コロナ禍をきっかけに、多くのBtoB企業がウェビナーに取り組むようになりました。参加者は移動時間を気にせず参加できる選択肢が広がり、運営側は会場設営などのコストを抑えつつ多くの参加者を見込めるメリットがあります。

そのため、コロナ収束後は一部オフラインイベントへの回帰はありつつも、ウェビナーがBtoBのリード獲得において必須な施策であることに変わりはないでしょう。

この記事では、今後もBtoBウェビナーで成果を上げるために、ターゲットごとの最適なウェビナー形態や集客方法、効果的なタイトルの作り方などについて解説します。

目次

  1. BtoBウェビナーの4つのターゲット層
  2. ターゲット層ごとの最適なウェビナー形態
  3. BtoBウェビナーの集客方法
  4. 効果的なBtoBウェビナータイトルの作り方
  5. BtoBウェビナーの事例紹介|ferret One
  6. [ターゲットに合わせて最適なBtoBウェビナーを企画しよう](#p186

BtoBウェビナーの4つのターゲット層

一口にBtoBウェビナーといっても、ターゲットとなる企業の検討段階は様々です。BtoBウェビナーのターゲット層は大きく以下の4つに分けられます。

ターゲット層 状態
明確層 特定の商品・サービスを使い、自社の悩みを解決したいと考えている
顕在層 自社の悩みと、解決策の方向性が顕在化している
準顕在層 自社の悩みは顕在化しているが、解決策が分からない
潜在層 これから悩みを持つ可能性がある

ターゲット層によって求めている情報や効果的な訴求ポイントが異なるため、それぞれに対して最適な形態のウェビナーを実施することが大切です。

ターゲット層ごとの最適なウェビナー形態

ここでは、ターゲット層のニーズに合わせて、どのような内容のウェビナーを開催すると効果的かを解説します。4つのターゲット層ごとの最適なウェビナー形態は次の通りです。

明確層には製品紹介ウェビナー

すでに自社サービスに興味を持っている明確層には、製品紹介ウェビナーが適しています。商品・サービスの購入を促すために、導入イメージを伝えることが製品紹介ウェビナーの役割です。

製品紹介ウェビナーの具体例として、次のような企画が考えられます。

  • 製品のデモを見せながら使いやすさを紹介するウェビナー
  • 競合製品にはない自社製品ならではの機能を紹介するウェビナー
  • 既存顧客の活用事例を交えながら製品を紹介するウェビナー

単に商品・サービスの特徴を紹介するだけでなく、競合との違いや導入によって得られるメリットなども具体的に伝えると、購買意欲を高めることが可能です。

顕在層には問題解決ウェビナー

自社の悩みや解決策の方向性がはっきりしている顕在層には、問題解決ウェビナーが適しています。問題解決セミナーでは、悩みの解決に役立つ詳しい情報を提供しつつ、自社製品へのニーズを喚起することが可能です。

問題解決ウェビナーの企画例として、次のようなものが挙げられます。

  • 悩みの解決に役立つツールやサービスの活用方法を伝えるウェビナー
  • ツールやサービスの選び方のポイントを解説するウェビナー
  • ツールやサービスの導入コストの目安や注意点について解説するウェビナー

ターゲットユーザーが悩みを解決するにあたって知っておくべき情報をリストアップすると、問題解決ウェビナーのアイデアが浮かびやすくなります。

準顕在層にはワークショップウェビナー

悩みはあるものの解決策が分からない準顕在層向けには、ワークショップウェビナーがおすすめです。ワークショップ形式で悩みの解決方法を紹介することが、顧客育成自社優位性の確立につながります。

ワークショップウェビナーの企画例は以下の通りです。

  • 穴埋め式のワークシートを用意し、悩み解決の戦略を組み立てるウェビナー
  • 現状の課題を整理し、解決までの道筋を明らかにするウェビナー
  • 課題解決に足りていないリソースを洗い出し、解決策の方向性を紹介するウェビナー

ターゲット層が抱えている課題に対して、解決までの道筋や戦略が明確になるようなワークショップウェビナーを企画しましょう。

潜在層にはカンファレンスまたは著名人登壇ウェビナー

今後悩みを持つ可能性がある潜在層には、カンファレンスや著名人登壇ウェビナーが適しています。カンファレンスや著名人登壇ウェビナーでは、幅広いターゲットに自社の認知を広げることが可能です。

カンファレンスまたは著名人登壇ウェビナーの企画例は以下の通りです。

  • 同業界の複数社が協賛するカンファレンス
  • 業界の第一人者やツール開発者などが登壇するウェビナー
  • 有名企業の代表が登壇するウェビナー

話題性の高いテーマを選んだり、業界で影響力の強い著名人に登壇を依頼したりすることで、潜在層にリーチできます。

BtoBウェビナーの集客方法

BtoBウェビナーの集客には、様々なチャネルが活用できます。メールやWeb広告などオンラインのチャネルだけでなく、ダイレクトメールや電話などオフラインのチャネルも効果的です。

チャネルの種類 特徴
自社サイト 自社の公式サイトやオウンドメディア、イベントページにアクセスした親和性の高いユーザーを集客できる
SNS 潜在層から明確層まで幅広いユーザーを集客できる
メール 既存顧客やリードに対してウェビナー参加を促せる
Web広告 細かなターゲティングをして集客できる
ポータルサイト ウェビナー参加意欲の高いユーザーを対象に集客できる
プレスリリース 著名人などが登壇するウェビナーへ効果的に集客できる
ダイレクトメール メールを開封しない既存顧客やリードにウェビナー参加を促せる
チラシ・ポスター 配布場所や設置場所を限定して集客できる
新聞・雑誌広告 媒体を購読している数多くのユーザーを対象に集客できる
電話 既存顧客やリードの反応を確かめながらウェビナー参加を促せる

自社で取り組みやすいチャネルを選び、BtoBウェビナーの集客を行いましょう。

セミナー集客のコツはこちらで解説しています。

セミナー集客のコツは?よくある失敗や気を付けるべきポイントを解説

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セミナーは重要なリード獲得手法の一つです。コロナ禍によってオンライン施策に力を入れる企業が増えたことで、常にいくつものセミナーが開催されています。そのため「思うように集客できない…」と感じる方も増えてきたのではないでしょうか。この記事では通年に渡り複数の企業様のセミナー集客をご支援しているferretがセミナー集客で失敗しがちなポイントやコツなどをご紹介します。

効果的なBtoBウェビナータイトルの作り方

BtoBウェビナーのタイトルは、ターゲットユーザーから興味を持ってもらうために重要な要素です。ここでは、効果的なBtoBウェビナータイトルの作り方を紹介します。

仮タイトルを考える

まずは、ウェビナーの形態や取り扱う内容から、仮タイトルを考えましょう。ウェビナーで解説するメインコンテンツが何なのかを明確にしておくことが、仮タイトルを考える際のポイントです。

例えば、セールス・営業の体制作りについて解説するウェビナーなら、次のような仮タイトルが考えられます。

  • 「〇〇(商品・サービス名)」を使った営業体制作り
  • 〇分で分かる!セールス体制の構築法解説ウェビナー
  • セールス体制構築ワークショップ
  • BtoB営業の第一人者に聞く!セールス体制作りの秘訣

どのようなことを学べるかが簡潔に伝わる仮タイトルを考えましょう。

ターゲットの課題から要素を抽出

次に、ターゲット層が抱えている課題から、ウェビナータイトルに追加する要素を考えます。課題や悩みを表すキーワードは、ターゲットの注意を引くために効果的です。

次のような形で、ウェビナーのターゲット層が抱える課題をリストアップしましょう。

  • 売上が伸び悩んでいる
  • 営業担当者ごとに成果のバラつきがある
  • リードからの成約率が低い
  • セールス部門の残業時間が長い
  • 既存の営業支援ツールが上手く活用できていない

すでに自社のサービス・商品を利用中の既存顧客がいる場合は、導入前に抱えていた課題や悩みをヒアリングすることもおすすめです。

要素を含めてタイトルを決定

タイトルに、ターゲットが抱えている課題に関する要素を含めてブラッシュアップします。課題や悩みが複数ある場合は、特に優先度の高い要素を絞り込んでウェビナータイトルに含めましょう。

例えば、売上の伸び悩みが主な課題の場合、「売上を伸ばす」、「売上を〇倍にする」などのフレーズを含めます。

例1.

「〇〇(商品・サービス名)」を使った営業体制作り
↓
「〇〇(商品・サービス名)」で売上を〇倍にアップする営業体制作り

例2.

〇分で分かる!セールス体制の構築法解説ウェビナー
↓
〇分で分かる!売上を伸ばすセールス体制の構築法解説ウェビナー

ターゲットの悩みが複数ある場合、それぞれ別のウェビナーとして企画を分けることもおすすめです。

BtoBウェビナーの事例紹介|ferret One

BtoBウェビナーの事例として、ferret Oneで開催されたウェビナーを紹介します。タイトルの作り方やアイキャッチ画像など参考にしてみましょう。

タイトルサイトを作るその前に!戦略設計からはじめるBtoBマーケティング

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こちらのウェビナーは、BtoBマーケティング戦略の設計方法がワークショップ形式で学べるところがポイントでした。「とりあえずサイトを作ってみたけど、集客につながらない」という失敗例は多く、これから新たにサイトを作ろうと検討している企業を対象としたウェビナーです。

誰に向けて、どのような内容かが端的に表現された、わかりやすいタイトルです。

タイトルWebからのお問い合わせを増やす5つのポイント

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上記は、Webからの問い合わせを増やす具体的な方法が学べるウェビナーです。Webからの反響に悩む担当者は多く、どこをどのように改善すれば良いのかわからない状態の方を対象としています。タイトルには5つのポイントと数字を入れることで、どれくらいのボリュームがあるのかを示し、興味を引きつけております。

このようにferret Oneでは、BtoBマーケティングに関するウェビナーを毎週開催しています。毎回異なるテーマを扱い、様々なターゲット層に役立つ情報を提供していることがferret Oneの事例のポイントです。

また、ferret Oneのウェビナーの告知では、ほとんどがメルマガからの集客になります。ホワイトペーパーやオウンドメディアなどを行うことで、メール配信するリスト数を増やし、集客に結びつけてています。

集客のコツやLPの作成方法は下記のページを参考にしてください。

メルマガによるセミナー集客のコツはこちら
メルマガでセミナーの集客率をアップするには?マーケターが伝える活用に役立つコツ | Webマーケティングツール『ferret One』

セミナーLPの作成方法はこちら
集客できるセミナーのLPを作成する方法とは?5つのポイントとおすすめテンプレート | Webマーケティングツール『ferret One』

ターゲットに合わせて最適なBtoBウェビナーを企画しよう

BtoBウェビナーは感染リスクの低さだけでなく、遠方のユーザーも参加できることや開催コストの低さなどもメリットであり、コロナ収束後もニーズが続くと考えられます。BtoBウェビナーを成功させるには、ターゲット層ごとに最適な形態のウェビナーを開催することが重要です。

自社がターゲットとする企業のニーズに合わせて、BtoBウェビナーの内容や効果的なタイトルを考えましょう。