小売店での販促や告知によく使われているデジタルサイネージ。これまでは店頭に設置されたディスプレイにチラシや商品POPを表示するのが主な使い方でした。しかし今、その技術が驚くほど進化し、これまでにない新しい形での活用が広がっています。そこで今回は、各社が提供する最新のデジタルサイネージサービスについて詳しく見ていきましょう。

目次

  1. 狙ったターゲットへ訴求できる! ストアギークサイネージの革新的アプローチ
  2. 驚きの薄さで売り場を最大活用! 厚さわずか13mmの次世代サイネージ
  3. デジタルサイネージとBGMを組み合わせた新しい顧客へのアプローチ

狙ったターゲットへ訴求できる! ストアギークサイネージの革新的アプローチ

意外なアイデアで一気に浸透しているのが、株式会社ストアギークが提供する「ストアギークサイネージ」。小売店の定番棚(店舗売上に大きく貢献する定番商品が並ぶ棚)に縦型のデジタルサイネージを設置することで、販売中の商品の紹介動画やキャンペーン動画などをPRできるサービスです。

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出典:新たなリテールメディアが誕生、購買率が約20%アップした“縦長デジタルサイネージ”の強みとは?

これまでのデジタルサイネージは、店舗入り口や通路沿いなどに置かれることが多く、商品との距離が遠いという課題がありました。しかし「ストアギークサイネージ」は、スマホ画面が縦に2つ並んだ程度の細長くコンパクトなサイズ感が特徴。棚の前に突き出すように設置する方法で、棚をふさいだり商品選びを妨げたりすることなく商品棚への設置が可能です。

購買直前のタイミングで適切な情報を提供できるため、顧客の購入意欲を効果的に促進。さらに、国内最大級のリテールデータプラットフォームUrumo(ウルモ)」とデータ連携することで、ID-POSデータを用いた広告効果検証ができるメリットもあるのです。

すでに複数の大手ドラッグストアチェーンで導入が進められ、PoC(概念実証)でも一定の効果が見られています。具体的には、オーラルケア商品が並ぶ定番棚に「ストアギークサイネージ」を設置し、複数メーカーの広告をローテーションで約3ヵ月間運用。その結果、導入した店舗群は導入していない店舗群と比較して、対象カテゴリでは10%前後、特に訴求したい商品である高機能歯磨き粉では20%前後の購買率上昇を実現しました。小型ながら遠くから見ても目立つというのも、デジタルサイネージの利点です。

コンテンツを配信する際は縦型のフォーマットに合わせた広告動画が必要となりますが、こうした動画の制作もストアギークが請け負ってくれます。また、YouTubeやTikTokで既に配信している動画の活用も可能です。実際に今年10月には、国内有数のクリエイティブ・エージェンシーであるUUUM株式会社とのコラボレーションも実現。有名動画クリエイターやインフルエンサーのコンテンツを活用し、店外でのデジタルメディアと店内の定番棚前リテールメディアを連動させる、新たなマーケティング手法を開拓しています。

驚きの薄さで売り場を最大活用! 厚さわずか13mmの次世代サイネージ

同じくサイネージの「形」で差別化したのが、ミナト・アドバンスト・テクノロジーズ株式会社が提供する超薄型サイネージ「WiCanvas」。厚さ約13mmという薄さで、店舗の空間を邪魔することなく様々な場

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