WordPressは導入や更新の手軽さから多くのユーザーに支持されているCMSのひとつです。加えて、SEOにも強いことから、企業のオウンドメディアとしても数々の導入事例を誇っています。しかし、WordPressSEO評価を強化するためには、プラグインの追加や適切なコーディングが必要です。

この記事では、現役のWebマーケターである筆者が、WordPressで作成したWebサイトSEOを強化するための施策について詳しく解説していきます。

目次

  1. そもそもSEOとはどのような概念なのか
  2. SEOを強化するために意識すべきポイントは3つ
  3. WordPressのSEOを強化するためにインストールすべきテーマとプラグイン
  4. WordPressのSEOを強化するために見直したいポイント
  5. WordPressのSEO対策を徹底して魅力的なサイトを作成しよう

そもそもSEOとはどのような概念なのか

SEOとは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで、自社のサイトやページが上位に表示されるように行う施策の総称です。Googleは「クローラー」というシステムを用いて世界中のWebサイトを巡回し続けており、独自の基準でWebサイトに評価を下しています。

特定のキーワードが打ち込まれた際には、その評価に基づいて「高品質」であり「最もニーズに一致している」とみなされたページが最上位に表示されます。

どのような基準でサイトの評価が決まっているのかは公表されていませんが、抑えておくべきセオリーは確立しているので、この記事ではそのセオリーを抑えつつ、WordPressで行うべきSEO施策を紹介していきます。

Googleのアルゴリズムによって判別されるサイトの「魅力」

SEOを言い換えると、Googleのアルゴリズムによって判断される、サイトの「魅力」を高めようという考え方です。サイトの魅力とは、「サイトを訪れたユーザーに与える満足感」と捉えられます。つまり、SEO施策とは「ユーザーに満足してもらうためのあらゆる施策」と言い換えられるのです。

筆者はSEOコンサルを行う数々の企業で業務に当たってきましたが、様々な手法が確立されているなかで結果を出している企業には、共通しているある考え方がありました。それは「ユーザーのニーズは何か」「ニーズを満たすには何が必要か」を炙り出して、ニーズに応えるコンテンツを作成し、CVへの導線を構築しているということです。

また、SEOを学ぶ前にGoogleの基本方針についても触れておきましょう。

ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。
新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。
Googleトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。
金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。
広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。
新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。
引用:Google が掲げる 10 の事実

この考え方に基づいて、SEOを捉えることが肝心です。

内部SEOと外部SEOに大別される

SEOの具体的な手法は大きく「内部SEO」と「外部SEO」に分けられます。内部SEOはサイト内のコードを最適化したり、内部リンクを適切に設置して回遊率を高めたりといった「サイト内で行える施策」を指します。巷で耳にするSEO対策の多くは、内部SEOのことを表しているのです。

一方の外部SEOは、外部のサイトからバックリンクを取得することでサイトの評価を高めようとする手法です。注意すべきは、業者に依頼して増やしてもらう意図的なバックリンクは評価を向上させるどころか、低下させてしまう恐れがあるという点です。

後述する「ブラックハットSEO」に該当してしまうと様々なペナルティを与えられてしまうので、質の高いコンテンツを生産して自然とに被リンクが増加していく状態を目指しましょう。

SEOの評価を可視化してみよう

SEO対策を行う前に、今の評価がどれくらいなのかを理解することが大切です。基本的にWebサイトの評価値は公表されていませんが、Moz社が提供しているMoz Barという拡張機能を搭載することで、SEOの評価を可視化できます。自社サイトはもちろん、他社サイトの数値も閲覧できるので、競合のリサーチにも役立てられるのです。

自社の数値を可視化したうえで、競合サイトのリサーチにも取り組んでいきましょう。

SEOを強化するために意識すべきポイントは3つ

ここからはもう少し具体的に、SEOを強化するために意識しておきたいポイントについてご紹介します。

Webサイトの目的と提供内容が合致しているか

Webサイトの目的と提供内容が合致していないと、SEOの評価は上がりにくくなります。例えばferretは「Webマーケティング」に特化したWebメディアです。そのため、こうしたSEOのノウハウ記事や、最新のWebマーケティングに関連した情報をお届けしています。しかし、急にお手軽料理のレシピを掲載し始めてしまったら、ユーザーは困惑してしまうでしょう。

これはクローラーにとっても同じことです。クローラーはサイトやコンテンツ中に盛り込まれているキーワードからサイトのテーマを判別しており、ferretのことも「Webマーケティング関連のメディアなのだな」と把握しています。だというのに、急に「きゅうり」「レンジで5分」などのキーワードが大量に含まれた記事を掲載してしまったら、サイトのテーマと合致していないコンテンツとして認識され、威力が弱まってしまいます。

サイトを立ち上げる段階から「どのような目的を持ったサイトなのか」というコンセプトを明確にして置き、その大テーマから外れないようなコンテンツに絞って更新していくことが大切です。

初心者のためのホームページの作り方 [決定版]というサイトは、たった5ページで構成された小さなWebサイトです。しかし、「ホームページ 作り方」というビッグワードで上位表示され続けている伝説のサイトでもあります。

この例からも分かるように、特定のテーマやKWに絞ったサイトは、そのKWに対しての評価も高くなりやすいと言えるでしょう。

ユーザーとクローラーの評価を得られるコンテンツか

WordPressCMSとしての機能も優秀なので、簡単に記事の更新や修正が行えます。しかし、SEOで評価を得られるような記事を作成するには、いくつかのコツを抑えておかなければなりません。

大原則として抑えておいて欲しいのは、狙うKWから「ユーザーインサイト」を読み取っているか、検索したユーザーの悩みに対してしっかりと応えているか、という点です。結果を出しているSEOライターやSEOコンサル事業を営む企業ほど、その2点を丁寧すぎるほどに観察し、工数をかけています。

ぜひ今後制作するコンテンツについては、それらの点に注意してみてください。

WordPressのSEOを強化するためにインストールすべきテーマとプラグイン

WordPressSEO対策は、実はかなり簡略化できてしまいます。以下に紹介する2つのテーマとプラグインを導入することで、基本的なSEO対策は完了してしまうでしょう。

【テーマ】SANGO

Webにまつわる様々な事柄を分かりやすく解説しているサルワカが開発したWordPressテーマ「SANGO」は、数多くの企業のオウンドメディアや、アフィリエイターのブログに活用されている人気テーマです。

見やすく分かりやすいデザインと直感的な使用感がWeb制作のストレスを軽減してくれますし、記事の装飾についても高品質なテンプレートがたくさん用意されているので、メディアの色に合わせてカスタマイズできるのも嬉しいポイントでしょう。

他にもいくつかWordPress公認の有料テーマが存在するので、肌に合うテーマを購入することをお勧めします。

参考:SANGO

【プラグイン】All in One SEO Pack

WordPressといえばこのプラグイン、と言っても過言ではないほどに豊富な実績と長い歴史を誇るのがAll In One SEO Packです。

SEO対策のために行う作業の半分以上を自動的に行ってしまうので、インストールしておくだけでひとまずは安心できてしまいます。

例えば、本来はコンテンツを追加するたびにサイトマップを更新してクローラーへ「記事を更新しましたよ」とお知らせしなければならないのですが、All In One SEO Packは自動でサイトマップの更新を行ってくれます。

また、メタディスクリプションを記載するために、metaタグの中にディスクリプションの文章を記述しなければならないところを、WordPress画面上に記載するボックスを作成してくれるのも、初心者にとってはありがたいポイントです。

このように、All In One SEO Packは利点しかないプラグインなので、WordPressをインストールしたらまず初めにインストールしましょう。

WordPressのSEOを強化するために見直したいポイント

ここからは、すでにWordPressでサイトを運用しているけれど結果が出てこない、という方に向けて「見直したいポイント」を詳しく解説していきます。1つでも当てはまる点があれば、ぜひ今日から改善してSEOを強化していきましょう。

noindexを活用してクローラーから低品質なページを無視してもらう

HTMLには、noindexというタグが存在します。文字通り、クローラーに対して「インデックス(登録)しないで」と指示を行うタグです。本来であれば、サイトのコンテンツは余すことなくインデックスしてもらったほうがプラスになるのですが、場合によってはインデックスされないほうが良いケースも散見されます。

例えば「低品質な記事」や、「内容が重複している記事」に関しては、インデックスしないほうがSEOの評価が高まるのです。もちろん、低品質な記事をそもそも作らないのがベストですし、内容が重複しないように記事を管理していくことも大切ですが、メディアが大規模になっていくとどうしてもそうしたケースが生まれてしまいます。

ひとまずnoindexタグを挿入してサイトから除外してもらい、その間にリライトや記事の統合を行ってコンテンツを再考するのが良いでしょう。

カテゴリの入れ子構造を見直してみる

メディアの中には、そのテーマごとに「カテゴリ」を設置することになりますが、そのカテゴリ分けが適切か否か、という点も見直してみましょう。

ferretの場合は、大テーマが「Webマーケターのよりどころ」というコンセプトなので、その大筋から外れないようにカテゴリを考えていくと、以下のような分類になります。

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ここまで大規模である必要はありませんが、記事数が多くなってきた場合は、重要な論点ごとに「中テーマ」を定めて、その中に「小テーマ」を構築するのが良いでしょう。

例えば「SEO」という大テーマのなかに「内部対策」という中テーマが存在し、さらに「内部リンク設計」という小テーマが置かれているように、ユーザーやクローラーが混乱しないように適切なカテゴリ設計を組み立てることがSEOを強化する近道となります。

内部リンクと外部リンクを見直してみる

記事の内部リンク外部リンクを見直してみることも重要な施策のひとつです。

内部リンクとは、記事の中に自社メディアの別記事へのリンクを挿入することで、ユーザーの満足度や回遊率(滞在時間)を高める施策を指します。適切な内部リンクを設計することで、SEOの評価を強化できるので、ぜひいろいろなメディアを参考にしてみましょう。

外部リンクとは、外部のサイトから被リンクを獲得することです。権威性のある「Aサイト」から「Bサイト」へのリンクが貼られることで、「こんな強いAサイトがBサイトにリンクを貼っているということは、Bサイトもいいサイトに違いない!」と判断されてSEO評価が高まります。

余談ですが、このシステムを活用してコーポレートサイトの順位を向上させるのが、オウンドメディアマーケティングという手法です。

メタディスクリプションやタイトルを見直してみる

メタディスクリプションやタイトルは、初めてユーザーの目に触れる部分になります。そのため、記事本文やサイトの中身よりも注力したいポイントでもあるのです。

メタディスクリプションは簡潔に「答え」や「記事の概要」を記載すること、タイトルは「思わずクリックしたくなる」ものに仕上げることを意識しましょう。

まれに「KWをふんだんに盛り込んだほうがいい!」と解説している記事もありますが、そこまで意識する必要はありません。KWが含まれているに越したことはありませんが、その結果として不自然な文章になってしまうくらいなら、読みたくなるような文章でありつつ、自然とキーワードが2~3個含まれている、という程度のほうが良いでしょう。

モバイルフレンドリーに対応しているか見直してみる

昨今のスマートフォンの普及によって、Webサイトを「PC版」と「スマホ版」の2種類用意している企業も増加しています。

どちらにも対応できるレスポンシブデザインという形式で作成したサイトであれば、タブレットにも対応できるのでより使い勝手が良いのですが、いずれにせよ、今後のSEOは「モバイルフレンドリーに対応しているか」という点が重要視されます。

つまり、スマホからサイトを見たときに「画面が崩れていないか」「設置されているリンクが近すぎないか」などの点が厳しく見られるので、より一層デザインの重要性が高まっていると言えるでしょう。

WordPressのSEO対策を徹底して魅力的なサイトを作成しよう

WordPressは扱いやすく、SEOにも強いので多くのユーザーに選ばれています。しかし、基本的なSEO施策を抑えておかないと、せっかくコンテンツを提供してもSEO評価が上がらず、誰にも見てもらえません。

この記事で紹介した施策や考え方を参考にして、これからサイトを立ち上げる方も、すでに立ち上げて運用している方も、今一度SEO対策を見直してみましょう。