テクノロジーやSNSの進化、それに加えて採用マーケットの激化に伴って、現在、人事・採用(HR)は戦略的に取り組まなければならない状態になっております。その中で近年求められているのが、企業の売上向上・営業案件創出施策と同様に、HRもまた、マーケティングの視点から向き合う必要性です。
  
現在は人事・採用担当者もマーケティングの素養が求められる時代。

マーケティングを理解し、人事・採用の場面に置いても実践する必要が出てきている中、今回はマーケティング的観点から最先端の人事・採用のトレンドをお伝えします。
その中でも特に、採用マーケティングの中で注目を集めている手法の1つ、「リファラル採用」について解説します。
  

「クチコミマーケティング」は採用にこそ活きる

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スマートフォンとSNSの普及によって、企業のマーケティング活動において「クチコミ」の重要性は日増しに高まっています。

テレビCMをはじめとする「広告」は、今もなお有効ですが、一般消費者が商品の購入を決める際に、口コミサイトやSNSで評判をチェックをするのは当たり前の行動として定着しました。また、フォローしている人のインスタグラムやTwitterでの投稿がきっかけとなり、商品・サービスの購入を決めるケースも少なくありません。

グルメ好きの友人の投稿を見て「今度あのお店に行ってみよう!」という気になったり、尊敬する先輩から紹介されて本を買ったり、自分と「つながり」がある人から影響を受けて商品・サービスの購入を決めた経験を、多くの人がしているはずです。

そうした「クチコミ」を活用したマーケティングを「バズマーケティング」や「リファラルマーケティング」などと言いますが、採用活動においても、その重要性が急速に増しています。

商品・サービスの購入よりも人生への影響度が大きい「就職・転職」こそ、広告インターネット上での評判だけではなく、リアルな「つながり」を持った知人・友人からの情報を大切にします。もし仲の良い友人から「今うちの会社が絶賛採用活動中なんだけど、良かったら今度オフィスに遊びに来ない?」と言われたら、ちょっと行ってみようかな?という気になるものです。

このように、社員のつながりをきっかけに行う採用活動のことを「リファラル採用」と言い、いま最も注目を集める採用手法の1つです。
  

なぜ今、リファラル採用なのか?

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最近になって、日本国内で注目されはじめた「リファラル採用」ですが、欧米ではすでに5年以上前から圧倒的No.1の採用手法として定着しています。

リファラル採用がNo.1の採用手法として重宝されている理由は非常にシンプルです。

リファラル採用が重宝される理由

1. 自社の組織文化に合った優秀な人材を採用できる
2. 他の採用手法に比べて採用コストが劇的に低い
3. 入社後の定着率が高い

  
コストを抑えて優秀な人材を採用でき、なおかつ定着率も高いだなんて、採用側にとってはこれほど嬉しいことはありません。主流な採用手法として定着していることにもうなずけます。

アメリカを中心とした欧米では、LinkedInなどのビジネスSNSが早くから普及していたことも、リファラル採用の活用が進んだ背景にあります。日本でも、mixiやTwitterなどの匿名型のSNSがメインの時代から、Facebookなど実名制のSNSが主流になり、WantedlyなどSNSを活用した採用活動が一般的になってきています。そうした背景から徐々にリファラル採用が注目されはじめました。

スマートフォン×SNS時代という昨今、コストパフォーマンスが抜群に高いリファラル採用は必須の採用手法で、「リファラル採用なくして採用戦略なし」と言える時代に突入しつつあります。