「中食(なかしょく)」とは、市販の弁当や惣菜、調理品をテイクアウトして家で食べる食行動のこと。*人々が新型コロナウイルス感染拡大で外出の頻度を減らす中、そして、2019年10月の消費増税の影響もあり、今この「中食」市場が堅調な伸びを見せていると言われています。*この記事では、国内の「中食」事情を、最新の事例も交えながらお伝えします。

中食とは?

「中食(なかしょく)」とは、「外食(がいしょく=レストランなどへ出かけて食事をとること)」と「内食(ないしょく、うちしょく=家庭内で調理をして食事をとること)」の中間に相当するものです。

つまり、市販の弁当や惣菜、調理品を家へ持ち帰って食べることを指します。

また、これらの弁当・惣菜といった調理品そのものを指して「中食」と呼ぶ場合もあります。

中食が注目を集める理由

[図1]内食、中食、外食市場それぞれの伸び率
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引用:激化する「中食・内食」競争、家庭での喫食は拡大傾向に|食品産業新聞社

2015年時点で農林水産省が一般消費者を対象に行った調査結果によると、「月に1回以上、中食を利用する」と答えた人の割合は、単身世帯、2人以上の世帯ともに、7割〜8割と高水準をマークしました。

その後、2019年10月に消費税が8%から10%に増税されました。ただしここでは「軽減税率」が適用され、「外食」は10%、「中食(テイクアウト)」は8%と差が付きました。
その影響もあり、「中食市場」は消費増税後にも堅調な伸びを見せていると言われています。

日本惣菜協会発行の「惣菜白書2019年版」によると、2017年の「中食」市場規模は2008年比で22.3%増の10兆555億円。「外食」「内食」と比較すると、「中食」の伸び率が最も大きいことが明らかになっています。

さらに、2020年以降の新型コロナウイルスの流行により、人々の買い物や調理行動は大きく変化。「テイクアウト」「デリバリー」を利用した家庭での喫食傾向はますます増加傾向にあります。

このような流れを受けて、国内企業はこれまでのノウハウを活かし、「中食事業」に力を入れ始めているのです。

参考:
食料消費の動向|農林水産省

激化する「中食・内食」競争、家庭での喫食は拡大傾向に|食品産業新聞社