新型コロナウイルスの影響により、ニーズが急増したウェビナー。近年はBtoB分野でもウェビナーを活用する企業が多く出現しました。テレワークの普及により、オンライン上での面接や説明会、商談などが定着したため、将来的にもウェビナーを含むオンラインでのやり取りは継続的に活用されることが予想されます。

実際にウェビナーをマーケティング戦略として新たに導入したいけれど、何から始めればいいかわからないという方に向けて、BtoBウェビナーの基礎概要を解説します。

目次

  1. コロナ禍におけるウェビナーへの需要
  2. BtoBマーケティングでウェビナーが活用される理由
  3. BtoBウェビナーの集客方法
  4. BtoBウェビナーの配信パターン
  5. BtoBウェビナー集客率向上のコツ
  6. BtoBウェビナーの集客率をさらに向上させるには
  7. BtoBウェビナーの効果を最大化させよう

コロナ禍におけるウェビナーへの需要

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ウェビナーは従来から活用されていましたが、上図のように新型コロナウイルスの影響を契機にニーズが急増しました。外出を控える人が増加したことにより、自宅でも参加できるウェビナーが重宝されるようになりました。

最近は、ウェビナーで使用したコンテンツをオウンドメディアやSNS、メルマガなどで再利用する企業も見受けられるようになり、活用の幅が拡大しています。

BtoBマーケティングにおいてもウェビナーは広く活用されており、多くの企業がそのメリットを実感しています。

BtoBマーケティングでウェビナーが活用される理由

BtoBマーケティングにおいてウェビナーを活用することで様々なメリットを得られます。ここでは、ウェビナーが活用される理由を解説します。

幅広い情報を入手できる

ウェビナーを実施することで、視聴者のデータを幅広く収集することができます。

参加申し込みの際に入力してもらう基本情報のほか、視聴者が興味を持っているコンテンツや、ウェビナーに対するリアクションなど、あらゆるデータを取得することが可能です。

例えば、ウェビナー開催後にアンケートを実施すれば視聴者の感想を把握でき、次に向けた改善策を考えることができます。また、アンケートを通じて商品・サービスの検討状況も調査できるので、その後のアプローチにつなげられるのです。

他にも、申込率や参加率などの数値を分析することで、視聴者にとってニーズの高いコンテンツを目指すこともできます。

このように、ウェビナーを通じてマーケティングにおいて重要な情報を集められます。

多くの人員を必要としない

ウェビナーが活用される理由として、多くの人員を必要としないことが挙げられるでしょう。

対面でのイベントは会場の確保や設営、参加者の誘導、開催後の片付けなど、様々な作業が発生するため、多くの人員を配置する必要があります。

一方、オンライン上で開催するウェビナーは会場の準備の手間を省けるので、運営に多くの人員を要しません。

配置できる人数に制限がある場合でも、ウェビナーを活用することで施策を実行できるのです。

コンテンツとして活用可能

ウェビナー配信後に様々な方法でコンテンツを活用できる点も魅力の一つです。ウェビナーを有効活用することで、費用対効果を高められますし、より多くのユーザーにコンテンツを届けることができます。

例えば、ウェビナーの内容を記事にすることで、自社メディアで公開することが可能です。さらに、オンデマンド配信用のコンテンツとして公開すれば、場所や時間にとらわれずにユーザーに視聴してもらえます。

このようにウェビナーの活用方法は幅広く、認知拡大やリードナーチャリング、商品・サービス購入などを目指せるのです。

場所にとらわれない

対面によるセミナーは会場まで足を運ぶ必要があるため、参加者が限定されてしまいます。

しかし、場所に制限のないウェビナーであれば、より多くのユーザーに参加してもらうことが可能です。

例えば、都市部で開催するイベントをオンラインに切り替えることで、地方や海外からの参加も見込めます。

さらに、移動する手間やコストを省くこともできるので、より効率的にマーケティング施策を実行できるのです。

BtoBウェビナーの集客方法

ウェビナーを開催しても人が集まらなければ意味がありません。ここでは、ウェビナーの集客方法を紹介します。

1. 自社サイトでの告知

まずは自社が管理するWebサイトやオウンドメディアでウェビナーの告知を行いましょう。

自社サイトやオウンドメディアを閲覧している人は、もともと提供しているサービスや商品に高い関心を持っていると考えられるため、効果的な集客が期待できます。

2. SNSへの投稿

TwitterやFacebook、Instagramなど自社のSNSアカウントを作成してウェビナーの告知を行う方法です。

投稿が多くの人にシェアされれば情報は広く拡散し、これまでアプローチできなかった層にもウェビナーを告知することができます。投稿は無料でできるため、その手軽さから多くの企業が情報発信ツールとして利用しています。

ただ、その手軽さゆえ他の投稿に埋もれてしまう可能性もあるため、投稿内容には工夫が必要です。

3. Web広告への出稿

Web広告はさまざまなWebサイト広告を掲載する方法です。具体的には以下のような広告を指します。

  • 動画広告
  • バナー広告
  • リスティング広告
  • SNS広告

広告費のコストがかかる反面、性別・年齢・職業・興味・関心などの細かいターゲティングや配信エリアの調整が可能になります。

この集客方法においてはどのようなターゲットに配信するか、ペルソナの設定が重要となるでしょう。また、広告内容もペルソナにマッチするものでなくてはいけません。

4. 見込み客や過去の参加者へのメール

見込み客や過去のウェビナー・イベント参加者のリストから、メール配信で告知をするのも方法の一つです。

こうしたリストに掲載されているのは、自社と過去に接点を持っていた顧客や自社と取引する可能性の高い会社です。ウェビナーの内容にも興味を持つ確率は高いでしょう。

ただ、メールで告知する場合、件名で興味を惹けなければ開封されずそのまま削除されてしまいます。メールの件名には目を引くワードを入れるか、興味を持ってもらえるようなタイトルにしなくてはいけません。

5. ウェビナー集客サイトの利用

ウェビナー集客サイトとは、さまざまなウェビナーの情報を掲載しているサイトのことで、「ウェビナー(セミナーポータルサイト」とも呼ばれます。

こうしたサイトは日頃からウェビナーの情報を探している人が閲覧しているため、参加に意欲的なユーザーにアプローチできる可能性が高いです。また、このような外部サイトでセミナー情報を告知することで、これまで接点を作れなかった顧客にもリーチできます。

ウェビナー集客サイトには、さまざまなジャンルのウェビナー情報が掲載されているもの、マーケティング、テクノロジー、ビジネス領域に特化したものがありますので、自社のウェビナー内容に合わせて選びましょう。

BtoBウェビナーの企画の立て方

ウェビナーの集客力を高めるためには、ウェビナー自体の企画も重要になります。ここでは、企画の立て方を解説します。

目的を設定する

BtoBウェビナーを実施する際は、まずは目的を設定しましょう。目的によって最適な配信方法が異なり、目標として設定すべき数値が変わってきます。

  • 新規顧客へのリーチ
  • エンゲージメントの強化と顧客理解
  • 行動を促す

大きく分けると上記のような分類ができます。さらに、新規顧客へのリーチ拡大や、接点頻度の強化、顧客のフォローアップ活動など、BtoBウェビナーを開催する目的はそれぞれ挙げられます。

目的を明確にしたあとに目標となる数値を設定するとよいでしょう。申込数や参加率、SNS拡散数などをKPIとして定めます。この数値をベースにしながら分析を行い、改善を目指します。

最適な配信パターンを考える

設定した目的に沿って、最適な配信方法を考えます。ウェビナーの配信パターンは大きく以下の3つに分けられます。それぞれ特徴が異なるので、自社がどの形態でウェビナーを実施すべきか考えることが大切です。

1.プレゼンテーション型

プレゼンテーション型は、その名の通り視聴者の希望に沿った情報をプレゼンテーションで伝達するリアルタイム配信です。資料を共有しながら視聴者の理解を促進します。

配信したウェビナーはアーカイブとして公開できるだけでなく、著名人をアサインしやすい点などがメリットに挙げられます。

ただ、情報伝達が目的であるため、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取るのは難しく、次のアクションへつながりにくいことが懸念されます。

▼メリット

  • オンラインでのセミナー実施が難しい際の代わりとなる
  • 配信済みのウェビナーはアーカイブとして公開できる
  • 視聴者側に知識やスキルが必要とされない
  • 準備や開催までの手間が少ない
  • 著名講師を招きやすい(集客に繋がる)

▼デメリット

  • 情報伝達が目的となるため、視聴者との双方向コミュニケーションは希薄になりやすい
  • 外部講師を招く場合、ウェビナーの完成度が講師によって左右されやすい
  • 知識の吸収や理解度の向上が目的となるため、次のアクションへ繋がりにくい
  • フォローアップの際の会話はYes/Noクエスチョンにとどまりやすい

2.トークショー型

トークショー型は、配信者と視聴者が同じテーマに沿って話し合うリアルタイム配信です。

双方向のコミュニケーションができるので、疑問があったらその場で質問できます。この形式での開催は視聴者の参加意識を高めやすいといった特徴があり、平均85%が完全視聴しているとの調査も。また、フォローアップの会話も発展させやすく、視聴者の理解を深めやすいです。

また、問題意識を醸成しやすいため参加者に次のアクションを誘発しやすい点もメリットといえるでしょう。

しかし、議論の自由度が高いため、最終的な発言をコントロールしにくく時間通りに終了しない可能性があることが大きなリスクとして挙げられます

▼メリット

  • 視聴者が集中しやすく、ウェビナーが盛り上がりやすい
  • リアルタイムで双方向のコミュニケーションが可能
  • 配信企業へのエンゲージメントが高まりやすい
  • 問題意識が醸成しやすく次のアクションに繋がりやすい
  • フォローアップの際の会話が弾みやすい

▼デメリット

  • 議論の自由度が高いため、参加者や講師の発言のコントロールがしにくい
  • 視聴者からの意見・質問に対し、司会者や登壇者が適切にレスポンスできる能力が必要
  • 時間通りに終了しない可能性がある
  • 予想外のハプニングが起きた場合でも撮り直しができない

3.アーカイブ配信

アーカイブ配信は、リアルタイムで配信するのではなく、あらかじめ撮影した動画を視聴者の好きなタイミングで視聴してもらう配信パターンです。

デモ動画など失敗が予想されるイベントであっても、事前に録画しておけば動画を編集することができます。また、配信前に動画を客観的に確認できるので、配信側の伝えたいことが伝わっているかチェックすることも可能です。

ただ、リアルタイムの配信とは異なり、視聴者の反応がわかりづらく、時間をかけて視聴してもらいにくいなどのデメリットも存在します。

▼メリット

  • 視聴者の都合のよい時間帯で視聴可能
  • 繰り返し何度でも、視聴者の好きなペースで視聴できる
  • 取り直しや動画の編集が何度でもできるので、失敗が予想されるイベントも安心して行える
  • 一度動画を作成すれば何度でも再配信ができるためコスト削減に

▼デメリット

  • 時間を欠けて視聴する参加者は少ない
  • 情報発信が一方通行のため、視聴者の反応が分からない
  • 双方向のコミュニケーションを重視するトークショー形式とは相性が悪い
  • オープンコンテンツにした場合、競合他社に研究されやすくなる

BtoBウェビナーの集客率を向上させるコツ

ウェビナーの集客率を向上させるために抑えておきたいコツを紹介します。

1. 参加メリットを具体的に

ウェビナーの告知では、参加するメリットを具体的に示しましょう。

「どのような課題解決に繋がるのか」「どのような専門知識やスキルが得られるのか」「どのような気づきや学びがあるのか」など、ウェビナーのメリットを具体的に感じられるような告知ができれば、参加者は自然と増えるはずです。

2. タイトルが参加率を左右する

ウェビナーの集客率を向上させるために最も重要すべきポイントはタイトルです。

ウェビナータイトルは告知ページやメール、広告などどこからアクセスした場合でも一番初めに目にするものです。見た人に「魅力的」「参加する意義がある」と思わせるためにも、以下の要素を盛り込み、タイトルを作りましょう。

ウェビナーの具体的なメリット

  • パワーワード
  • トレンドワード
  • 具体的な数字

上に挙げた要素を盛り込むのはもちろんのこと、どのようなウェビナーなのかをタイトルからイメージしやすくしておくことも重要です。

3. 告知は開催日の1ヶ月前

ウェビナー告知のタイミングは概ね開催日の1ヶ月前が最適と言われています。

告知のタイミングは集客数にも大きく影響します。告知からウェビナーまでの期間が短すぎると、参加者のスケジュール確保が難しくなりますし、反対に告知が早すぎてもウェビナーそのものや、ウェビナーの申込みを忘れてしまう可能性があります。

そのため、ウェビナー告知時期の見極めが重要なのです。

4. 参加しやすい日時を選んで開催する

ウェビナーの開催日時は集客数に大きな影響を与えます。できるだけ参加率の高い曜日や時間帯を選んで開催しましょう。

業種やウェビナーのターゲットにより異なりますが、最も集客しやすいのは「火・水・木曜日」の「10〜11時台」という調査もあります。

また、開催回数が少ないと「興味はあるのに日程が合わない」という人がいる場合がありますので、ニーズを取りこぼさないためにもウェビナーは別日程で複数回開催することをおすすめします。

リアルタイム開催が難しければ録画配信でも構いません。

5. 参加したくなるような告知ページを作る

集客効果の高いウェビナーの告知ページを作るためにはどのような点に注意すべきでしょうか?以下の項より説明します。

●内容の告知は簡潔に

ウェビナーの告知では、簡潔に内容を伝えましょう。

特にWebページ上では長い文章は読まれにくい傾向にあります。一目で内容を理解できるよう、端的な文章に収めることが大事です。

ただ、最低限必要な以下のような情報は必ず入れておくようにします。

  • 開催日時
  • 参加方法
  • 内容
  • 講師
  • 視聴に必要な環境

このほか「ウェビナー視聴URLの送付日」「資料送付の条件」など質問が予想される項目についても記載しておくとなお良いですね。

●イメージ写真や参加者の声を載せる

これまでに開催したことのあるウェビナーなら、参加者の声や開催時の様子を撮影した写真を告知ページに載せることで、参加者の信頼感が高まります。

また、過去のウェビナー参加者の生の感想が参加を検討している人の背中を押すこともあるでしょう。ウェビナーの魅力やメリットが具体的に伝わるようなアンケートを選んでおくことが大事です。

●申し込み時の入力項目は最小限に

ウェビナー申込に必要な入力作業が最小限で済むよう、入力項目は極力減らしておきましょう。入力内容が多すぎたり複雑だったりすると、申込のハードルが高まり応募前に申込ページから離脱されてしまう恐れがあります。

申込フォームに入力するのは以下に挙げる限られた項目に留めておきましょう。

  • 氏名
  • 会社名
  • 電話
  • メールアドレス
  • 自由記入欄(質問など)

また、申込フォームは告知ページと同じページに設置しておき、申込をしたい人がすぐに見つけられるようにしておきます。スムーズな申込がウェビナー参加のハードルを下げ、集客率を高めることにもつながります。

6. リマインドメールで確実な参加を促す

ウェビナーは申込や参加が手軽な反面、開催日や応募したことそのものが忘れられやすいデメリットがあります。

集客の努力を無駄にしないためにも、ウェビナー開催日までに難度かリマインドメールを配信し、開催日を再確認してもらいましょう。ウェビナーの前日・当日・1時間前などにメールを送っておくことで、参加率を向上させることができます。

BtoBウェビナーの集客率をさらに向上させるには

先に紹介したコツに加えて、集客率をさらに向上させるために実践したい+αの施策を2つ紹介します。

定期開催で長期的な集客率アップを狙う

同じテーマのセミナーを複数回、定期的に開催することでトータルでの集客数や集客率をアップできます。人気の高いテーマやセミナーなら、毎週・毎月開催することで「興味はあったが日程が合わず参加できなかった人」も参加できるようになります。

また、開催ごとに参加者の声や質疑応答を集め、それを参考に内容をブラッシュアップしてさらに質の高いウェビナーにしていくことも可能でしょう。

新たなウェビナーの企画は会社にとっても負担のかかる業務ですから、同じセミナーの定期開催は負荷をかけずに集客率を向上させる効率的な方法です。

共催セミナーや外部講師で新規顧客を集客する

他社との共催セミナーや外部講師の招待で自社ではアプローチできなかった新規顧客の集客が可能になります。

共催セミナーでは自社単独で開催する場合よりも広く深い内容のセミナーを行えます。また、著名な講師を招けば話題性が高まるため、幅広い客層から多くの参加が期待できるでしょう。

BtoBウェビナーの効果を最大化させよう

今回の記事では、BtoB企業のマーケティング担当者に向けて、ウェビナーの集客について紹介しました。

対面で開催されるセミナーと同様にウェビナーにおいても、集客力が重要です。WebサイトやSNSでの告知以外にも、必要であれば広告出稿も検討しましょう。また、集客力を高めるためには魅力的な内容にしなければなりません。ウェビナーの開催目的を設定し、その目的に沿った配信方法を選択するとよいでしょう。

場所や時間に制限のないウェビナーは、イベント開催後もコンテンツとして活用できるほか、視聴者の情報を取得できるなど、様々な利点をもたらす施策です。オンライン上での顧客接点は、今後益々必要性が高まることが予想されます。視聴者のニーズに合わせたウェビナーを実施し、効果最大化を狙いましょう。

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