この記事は、2015年1月6日に公開された記事を再編集しています。

タイピングは、PCを使いこなす上で最も基本的なスキルです。しかし、自己流になっている方、苦手意識がある方も少なくありません。

今回は、ferretのチームメンバーやアルバイトスタッフで実証済みのタイピング習得術を解説します。習得したいと思いつつ、なかなか学習に踏み切れていなかった方も、この機会に一緒に取り組んでみましょう。
  

目次

  1. タッチタイピングの重要性
  2. タイピングマスターの近道
  3. キーボード配列を覚える練習
  4. スピードアップの練習
  5. タイピング練習サービス5選

  

タッチタイピングの重要性

タイピング速度の向上は、PCを活用する上で最も汎用的なスキルアップです。メルマガブログを作ったり、ホームページを更新したりといった作業においても、タイピングは速いに越したことはありません。

タイピング練習_-_1.jpg

それに加え、タイピングのスキルアップは、投資効果が持続するという理由からもオススメです。進歩が早いイメージがあるIT業界ですが、キーボードの配列はタイプライター登場の頃から、まったく変わっていないのです。

キーボードをよく見ると、左からQWERTYとなっています。この配列は欧米人にとっても打ちやすい並びとは言えません。ではなぜ、この配列が採用されたのでしょうか。それは、(諸説ありますが)意図的にスピードを遅くするためと言われています。
  

キーボード配列の秘密

タイプライターは打鍵により文字棒が紙に打ち込まれ、文字がタイプされます。つまり、あまり早く打鍵してしまうと文字棒がバッティングしてしまうのです。そのため、スピードよりも一定の速度で打てることの方が望ましかったのです。

その後、PCが誕生したわけですが、すでにタイプライターに慣れ親しんでいた方がほとんどだったことから、その配列が継承されたと言われています。
  

日本でも存在する代え難いキーボード配列

日本でも、電卓のテンキーと電話の数字ボタンでは上下が逆の配列になっています。これも同様に、統一されない例の1つです。

携帯と電卓

このキーボード配列の事例をとり、合理的でないにもかかわらず、慣習によって継承され続けていることを「QWERTYの法則」と呼ぶこともあります。

こうした慣習は、一度定着してしまうとなかなか変える事ができません。キーボード配列も、今後変わる可能性は極めて低いでしょう。
  

タイピングマスターの近道

タイピングスキルを身に着けるには、まずは「キーボードの配列を覚える練習」、それから「タイピングスピードを速める練習」と、切りわけて練習することをオススメします。このように意識すると、効率の良いスキルアップが実現できるでしょう。
  

キーボード配列を覚える練習

キーボード配列を覚えるための3つのポイント

タイピングの速度をアップさせるには、まずキーボード配列を覚えることが大切です。しかし、前述のとおり、キーボード配列は不規則であるため、覚えることは容易ではありません。そのため、以下3つのポイントを意識するよう心がけてください。その上で、キーボード配列を覚える練習に移りましょう。

・ホームポジションを覚える
・キーボードを見ない
・タイピング後、必ず指をホームポジションに戻す

  

1. ホームポジションを覚える

指を伸ばし、キーボードに手をのせます。そして、左手小指から人差し指に向かって*[A][S][D][F]と置きます。右手は[J][K][L][;]*です。

ホームポジション

これをホームポジションといいます。全てのタイピングの基本となる指の位置です。キーボード配列を覚える上で、この距離感を掴むことが大切です。

ホームポジションの目印

右手と左手の人差し指に凹凸を感じるはずです。これはホームポジションの目印です。まずは、この場所を覚えてください。手のひらをホームポジションに置いては離し、置いては離す。それを徐々にキーボードを見ないままでもできるよう、繰り返してください。
  

2. 母音の位置を覚える

それでは、早速見ないで打ってみましょう。Wordなど、文字入力可能なソフトを起動します。

Aを打つ

指をホームポジションに置いてください。日本語入力状態にします。そして、キーボードを見ずに左手小指を、ゆっくり押してください。キーボードを見ないまま、「あ」と打てたはずです。

この要領でまずは母音の位置を覚えます。

*[U][I][O]*は、右手の人差指、中指、薬指をそれぞれ1段上にずらしボタン押下後ホームポジションに戻します。

右手

*[E]*は左手を少し左前方にずらしつつ1段上に移動させ、押下後指を戻します。

左手

なお、[ENTER]キーは右手全体を少し横にずらしてもOKです。とにかく打鍵後もとの場所に戻すことが重要です。練習開始時はスピードよりも戻すことを優先して、ゆっくり練習してください。

エンターキー

[Enter]キーは漢字変換の時に役立ちます。母音と一緒に覚えてしまいましょう。
  

3. 子音の位置を覚える

母音である5個のキーボード配列を覚えたら、次に子音の配列を1つずつ覚えていきます。

子音

子音はか行である*[K]*から覚えます。「か・き・く・け・こ」などと母音と絡めて、その子音だけを覚えられるように練習してください。

[K]の配置を覚えるまでは、さ行である[S]には進まないようにしましょう。とはいえ、1文字ですのですぐに覚えられるはずです。そして、1つずつクリアします。

基本の50音を覚えたら、バ行ジャといった変則的な入力をクリアしていきます。こうしてキーボード配列を順番にマスターしていきます。
  

4. キーボードを見ずにタイピングしてみる

タイピングでは、ホームポジションからの距離でキーボード配列を覚えます。

指を戻る

キーボード配列を完璧に覚えるまでは指を一本ずつ丁寧にタイピングし、ホームポジションに戻しましょう。ゆっくりで構わないので、場所を確認しながら覚えていくことが大切です。

まずは毎日、キーボードを見ずに「あ・い・う・え・お」と打ち、場所を覚えてください。母音さえ覚えられれば、子音は簡単に身に着けることができます。
  

スピードアップの練習

キーボード配列を覚えたら、その速度を上げる練習を始めましょう。
  

練習文を用意する

速度を上げる練習には、同じ練習分を使います。そうすることで、同じ文章でもタイピングの時間を測る中で成長を感じやすいため、モチベーションの維持にもつながります。毎日タイピングの時間を計りながら練習しましょう。
  

タイピング練習サービス5選

タイピングの練習には、タイピング練習サービスがオススメです。ホームポジションやキーボード配列を覚えたら実践で試し、体に染み込ませていきましょう。今回は、無料で使えるタイピング練習サービスをご紹介します。
  

1. e-typing

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e-typing

e-typingは、タイピングの速さ・正確さをもとに自分のタイピングランクを測ることができます。無料練習メニューの種類が多いため、飽きることなく実力アップを目指せます。簡単なコースから徐々に難易度を進めていき、初めのうちはスピードよりもタイプミスをなくすことを意識すると良いでしょう。
  

2. P検

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P検

P検を主催するICTプロフィシエンシー協会は、ICTを活用する上でタイピングは不可欠なスキルという考えのもと、Web上で無料タイピング練習サービスを公開しています。ホームポジションや運指を確認しながら練習できるため、基礎固めには最適です。P検の無料模擬試験が受けられるなど、タイピング練習目的だけではなく、P検を受ける方にもオススメです。
  

3. 美佳のタイプトレーナ

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美佳のタイプトレーナ

美佳のタイプトレーナは、学校教育用のフリーソフトです。学生時代に授業で使った方もいるかもしれません。タイピング初心者からプロまで、幅広いレベルでタイピングの練習ができます。
  

4. myTyping

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myTyping

myTypingは、ユーザーが練習メニューを作成できるサービスです。自分自身が作成したものはもちろん、ほかのユーザーが作成したメニューも練習できます。流行の歌の歌詞メニューなどが人気のようです。
  

5. 寿司打

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寿司打

寿司打は、ゲーム要素の強いタイピング練習サービスです。お皿が流れていく前に指定された文字をタイピングし、どれだけお寿司を食べられるか挑戦します。通常のタイピング練習サービスよりもゲーム感覚で遊べるため、ちょっとしたスキマ時間を使って取り組めます。ただ、ゲームに夢中になってしまいホームポジションを崩してしまわないように気を付けましょう。
  

まとめ

タイピングスキルを身に付けるためには、地道なトレーニングの繰り返しが必要です。しかし、一度身につけてしまえば、今後の業務効率化にもつながる重要なスキルとなるでしょう。

今回ご紹介した練習方法は、タッチタイピングの権威である増田氏のティーチングメソッドを参考にしています。興味のある方は、ぜひ以下の情報も参考にしてください。

参考:
増田式!PCキーボードの学校
驚異のブラインド・タッチハンドブック ワープロ・パソコン用―速く正確な増田式キーボード操作法|増田 忠

ぜひ、皆さんもタッチタイピングをマスターして、業務効率化を目指しましょう。