商談のアポイントを取るため、顧客リストからテレアポを行っているセールス部署もいるのではないでしょうか。テレアポは顧客と直接会話をするため、メールやホームページ上での動向からは把握しきれないニーズをヒアリングできるというメリットがあります。

ただ、相手の業務時間を使って電話をかけるため断られることも多く、成果の改善が難しいことから、テレアポチームの実務教育に課題を抱えているマネージャーも少なくないのではないでしょうか。

企業によってはテレアポ担当者への研修にリソースが割けず、先輩メンバーのOJT指導を行う場合もあります。すると、ナレッジの蓄積が行われず、成果の出るメンバーの属人化が進む原因にもなるでしょう。

今回は、テレアポの役割と、効果的に行うためのポイントを解説します。
ぜひチームメンバーの教育に活用してみてください。

テレアポとは?

テレアポは「テレフォンアポインター」の略称で、電話を通じて企業や個人へセールス活動を行う業務を指します。
社内のマーケティング部署が作成した潜在的な見込み客のリストや帝国データバンクなど、データ販売会社から購入した企業データから電話を行います。

テレアポの目的は、商談のアポイント獲得から商材の販売営業まで幅広いのが特徴です。この記事では、主にBtoB向けのテレアポを扱い、商談のアポイント獲得を目的としたテレアポについて取り扱います。

次に、テレアポで思うような獲得できない場合や、アポイント獲得できたものの自社商品・サービスとの関連性が低い場合において、効果を上げるためのポイントをご紹介します。

テレアポの効果を上げるためのポイント

1.断られることを前提にテレアポを行う

テレアポは、見込み客のリストや企業データから面識の無い企業へ電話を掛けます。そのため、相手先の企業に警戒されやすい業務ゆえ断られる確率がその他のセールス手法に較べて高くなる傾向にあります。

また、相手先のスケジュールにない時間を使ってセールス活動を行うため、そもそも対応が難しいこともありえるでしょう。
そのため、*テレアポは断られることを前提に実施する必要があります。*断られる回数の方が多いと言っても良いため、テレアポ担当者のモチベーション管理も重要になるでしょう。

参考:
テレアポのモチベーションを維持するためのコツ|ferret

2.最短1分以内で要点を伝えるトークスクリプトを準備する

1つ目のポイントで紹介したように、テレアポは相手先企業の時間を利用したセールス活動です。
そのため、相手への負担を最小抑える配慮も効果を上げるためのポイントになります。

そこで、訪問する商談と異なり、自社の商品について事細かに説明する時間は無いと考えましょう。
最短1分以内に、ヒアリングと商材の特徴の要点を伝えるトークスクリプトを準備するとスムーズにテレアポが行えます。

トークスクリプトは、こちらが伝えたいこと、相手から想定される返答をもとにトークの流れを作ります。
一方的なセールスにならないように作成するのがトークスクリプト作成のコツです。

3.ターゲットのニーズを想定してトークを始める

テレアポは、面識の無い相手に電話をかけるため*「聞き手は誰か」という意識が薄れやすい*手法です。
例えば、相手への意識が薄れるゆえにトーク内容や声の雰囲気がワンパターンになってしまうようなことが起こりえます。

そこで、電話を掛ける際、電話の受け手に応じたトークを行うようにターゲットを設定しましょう。企業の規模、想定される受け手のなどそれぞれ受け手に応じて、「どのようなニーズを持っているか」を想定して「このような課題はありませんか?」のようにニーズから掘り下げるトークを行ってみましょう。

4.「売り込み」よりも「ヒアリング」を重視する

テレアポは、こちらから電話を掛けることから「売り込み」のトークを行ってしまいがちです。これは、先にも述べたように一方的なセールスになってしまうため、できるかぎり「ヒアリング」に重点を置いたテレアポを意識しましょう。

想定したニーズを軸にヒアリングを行います。そして、相手の返答から具体的なニーズを広い、自社商品やサービスとの相性を確認します。この時点で商談のアポイントを獲得できなくとも、明確に*「なにを課題にしているのか」「どういう商品やサービスを求めているのか」*を相手先から聞き出すことができれば、現場担当のセールスにスムーズに引き継げるでしょう。

5.ヒアリング時に押さえておきたい「BANT条件」

そして、確度の高い商談に繋げるためには、ニーズだけでなく「予算はあるのか」「受け手の担当者に決裁権はあるのか」もヒアリング時に押さえておきたいポイントです。
これは*「BANT条件」*と呼び、下記のように分類できます。

・Budget(予算)
・Authority(決裁権) 
・Need(必要性) 
・Timeframe(時期) 

全てを聞き出せれば、「この企業にアプローチすべきか」が明確になりますが、一度で全ての条件をクリアできるとは限りません。そのため、今回のテレアポではどの条件をヒアリングするのか目標設定をして行ってみましょう。

6.ヒアリングした情報は顧客ごとに管理する

テレアポは複数の企業に*「数」*でセールスを行う手法です。そのため、テレアポで収集したデータの管理が煩雑になりやすいことがあります。BANT条件を元にヒアリングしたデータは、将来的に見込み客になりうる顧客データでもあるため慎重に管理しましょう。

また、複数の企業から得たデータと、テレアポを行う上で掛け手が感じた課題をナレッジ化することで、トークスクリプトの改善にも活かせます。獲得したデータを元に効率的なテレアポを心がけましょう。顧客データの管理は、顧客管理ツールや営業支援ツールを用いて管理することで工数を最小にデータを管理できるため活用するのも良いでしょう。