コンテンツマーケティングが浸透し、企業が情報発信をする手段の1つとしてオウンドメディアを活用することが一般的になりました。そこで、自社でも運営を始めたものの、記事を書ける人材が不足し、外部のライターに依頼している担当者もいるはずです。

とはいえ、記事の外注を行なったものの「思っていた内容と違う記事が納品された」という経験はありませんか?

実は、記事の外注で起こる失敗は、意外と“パターン化”されているんです。

今回は、記事作成サービス「サグーワークス」やSEOコンサルティングで延べ4,100社の実績を持つ株式会社ウィルゲートのコンサルタントである北原 詩緒里 氏と、ディレクターの斉藤 夢夏 氏に、発注者が記事の外注で失敗しがちな「あるある」とその解決策について聞いてきました。

「思った記事が納品されない!」外注で失敗する理由とは?

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株式会社ウィルゲート コンサルタント北原 詩緒里 氏(左)ディレクターの斉藤 夢夏 氏(右)

ferret:
記事の執筆を外部ライターさんに依頼したところ、想定した内容にならなかったという話を聞くことがあります。その要因はどこにあるのでしょうか?

北原 氏:
実際に試してみて初めて、依頼した内容と納品された記事のギャップに気づくという方が多いですね。ライターさんとのコミュニケーションだったり、記事構成の詰め方だったり様々な要因が考えられます。とはいえ、自社メディアが欲する記事のイメージやコンセプトを正確にライターへ伝えるのは難しいので、慣れない方ほど体験されているのではないでしょうか。

ferret:
初めて発注される方であれば、自社に「どういったコンテンツが必要なのか」を伝えるのは難しいかもしれませんね。

北原 氏:
そうですね。特に一般的なクラウドソーシングサービスを利用する場合、ライターさんとの直接のやりとりが発生しますよね。なので、どこに注意して依頼すれば良いのかわからないという企業様もいらっしゃいますね。

弊社に依頼していただいた場合、クラウドソーシングサービスとは違い、企業様とライターさんの間にディレクターが入り、募集内容の作成から納品された記事のチェック・管理まですべて行っています。何をどう伝えたらライターが理解できるのか、という点について数千社のご依頼で蓄積されたノウハウがあるので、発注意図と納品物のブレを抑えることができています。

コンテンツの外注でやってしまいがちな失敗あるある6選

企業が外部ライターへ記事を依頼する際、具体的にどういった場面で躓いてしまうのでしょうか。企業が陥りやすい“失敗あるある”とその解決策についてさらに詳しく伺いました。

その1:同じような内容のコンテンツが複数本あがってきた

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ferret:
企業が外部のライターさんへ依頼する際に陥りがちな失敗ってありますか?

北原 氏:
「依頼してみたら同じようなコンテンツがいくつも上がってきてしまった」という失敗をした企業がいらっしゃいましたね。SEO対策を行う上で、キーワード選定は非常に大切なのですが、「1キーワードで1記事」で依頼してしまうとこういった失敗に陥ります。

例えば、「メンズ化粧水」というキーワードで「メンズ化粧水ランキング」「メンズ化粧水オススメ」という記事を作ってしまうようなイメージです。使っている言葉こそ異なりますが、この2つは“ランキング形式”か“オススメ順”かの違いだけで読者のニーズは基本的に同じなんですよね。

その他に例として挙げられるのが「脂性肌」「敏感肌」というキーワードです。それぞれニーズの違うキーワードに見えますが、「化粧水 脂性肌」「化粧水 敏感肌」のどちらも「自分の肌に合った化粧水が欲しい」という共通の潜在的なニーズが想定されます。

ですから、1つの肌質だけの説明記事ではなく「肌質ごとに化粧水を分けよう」という内容を含めた記事にしなければならないので、記事作成においては「脂性肌と敏感肌」はセットで考えなければなりません。

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資料提供:株式会社ウィルゲート

上記のように「キーワードが違ってもニーズが同じもの」「表面的なニーズは違っても1記事でまとめて説明すべきもの」があったりします。

そもそも、単一のキーワードでは短い文章で終わってしまったりもするので、キーワードの見極めと記事の訴求内容に合わせた分類が必要です。

この、キーワード抽出で躓いてしまうことで、似たような内容の記事が沢山上がってしまうことにつながります。抽出するキーワードの分類を行なっておくことで、後々記事の作り直しも防げますよ。

その2:テーマがターゲットのニーズから微妙にズレてしまった

ferret:
キーワードの抽出と分類は、意識しないとボリューム数だけで依頼してしまいそうですね......。ライターさんには「こういうテーマでお願いします!」と依頼すると思うのですが、その際に陥りやすい失敗はありますか?

北原 氏:
「依頼したテーマがターゲットのニーズから微妙にズレた記事になってしまった」という失敗をされる企業様もいらっしゃいますね。

例えば、「サグーワークスの説明をしてください」と伝えたにも関わらず、「サグーワークスの登録方法」という記事になってしまったなどです。厳密には間違っているわけではないんですけど、大きなテーマの一部分にだけフォーカスした記事になってしまったと考えるとわかりやすいかもしれませんね。

ferret:
そもそも、なぜテーマの方向性がズレてしまうのでしょうか?

北原 氏:
検索ユーザーの本質的なニーズを把握せずに依頼しているのが原因かなと思います。先に挙げた「メンズ化粧水」を例に挙げるとすれば、肌に何かしらのトラブルや不安を抱えているから、化粧水で改善もしくは検討したいというニーズがあります。

本質的なニーズをふまえずキーワードのみで絞り込んで「化粧水の選び方」というテーマを上げてしまうと、「肌トラブルを解消するための化粧水の選び方」を説明してほしいのに、「価格」だけにフォーカスして「メンズ化粧水のお得な選び方」みたいにニーズを無視した記事になってしまうんです。

ferret:
ターゲットのニーズを踏まえてテーマを上げるのが大事ですね。

北原 氏:
そうですね。ターゲットの本質的なニーズを理解して最終的にどういうアクションを取って欲しいかを決めた上でテーマを出すことが大切です。

弊社では全体を通して「SEOに効果的なコンテンツはこうやって作りましょう」という伝え方をしており、本質的なニーズがわからないという状況であれば、テーマの段階から提案をさせていただいています。

その3:記事のストーリー(展開)が不自然になってしまった

ferret:
ここまで記事のキーワードやテーマに関する失敗例を伺ってきました。キーワードとテーマを決めた上で依頼したものの記事の仕上がりが想定と異なったという事例はありますか?

北原 氏
記事内容で言えば、記事のストーリーが不自然な仕上がりで納品された失敗をされた企業様がいらっしゃいます。

「選び方」という記事をライターさんに依頼したとします。そこで、いきなり「オススメ商品」の紹介が始まり、そのあと急に「選び方」の解説が始まったら不自然ですよね?

読者って上から順番に読み進めていくので、知りたい情報がスムーズに展開される状態が理想的です。そのため、まずはAを説明して、その次にBの説明、最後にCの紹介をするといった具合に、どんな記事にもストーリー展開が必要です。

一方で、Webの文脈では「実はこれが重要なんです!理由は……」というように、冒頭で結論やポイントに軽く触れて本文を展開する方が効果的な場合もありますよね。

そのため、発注する際に「この要素を記事に入れてください」だけでなく「この要素をこの順番で書いてください」というところまで企画を落として依頼することが大切です。不自然な段落のつながりになってしまうことで、読者も読んでいる最中で離脱してしまいますからね。

その4:見出しの粒度が不揃いで「なんか違う......」記事になってしまった

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ferret:
どういった流れで記事を書いて貰いたいのか。そこまで伝えることが大切なんですね。では、記事の内容において陥りやすい失敗などありますか?

斉藤 氏:
記事に必要な要素を求めた流れで納品してもらったにも関わらず、「なんか違うんだよな」と感じる仕上がりになってしまう場合があります。

ライターさんのセンスによる部分もあるのですが、原因として「見出し」の“粒度”が挙げられます。例えば、動物をテーマにした記事を書いてもらうとします。その場合「犬」と「猫」という見出しは同じ粒度です。でも、「ペット」「犬」は粒度が異なりますよね。

本来であれば、大見出しに「ペット」小見出しに「犬」「 猫」「うさぎ」となる筈が、大見出しに「ペット」小見出しに「動物」が入ってしまうと構成が不自然になります。

【粒度が揃っている】
大見出し:ペット
小見出し1:犬
小見出し2:猫
小見出し3:うさぎ

【粒度が揃っていない】
大見出し:ペット
小見出し1:犬
小見出し2:猫
小見出し3:動物

また、見出しを名詞で統一しているにも関わらず、部分的に動詞で止める言葉が入ってしまうといった失敗例もあります。

これは、文章構成に慣れていないライターさんが担当すると起こりやすいですね。なので、フィードバックを都度行なって修正してもらうしかありません。弊社では、そういった失敗が起こらないようにフィードバックに時間をかけています。すると、ライターさんも「このレベルで書かないとダメなんだ」という意識も生まれてくるので結果として改善していきますね。

その5:指示した内容と違うものが返ってきた

ferret:
見出しの付け方など、たしかにライターさんの慣れっていう部分も影響してきそうですね。

斉藤 氏:
そうですね。依頼するライターさんの能力を判断するというのも重要なポイントです。誰でも良いという基準でライターさんを選んでしまうと、ちゃんと企画しても「指示した内容と違う記事」が返ってくる場合もあります。

ライターさんの能力を判断する上で大切なことってなんだと思いますか?

ferret:
ライターさんの能力......。 文章力ですか?

斉藤 氏:
もちろん文章力も大切なのですが、実は、「構成力」と「理解力」なんです。文章力って魅力的に伝えられるかどうかという力なので、言葉選びの上手さとかになってきます。

一方で構成力というのは、記事テーマや読者のニーズ、記事で伝えるべき情報を理解して、こういう流れで書けばいいんだと企画立案者と同じように構成を組み立てられるかどうかという能力です。そして、理解力は企業様の指示を理解できる能力。これらの能力をもっているライターさんであれば、疑問が生じた時点で質問してくることもあります。

そのため、構成力と理解力のあるライターさんであれば「思ったような記事じゃない」という失敗が起こりにくくなるんです。 企業様が行える対策としては、アウトラインをきっちりと引いて記事の目的を明確にした上で正しくライターさんの構成力と理解力を見極めたうえで依頼することだと思います。

弊社では、ライターさんの「文章力」「構成力」「理解力」「正確性」「責任感」の5つの能力をデータベース化し、記事の難易度に合わせて選定しています。また、見出しごとに「ここはこのような形でこういった要素に触れながら執筆してください」と細かく指示を出すようにしています。

その6:内容の浅い記事に仕上がってしまった

ferret:
ライターさんの構成力や理解力など、「能力」以外にも判断するための方法はあるのでしょうか?判断基準があっても、想定と違う記事に仕上がることだって考えられますよね......?

斉藤 氏:
企画の意図を理解していれば、想定外の記事が上がってくることはほとんどありません。しかし、「内容が明らかに浅いな」「内容にもっと踏み込んで欲しいな」と感じる記事に仕上がることもあるかもしれません。

その原因は「専門性」ですね。ライターさんには得意な領域と不得意な領域が必ずあります。そこでミスマッチが起こると、どうしても内容の浅い記事に仕上がってしまうんです。逆にその領域に詳しいライターさんが書くことで、記事の納得感や深さがかなり出てきます。

一概には言えないですが、専業主婦のライターさんに「家事のコツ」を依頼するのは適切かもしれないですが、「経営論」のような記事を依頼するのは難しいかもしれません。そのため、先に挙げた能力同様に、ライターさんの専門領域を把握した上で依頼することが大切です。

今回挙げた全ての失敗に共通することかもしれませんが、記事作成を依頼する際、「これくらいで大丈夫」といった企画をだすのではなく、企業様が「当たり前」と感じるようなことも丁寧に企画に落とし込み指示出しすることが失敗しないための重要なポイントと言えます。

まとめ

オウンドメディアを運営するにあたって、自社のリソースに限界を感じ、外部のライターさんに記事作成を依頼することもあるはずです。そこで「想定していた記事に仕上がらなかった」とならないためにも失敗パターンを学ぶことが大切です。

上記で挙げた失敗あるあるからわかるように、キーワード選定から内容の指示出し、ライター選定など様々な要因があります。とはいえ、全てをクリアした状態で依頼するのは手間もかかりますし、難しいと感じることもあるのではないでしょうか。

株式会社ウィルゲートが提供する記事作成サービス「サグーワークス」では、ライターへの執筆依頼の仲介だけでなく、企画指示から記事の進行・管理までをまるごと依頼できるため依頼に慣れていない企業様でも安心して利用できるのが強みと言えます。

もし、記事の外注を初めて行う、もしくは、過去に外部ライターへの依頼で失敗した経験のある担当者であれば、サグーワークスを利用してみてはいかがでしょうか。

サグーワークスの発注プラン
■オーダーメイド発注プラン
専属の担当ディレクターが、記事作成のすべてを対応するプランです。ご要望をヒアリングしながら適切なライターを選定し、めんどうな管理まで全て請け負います。
■オンライン発注プラン
発注者様自ら、記事の指示内容をWEB上で入力頂き、発注が完結するプランです。指示内容のチェックやライターのスケジュール管理はディレクターが行いますので、手間がかからず比較的安価に記事を作成できます。