FinTech(ファイナンス×テクノロジー)、EdTech(教育×テクノロジー)などと並び、現在、注目を集めているHR Tech(人材×テクノロジー)

クラウドを活用した労務ソフトやタレントマネジメントから採用支援サービスなど、その領域は多岐に渡りますが、テクノロジーを活用して人事・採用にかかる工数を削減し、生産性を上げるための手法として幅広い領域で活用・導入が広がりつつあります。

そこで今回は「HRとマーケティング」というテーマのもと、「もし、AI(人工知能)が発達したら、どこまで採用は進化できるだろうか?」と、HR Techがもたらす採用の未来に思いを馳せてみることにしましょう。

人事・総務部関連の方だけではなく、採用に関わるあらゆる方にオススメです。
  
参考:
リファラル採用なくして採用戦略なし!今注目を集める採用手法を紐解く|ferret
  

今こそ、人事・採用担当の生産性向上に本気を出すべし

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昨今、長時間労働防止や労働時間削減の文脈で、政府にとっても、企業経営にとっても、働き方改革が喫緊の課題になりつつあります。もちろん、単に労働時間を削減するだけでは不十分です。これまでと同程度、あるいはそれ以上のパフォーマンスを維持しつつ、労働時間を削減する、という形で「生産性」を向上させることが至上命題となります。

「生産性を劇的に上げる」には、単に "作業効率を上げる" といったこれまでの延長線上での改善では不十分です。「人にしかできないこと」や「人がやった方が明らかにパフォーマンスが上がる」こと以外はテクノロジーに任せたり、「餅は餅屋」で、その分野に秀でた専門家にアウトソーシングしたり、これまでとは「非連続なチャレンジ」が必要となります。

「人事・採用」領域は、文字どおり「人」に関するあらゆる業務を管轄する部門でアナログなコミュニケーションが重視されるせいか、マーケティング部門やファイナンス部門などに比べて、こうした「テクノロジーをフル活用した生産性向上」が遅れているなと感じます。

「人事・採用」といったHR領域におけるテクノロジー活用を進めるHR Techの本質は、「人じゃなくてもできるタスク」は可能な限りテクノロジーに任せ、「人と向き合い、個の可能性を引き出し、最大化する」という人にしかできない、人だからこそ上手くできることに向き合う時間を最大化することにある、と考えています。

だからこそ、人事・採用担当者こそ、誰よりもテクノロジー活用に興味関心を持ち、働き方改革を推進していくべきなのです。
  

AI時代の採用の理想形は?

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では、採用というシーンにおいては、どのようにテクノロジーを活用していくべきなのでしょうか。ここで冒頭の問い、「もし、AI(人工知能)が発達したら、どこまで採用は進化できるだろうか?」について、今一度思いを馳せてみることにしましょう。

一切の制約を考えずに、「理想の採用の究極系」を考えるとしたら、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。現在の採用活動の「不」は、皆さんが感じているとおり明確ですね。

・ 採用活動開始から、求人掲載、応募獲得、書類選考、面接、内定、入社決定に到るまでのリードタイムが長い
・ 1人を採用するために、レッドオーシャン化している求人サイト・転職エージェントを通じて多くの求職者からの応募を獲得し、何人もの人と複数回面接を行い、内定オファー後は競合に打ち勝たねばならない

などなど、枚挙に暇がありません。逆に言えば、この「不」を一切取り除いた形で、

・ 求人が発生してすぐに候補者が見つかり、短期間で採用決定できている状態
・ 競合のない、独自の採用データベースが構築できており、「1分の1」で採用が決定できている状態

が、もし仮に実現できるとしたら、採用担当者にとってはこれほど嬉しいことはありません。