近年生まれた新しいCxO

ビジネスの環境変化とともに、様々な新しい業務や必要性の高まってきた業務があります。

ここでは、変化によって生まれた比較的新しいCxO職とその事例について紹介します。

13.CHO(最高従業員幸福責任者)

CHOとは、「Chief Happiness Officer」の略で、企業において、従業員の“幸福”をマネジメントする「最高従業員幸福責任者」を意味します。近年「幸福学」という学問の研究が進み、幸福度の高い人は仕事の生産性が高く、離職率が低い傾向にあるということが解明されてきました。そのため、従業員の状態を把握し、幸福度高く働くための環境を作ることがCHOには求められます。

Google社のチャディー・メン・タン氏は、元々グーグルの検索エンジン担当として活躍してたエンジニアで、企業内でのCHOの重要さを広めた第一人者です。
彼はポジティブ心理学という、ネガティブな考えを避け、自身のありのままの良さを追求する心理学をベースに、「マインドフルネス・トレーニング」を完成させました。今でもそのトレーニングを、多くのグーグル社員が受けています。

参照:
高い社員幸福度で業績アップ-今話題のチーフ・ハピネス・オフィサーとは|btrax

14.CDO(最高デザイン責任者)

CDOとは、「Chief Design Officer」の略で、「最高デザイン責任者」を表します。
特許庁でも、行政サービスの品質向上のために、デザイン責任者(CDO)を設置する動きがあり、注目の集まるポジションです。プロダクトに関わる、あらゆるユーザーの体験を設計(デザイン)し、改善することを担います。必要によっては、採用手法の検討や会議の進め方などの幅広い業務に関わることもあります。

ビズリーチ社の田中祐一氏は、2017年8月に社内で初めてのCDOに就任しました。デザインを経営に戦略的に活かすために、プロダクト、ブランド、コミュニケーションなど幅広いクリエイティブ領域の業務に関する責任を持っています。70名を超えるデザイナーを抱える経営直下の「デザイン本部」を統括をしています。

参照:
経営の中心にデザインを ビズリーチがデザイン最高責任者を設置|事業構想

15.CLO(最高人材・組織開発責任者)

CLOとは、「Chief Learning Officer」の略で、「最高人材・組織開発責任者」を表します。ビジネス環境の変化が激しくなる中で、企業や組織は変化に対応するため学習し続けることが求められています。CLOは、個人が自発的に学び、お互いに良い相互関係を与えていく組織作りに取り組みます。

田口光氏は、某大手技術サービス企業を退職し、スタートアップやベンチャーのコンサルタントとして独立を経験した後、2016年ChatWork社へCLOとして参画しました。組織の学習を創り出すために、社内メンバーの交流機会を生み出すユニークな企業制度の導入に取り組んでいます。

参照:
新たな時代のワーキングスタイルを創るChatWork社が待望した男が語る未来とCLOの意味とは|エグゼクティブキャリア総研