2010年南アW杯でサッカー日本代表がベスト16に!その要因とは

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2010年南アフリカワールドカップに臨んだサッカー日本代表は、その直前(2010年2月)の東アジアカップで不甲斐ない闘いを続けていました。私もスタジアムにおりましたので、そのちぐはぐな闘いぶりは今でもハッキリ記憶に残っています。

世論もワールドカップ本番を不安視するようになりました。そんな中、6月のワールドカップ本大会まで残された時間もわずかとなり、選手たちが主体的にミーティングを開催し、本音をぶつけ合う機会を設けたことがメディアでも報じられました。

偽りの平和を脱し、目標に向かって本気で議論した結果、本大会での闘い方はこれまでとガラッと変わって守備的なシフトになりましたが、全員が納得し、「このやり方で勝つ」「もう後戻りはできない」という覚悟さえ感じられました。

岡田武史監督は「本気でベスト4を目指さないか」「本気でベスト4を目指す人と俺はサッカーをしたい」と言い続け、選手たちに高い志を植え付けてきたため、間違いなく目標は全員が一致していたはずです。それでもワールドカップ本番直前に成果の出ない時期が続いたのは、おそらく「闘い方=プロセス」までは一致していなかったからだと推察されます。

「自分たちが主導権を握って攻撃的に闘いたい」「でもそれは理想であって、世界の強豪相手に主導権を握るなんてできるのか」など、闘い方が定まらないまま直前の東アジアカップで問題が大きく表面化してストーミングに突入、回避をせずに勇気を持ってジックリ膝を突き合わせたことで次のステージへと進化・発展していったのです。

結果、2002年の自国開催を除いては初となるベスト16進出を果たしたのです。
  

まとめ

スポーツの場合、比較的短期間でメンバーの入れ替わり(移籍)があったり、チームが解散したりするため、ビジネスシーンほど人間関係への配慮をしなくても良いのかもしれません。会社組織の場合、退職まで長い付き合いになる可能性があるため、仕事の成果よりも人間関係を重視し、波風立たせないことを最優先してしまうのもうなずけます。

しかし、これからの日本は労働人口の減少、労働時間の適正化に伴って、働く人も時間も少なくなっていくことでしょう。このままでは、今の生産性を維持・発展させていくことは困難です。それを打破する1つの有効な手段が、チームワークを高めることだと確信しています。

これまでの職場環境は、職場を自分の居場所と捉えることができず、「金稼ぎの場」として割り切っている人が多かったのではないでしょうか。そんなフォーミング体質を卒業し、ストーミングと正しく向き合い、大きな成果を残せるチームづくりをしていきたいものです。

そうすれば、日本のビジネスはもっともっと元気になるはずです。