マニュアル動画の作り方や注意点を解説。社内用・社外用の動画事例も紹介
社員研修や顧客への商品説明の際、紙の資料だけでは効率が悪いと感じた経験はないでしょうか。そんなときに便利なのが、情報を明確に提示できるマニュアル動画です。
マニュアル動画なら誰に対しても全く同じ情報を提供でき、作業の効率化や時間の短縮ができます。そこで、マニュアル動画のメリットや作り方、注意点、参考にしたい動画事例などを紹介します。
目次
- マニュアル動画とは
- マニュアル動画の種類
- マニュアル動画のメリット
- マニュアル動画の注意点
- マニュアル動画作成前に確認したいポイント
- マニュアル動画を作る流れ
- 参考にしたい動画マニュアル事例
- マニュアル動画の作り方のポイント
- マニュアル動画作成でよくある質問
- マニュアル動画で業務効率化を目指そう!
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マニュアル動画で業務工数を大幅削減
業務の円滑化、業務改善を可能にするマニュアル動画の作り方の注意点や有効活用について解説します。
マニュアル動画とは
マニュアル動画とは、その名の通り業務マニュアルなどを動画にまとめたものです。
動画形式のマニュアルは文字や図を読んだり見たりするよりも理解しやすく、研修や営業などのシーンで活用されています。
例えば、工場では実際の現場でどんな風に機材を動かすのかなどのイメージもしやすくなります。
マニュアル動画の種類
動画マニュアルには大きく分けて社外向けと社内向けの2種類があります。以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
● 社内向け
社内向け動画マニュアルとは、業務マニュアルや社員研修マニュアルなど社内で使用するものを指します。主に社員が見るためのマニュアルで、以下のような内容が収録されているのが特徴です。
- 業務プロセスの説明
- 社内規定や各種制度の周知
- 社内研修
新入社員や派遣スタッフ、部署異動で初めての業務に取り組む担当者など、さまざまな人員に対して有効なのが社内向けの動画マニュアルです。マンツーマンで手取り足取りレクチャーする必要がなくなるため、教育係の負担を軽減できます。
● 社外向け
社外向けマニュアルは、主に営業先や自社の見込み客・顧客に対して利用されるものであり、以下のような内容を収録します。
- サービス・製品紹介
- サービスのチュートリアル
サービス・製品紹介動画は、Web上や営業先などで自社製品を宣伝する際に用いられるのが一般的です。
一方でチュートリアル動画は、SaaS製品などの機能や使い方を伝える際に役立ちます。
自社製品を利用している顧客に対してチュートリアル形式の動画を提供することで、クリックする場所やポインターの動かし方など文字・図だけでは伝えきれない内容をわかりやすく伝えられます。結果として顧客満足度やLTVの向上につながるでしょう。
マニュアル動画のメリット
マニュアル動画には業務効率化・属人化の排除・コスト削減などさまざまなメリットがあります。それぞれのメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。
業務効率化
マニュアル動画を活用することで以下の効果が期待でき、業務効率化につながります。
- 業務について説明する手間や時間を省ける
- 顧客からの問い合わせ対応業務を削減できる
- 言葉や文字だけでは伝えきれない情報を伝えられるため、伝達ミスを防げる
マニュアル動画を作成しておくと、社員研修や新しい業務を開始する際などにマンツーマンでレクチャーする手間がなくなります。
また、よくある質問を動画でまとめておけば、顧客からの問い合わせを削減できるでしょう。
さらに、動画マニュアルでは動きや音などの情報も伝えられるため、内容を正しく伝えられます。紙マニュアルのように内容を読み飛ばされる心配もなくなるでしょう。
属人化の排除
マニュアル動画を作成しておくことで、以下のような効果が期待できます。
- 社内の情報共有がしやすくなる
- 熟練者のノウハウを動画化することで、技術伝承の課題を解決できる
動画マニュアルは紙の資料とは異なり、印刷・配布する必要がなくデータやURLを送るだけで良いため、情報をスムーズに共有できます。
また、熟練の営業スタッフや技術者のノウハウを動画にまとめれば、他のスタッフにも高い技術力が身につきます。例えば、営業の場ではトップセールスマンが培ったノウハウをもとに商談を進められるため、営業スタッフの間に格差が生まれることを防止できるでしょう。
コスト削減
マニュアル動画を活用することで、以下のようなコストの削減にもつながります。
- 営業のコスト
- 社内研修における教育担当のコスト
- 紙の印刷コスト
マニュアル動画は社外の営業用ツールとしても使えます。見込み顧客に対してサービスや商品の説明をするときに見せれば、説明や問い合わせ対応にかかるコストが省けます。
また、マンツーマンでの教育やグループ研修などを行う場合は会場費や人件費などがかかりますが、マニュアル動画があればそれを視聴するだけなので、こうした費用もかかりません。
さらに、動画は紙のマニュアルとは異なり紙面に印刷する必要がないため、印刷にかかる紙・トナーなどの費用も削減できます。
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マニュアル動画の注意点
マニュアル動画はメリットが多く非常に便利なものですが、いくつかの注意点があります。
作成に時間がかかる
マニュアル動画はコンテンツの用意や実際の動画撮影などが必要なため、初回の作成には時間がかかってしまいます。
ただし、一度作ってしまえば定期的に更新するだけで使えるのが魅力です。最初にベースとなるマニュアル動画を作成しておき、何か変更があった場合には都度更新していきましょう。
視聴デバイスが必要
動画マニュアルは紙とは違い、スマホやPCなどの視聴デバイスが必須です。紙のマニュアルであれば誰でも気軽に閲覧できますが、動画マニュアルは視聴デバイスを持っていないと見られません。
しかし、現代ではほとんどの方がスマホもしくはPCを所有しているため、見られないなどのトラブルはほとんど起こらないでしょう。
また、紙のマニュアルでは紛失したり破れたりして見られなくなる場合がありますが、動画マニュアルなら一度ダウンロードしておけば好きなときに閲覧できて便利です。
マニュアル動画作成前に確認したいポイント
マニュアル動画のメリットや注意点が分かったところで、次は作成前に確認したいポイントについて詳しく解説します。
マニュアル作成目的を明確にする
出典:資料「マニュアル動画活用で業務工数を大幅削減する方法とは?」
作成の目的を何にするか決めておかなければ、動画の内容がまとまらなくなってしまいます。
新入社員研修・業務内容の統一化・顧客へのサポートなど、何を目的に動画マニュアルを作るのかを最初に設定しておきましょう。
また、なぜ動画マニュアルが必要なのかを考えながら作成するのもおすすめです。例えば紙の資料ではイメージがわきにくい、顧客のサポートや対応に割く人件費が高いなど詳細な内容を考えてみてください。
問題を解決できる内容の動画マニュアルを作成できれば、目的を達成できるはずです。
マニュアル活用場面を明確にする
出典:資料「マニュアル動画活用で業務工数を大幅削減する方法とは?」
活用シーンは大きく分けると社内向けと社外向けがあり、社内向けの場合には社員のスキルアップや研修などに使用します。
社外向けの場合には社員が顧客に対して使うケースが多いです。誰がいつどんなシーンで使う動画マニュアルなのかを明確にしておけば、どんな内容だと分かりやすいのかがイメージしやすくなります。
マニュアル保管・確認場所を明確にする
出典:資料「マニュアル動画活用で業務工数を大幅削減する方法とは?」
マニュアルの保管・確認場所は明確にしておきましょう。
特に複数のマニュアル動画がある場合、それぞれが別々の場所に保管されていると、都度データを探さなくてはならなくなり、大変な時間や手間がかかります。
社内用は社員が、社外用は顧客がいつでも視聴できる状態で保管するのが望ましいでしょう。
マニュアル動画を作る流れ
マニュアル動画を作成する流れは以下の通りです。
- 構成案・目次を作成する
- 台本を作成する
- 動画を撮影する
- 編集する
まずは、どのような順で動画マニュアルをまとめるか、その構成を時系列で考えていきます。この構成によって動画の方向性や流れ、伝えるべき内容が固まります。
構成ができたら、撮影に移る前に台本を作成しておきましょう。台本は絵コンテや箇条書きなどでまとめても構いません。
次は台本をもとに撮影を始めます。この工程に入るまでに、撮影に必要な素材や機材・場所を確保しておきましょう。また、撮り直しを防ぐため動画はさまざまなアングルで撮影することをおすすめします。
動画の撮影が終わったら、編集に移ります。動画編集ツールを活用しながら不要なシーンをカットしたり、テロップやナレーション、図解、アニメーションなどを入れたりします。
参考にしたい動画マニュアル事例
ここでは、以下3つのパターンに分けて参考にしたい動画マニュアルの事例を紹介します。
- 業務マニュアル
- チュートリアル動画
- 製品・サービスマニュアル
【社内用】業務マニュアル動画
アルマイト総合メーカーである株式会社イズミテクノの事例です。
同社は社内教育体制の見直しにあたり、50〜60種類あった紙の手順書を自社でマニュアル動画化。初心者にもわかりやすく、誰でも見やすいマニュアル動画を作ったことで、業務効率化を実現しました。
テロップ付きで作業の様子を解説しており、手順や工程が一目で分かるようになっています。重要なポイントはアニメーションで強調するといった工夫も見られます。
【社外用】チュートリアル動画
KDDI株式会社が、ユーザー向けに「G Suite」の基本的な操作方法について解説しているチュートリアル動画です。
実際に操作している様子を画面キャプチャで映しているため、初めて見る人でも手順が分かりやすく、操作に迷うことがありません。クリックする場所や重要な操作は装飾・アニメーションで強調し、テロップ付きで解説しています。
【社外用】製品・サービスマニュアル動画
不動産関連のサービスを提供する、株式会社アーキテクト・ディベロッパーの事例です。
同社は、管理している物件の入居者や潜在顧客向けにサービスマニュアルを作成しました。家電のメンテナンス方法やWi-fiの設定方法、水回りのトラブルが起きた際の対処方法など、電話・紙資料では伝えにくい内容を音声と映像で解説。
その結果、お客様アンケートでは「満足」「わかりやすい」という評価を獲得し、顧客からの質問応対の時間削減につながっています。
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マニュアル動画の作り方のポイント
マニュアル動画を作成する際のポイントを紹介します。
短時間で理解しやすい尺にする
マニュアル動画は5分前後の短い尺に収めるのが理想です。
1つの動画に多くの内容をまとめてしまうと、視聴したい箇所を見つけづらくなったり、かえって重要なポイントが頭にのこりにくくなる可能性があります。
作業工程や手順の説明が長くなりそうなときは、不要な箇所をカットする、動画を細かく複数の工程に分けて作るといった工夫が必要です。どうしても1本の動画にまとまらない場合は複数の動画に分けると良いでしょう。
テロップや図解なども入れて工夫する
マニュアル動画を作成する際は、音声や映像だけでなく、テロップ・図解などを使い、初心者でも内容を理解しやすいような工夫をしましょう。
テロップがないと、音が出せない環境で視聴する場合に内容を理解できなかったり、展開が速いと内容を追えなくなったりする場合があります。
ただし、過度に字幕を入れると文字量が多くなってしまうため、重要な箇所のみテロップを入れるなどの工夫をしましょう。
「動画ならでは」のメリットを活かす
マニュアル動画では、動画ならではのメリットを生かした作成を心掛けましょう。
例えば、テキストや写真では伝わりづらい、動き・音声のある動画だからこそ伝えられる箇所を抽出して作成すると良いでしょう。また、複雑な箇所や細かな作業の説明など、動画だけでは伝わりづらい場合は、紙のマニュアルも併用して説明を行うのも効果的です。
そのほか、動画は複数のアングルから撮影することで作業や工程の全体像を把握しやすくなります。こうした工夫も見る側の理解度を高める工夫の一つと言えるでしょう。
マニュアル動画作成でよくある質問
マニュアル動画作成に関してよくある質問とその回答をまとめました。
自社制作と外注どちらにすべき?
マニュアル動画を制作する方法には、自社制作と外注があります。
あまり費用と時間をかけたくない場合は、自社で内製するのがおすすめです。専門的なノウハウがない場合でも、動画作成ツールを活用すれば自社でも十分に作成できます。
一方で手軽さや費用よりも動画の品質を重視したい場合は、経験と実績が豊富な制作会社に依頼するのが良いでしょう。
外注・内製化を判断する際の基準は以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:動画制作は外注と内製化どっちがいい?選ぶポイントや方法を解説!
外注する場合の費用は?
マニュアル動画の作成を外注する場合、約10分の動画を作るのに20万円~50万円ほどの費用がかかります。費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
ディレクション費 | 3万円〜 |
台本作成費 | 3万円〜 |
撮影費 | 5万円〜 |
撮影機材費 | 5万円〜 |
編集費 | 5万円〜 |
音響効果費 | 3万円〜 |
ナレーション費 | 3万円〜 |
音響効果やナレーションはオプションとされていることも多いため、外注費用を抑えたい場合はカットしても良いでしょう。
どんなソフトでマニュアル動画を作れる?
動画作成に使えるソフトとしては、「Video BRAIN」や「Power Point」などがあります。
動画制作ソフトは動画の作成目的や、動画作成者のスキル、会社でかけられるコストを考慮して選びましょう。
おすすめの動画制作ソフトや選び方については以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:動画制作ツール・ソフトを22選比較!目的を明確にしてから選ぼう
マニュアル動画で業務効率化を目指そう!
マニュアル動画を作るには手間がかかるものの、ベースだけ作っておけばあとは定期的に更新するだけで便利に使えます。
コスト削減や時間の短縮にもなり、効率のよい作業ができるのも大きな魅力です。
また、マニュアルで学ぶことにより社内でノウハウを共有しやすくなったり、研修・教育内容のばらつきも防げたりするといったメリットもあります。
ぜひ本記事を参考に、マニュアル動画を取り入れてみてはいかがでしょうか。
本資料では、
・マニュアル動画作成前におさえておきたいポイント
・成果につながりやすいマニュアルの活用シーン
・社内向け・社外向けマニュアル動画の活用事例
を紹介しています。ぜひ、業務効率化につながるマニュアル動画作りの参考にしてみてください。
- SaaS
- SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ユーザーにソフトウェアの「機能」をインターネット経由で提供することを言います。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- URL
- URLとは、「Uniform Resource Locator」の略称です。情報がどこにあるのかを示すインターネット上の住所のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。各ページのURLは、インターネットブラウザの上部に文字列として表示されています。日本語では「統一資源位置指定子」という名称がついていますが、実際には日本でもURLという語が使われています。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- キャプチャ
- キャプチャとは、出力されたデータを別の機器で取り込み利用可能な状態にすることを言います。例としては、TV映像をパソコンに取り込み、その映像を保存(キャプチャ)し、パソコンで再生可能にすることなどです。ホームページの分野では、ブラウザなどでホームページのデザインを画像として保存することなどを指すこともあります。
- テキスト
- テキストとは、純粋に文字のみで構成されるデータのことをいいます。 太字や斜線などの修飾情報や、埋め込まれた画像などの文字以外のデータが表現することはできませんが、テキストのみで構成されたテキストファイルであれば、どのような機種のコンピューターでも共通して利用することができます。
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