を見ていきましょう。

参考:ターゲットは若者だけじゃない⁈ 広がる企業のTikTokプロモーション事例6選!

東京カレンダー

東京カレンダーでは、自社アカウントで「港区おじさん」や「東カレTikTokバトル」といったストーリー仕立ての動画を投稿しています。

画像引用:東京カレンダー 港区おじさん|TikTok

1話2分以内のドラマ構成になっており、見進めるとキャラクターに愛着が湧いてきます。またドラマの中で登場する飲食店はタグ付けにより紹介されているので、飲食店のPRにもなるという工夫も。

画像引用:東京カレンダー表紙フィルター|TikTok

さらに「東カレグルメ」の表紙のようなオリジナルフィルターも提供しています。そのフィルターを使って撮影し「#東カレグルメ」のハッシュタグを付けて投稿すると、人気レストランの予約権と30,000円分の食事ができるクーポンが貰えるキャンペーンも開催しました。

参考:7月末まで東カレチャレンジ実施中!人気和食店30,000円分のプレミアムシートを当てよう!

企業アカウントが自発的に発信することで、大学生〜社会人のTikTokユーザーの心を掴んでいます。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーではTikTokクリエイター支援の一環として、動画や広告を作りたいという人向けに、クラフトボスを使ったクリエイティブコンテストが開催されました。

画像引用:サントリー クラフトボス|TikTok

本コンテストで入賞した作品は実際にサントリーの広告で起用されたり、クリエイターはサントリーの動画広告制作にクリエイターとして採用されたりしています。

より幅広いユーザーが参加できるように、自由に作品作りができる「ティーとミルクとレモン部門」、動画の撮影や編集スキルがなくてもオリジナルエフェクトを使うだけで参加できる「いろんな私を見て部門」の2部門で開催。

TikTokユーザーがもっと動画作りを楽しめるような企画となっています。

参考:TikTok|サントリー「クラフトボス TEAシリーズ」 ユーザー参加による第2回TikTok クリエイティブコンテストを開催|PRTIMES

荒野行動

「荒野行動」は中高年を問わず、今や幅広い世代に人気のゲームです。TikTokにもしばしば荒野行動のプレイ動画が投稿されていました。

そんな人気の高さを受け、荒野行動から「荒野全力顔」というオリジナルフィルターが提供されています。

画像引用:荒野行動 荒野全力顔|TikTok

このフィルターはTikTokでおなじみの「全力〇〇顔」というチャレンジから発足したもの。ユーザーがフィルターとBGMを使った自撮り動画を投稿することで、さらなる認知拡大や、ゲームのコミュニティが形成されています。

さらに荒野行動はゲーム内にTikTokへのシェアシステムを搭載。プレイ画面を自動録画し、プレイ終了後の画面でシェアボタンを押すだけで投稿ができます。

シェアすることでゲームで使える限定アイテムが貰えるなどのイベント報酬も用意されているので、ユーザーのシェア促進に繋がっています。

参考:【荒野行動】Tiktokでシェアする方法まとめ!イベント報酬も!

日本赤十字社

日本赤十字社はソーシャル施策として、TikTokで「#BPM100 DANCE PROJECT」というチャレンジを作りました。リズムの良いBGMに合わせて、心肺蘇生の手順を学べる・覚えられるというチャレンジです。

画像引用:日本赤十字社東京都支部 BPM100 DANCE PROJECT|TikTok

このプロジェクトは心肺蘇生の普及を広めることを目的としたもの。「BPM」とは「Beats per minute」のことで、1分間に刻むビートの数のことです。心肺蘇生も1分間に100〜120回のテンポで行うため、ダンスのビートとぴったり合います。

日本赤十字社の各地支社でも「#BPM100 DANCE PROJECT」のチャレンジ動画を発信し、さらなる認知拡大に努めています。

参考:ダンスで心肺蘇生を広める「#BPM100 DANCE PROJECT」発足!