一年の振り返りに活用できるフレームワークを5つ紹介します。本記事を通じて、一年を振り返るにあたり「やり残したことは……」と問いかけてください。一年間を振り返ることで、今まで行ってきた仕事やプライベートでの物事に対して新たな意味がみつかり、さらに理解が深まるかもしれません。

また、フレームワークを使えばほかのメンバーとともに振り返るワークショップも行いやすいので、ぜひマネージャーの方も参考にしてみてください。

目次

  1. 一年間の振り返りが来年の目標に繋がる
  2. 一年の振り返りに活用できるフレームワーク5選
    1. YWT
    2. KPT
    3. PDCA
    4. 経験学習モデル
    5. 4行日記 
  3. まとめ 

一年間の振り返りが来年の目標に繋がる

"自身の行動や経験を振り返ること"を、人材育成の分野では「リフレクション(reflection)」と言います。

リフレクションを行うことは、過去の出来事を思い出すだけではなく、経験した仕事や物事の意味を理解することにつながります。また、自身で設定した目標に達成できたかどうかの確認を行い、達成に近付いていない場合、改めて計画や目標を練り直すことに役立ちます。

ただ、この時に、過去の失敗を振り返り原因を追求する「反省」だけで終わってしまっては、新しい目標の達成にはつながりません。振り返りの際には、失敗の原因追求を目的とするのではなく、事前に目標を設定し、その目標に対して今後どうすれば目標を達成できるのかを考えることが重要です。

参考:
リフレクション|産業能率大学 総合研究所
  

一年の振り返りに活用できるフレームワーク5選

過去にあった出来事を思い出し、反省するだけでは発展的な振り返りにはなりません。開発やビジネスの現場で用いられているフレームワークを活用し、効果的な振り返りを行いましょう。
  

1. YWT

YWTとは「やったこと」「わかったこと」「次にやること」の頭文字を取ったフレームワークです。

【Y】やったこと:行動や活動の内容や、それを行った意図
【W】わかったこと:行動が活動の結果や、その結果が得られた理由
【T】次にやること:わかったことを踏まえて行う次のアクション

YWTは、シンプルなフレームワークです。ただし、行動の内容と結果、次のアクションを書くだけではあまり意味がありません。

「なぜその行動や活動を行ったのか」「その意図に合わせた結果が得られたのか」という点まで振り返り、以下の例のように「次にやること」は実際に行える行動内容まで落としこむ必要があります。

● 例
やったこと:メルマガの効果測定の方法を考えるため、メールマーケティングの書籍5冊の読了
わかったこと:HTMLメールで開封率が計測可能である
次にやること:現在のテキストメールからHTMLメールへ切り替え、メルマガごとの開封率を計測する

参考:
KIメールマガジン『COMPASS』NO.111|株式会社日本能率協会コンサルティング
佐々木流 BI経営進化論 第10回 YWTの時期。経営分析・課題設定・実行方法は妥当でしたか?|BIP
  

2. KPT

「Keep」「Problem」「Try」の頭文字を取ったフレームワークです。システム開発の現場で用いられており、物事の優先度を付けるのに有効です。

 【K】Keep:良かった事/今後も続けたい事
 【P】Problem:うまくいかなかった事
 【T】Try:今後実施する事

個人だけではなく、同じプロジェクトを動かしているチーム全体での振り返りにも利用できます。チーム全体で行う場合、「Keep」「Problem」「Try」をそれぞれメンバーで出し合い、部下と上司の面談やメンバー間での共有などで話し合います。

● 例
Keep:アウトソーシングを使った記事の作成
Problem:アウトソーシングした記事のチェック体制不足
Try:アウトソーシングを利用し、SEO向け記事の作成

また、さらに発展させたものとしてKPTに「【I】Issue:Problemの中でも本質的な課題」「【R】Risk:Tryの中でも今後リスクに感じること」「【K】Knowledge:Keepをノウハウとしてまとめたもの」を追加した「KPTIRK」というフレームワークも存在します。

こちらの場合、KPTを先にまとめて、それぞれKeepの中でもノウハウしてまとめられるものをKnowledgeへ、Problemの中でも本質的な課題をIssueへ、Tryの中でも今後リスクに感じることをRiskへまとめていきます。

KPTでは起こった出来事を振り返りつつ、それを今後も続けていくべきなのか、あるいはやめるべきなのかの優先度を付けていきます。そのため、自分が本当に行うべきことを見付け出せるのがメリットです。

参考:
振り返りを振り返る 〜 半年間KPTをやってみて|Money Forward Engineers' Blog
KPTの拡張版「KPTIRK」を使ってプロジェクトを振り返るコツ|ブログ|SINAP - 株式会社シナップ
  

3. PDCA

PDCA」は「Plan」「Do」「Check」「Act」の頭文字をとった、改善のための基本的なフレームワークであり、品質管理からマーケティングまでビジネスでも幅広く用いられています。

【P】Plan(計画):現状の数値や理想の数値から計画を作成
【D】Do(実行):計画に基づいて実行
【C】Check(評価):実行したものが計画通り進んでいるかを評価
【A】 Act(対策):計画通り進んでいない部分を調査して、次の目標を決定

PDCAは、もともと品質管理のために生まれたフレームワークであり、業務や物事に対する改善や新しい施策の立案に用いられています。Plan→Do→Check→Actの順で施策を進めたら、Actは次のPlanとしてさらに進めていきます。

● 例
Plan(計画):3ヵ月で20冊本を読む
Do(実行):本を読む
Check(評価):3ヵ月で15冊しか読めなかった。通勤時間中に読めば達成できたのではないか
Act(対策):通勤時間中に毎日10分ずつ読み進める

PDCAではCheckで評価を行い、現状に対する考察を行う必要があります。その結果を受けて、具体的な対策を考え、実行していくことでPDCAを回していきます。

参考:
PDCAとは〜改善の王道パターンを徹底解説|ferret
  

4. 経験学習モデル

経験学習モデルは「具体的経験」「省察」「概念化」「試行」からなるフレームワークです。過去に起こった事象に対して振り返り、それを概念化・一般化することで次に活かすのが特徴です。

具体的経験(Concrete Experience):具体的な経験をする
省察(Reflective observation):自分自身の経験を多様な観点から振り返る
概念化(Abstract Conceptualization):ほかの状況でも応用できるよう、一般化、概念化する
試行(Active Experimentation):新しい状況下で実際に試してみる

引用:
経験から学ぶ ―経験を中心とした学習モデル―|株式会社富士ゼロックス総合教育研究所

経験学習モデルを用いる際には、自分が予想していなかった結果が現れた具体的経験を取り上げる必要があります。そのような具体的な経験に対して「省察」では客観的な視点で、問題点や成果が現れた理由を考察します。「概念化」では「省察」から得られた基本的な要素を抜き出し、ほかの環境でも用いられるように抽象化します。

● 例
具体的経験:Facebookのプロフィール画像に細かい会社情報を説明した画像を設定したが、「問い合わせをする」ボタンのクリック数はむしろ減少した
省察:文章での詳細な会社情報は、問い合わせを行う意欲を増加させるものではない
概念化:ユーザーは文章での情報を求めていない
試行:Facebookの投稿を視覚に訴えかける画像中心に変更する

ただ物事を反省するだけでなく「概念化」によって、ほかの状況下でも役に立つ内容にまで広げるのが経験学習モデルの特徴です。
  

5. 4行日記

4行日記は「今日起きた事実」「気付き」「気付きから得た教訓」「宣言」を書くフレームワークです。

今日起きた事実:実際に起きたこと
気付き:事実からひらめいたこと
気付きから得た教訓:気づきから何を学んだか
宣言:自分がありたい姿を宣言する

毎日の振り返りとして行うだけではなく、以下のように、自分がありたい姿をポジティブに宣言するのがポイントです。

● 例
今日起きた事実:ホームページから問い合わせが5件きた。
気付き:ホームページからくる問い合わせの多くは、自社のサービスを把握してからの問い合わせである。
気付きから得た教訓:自社の情報発信を行えば問い合わせがくる。
宣言:私はホームページでの情報発信を欠かさない人間です。

自分の行った行動をポジティブに捉えることが可能なので、モチベーションの維持にも役立つフレームワークです。

参考:
なりたい自分に近づける「4行日記」法|PRESIDENT Online
  

まとめ

効果的な振り返りを行うためには、ただ過去の出来事を思い出すのではなく、問題の原因を把握し、今後どうすれば問題を取り除いて目標に近付けるのかを考える必要があります。ですが、振り返りに慣れていない場合、どうすれば実際に起きた出来事を整理し、次につなげていけばいいのか迷う方も多いでしょう。

そんな方は、今回紹介したようなフレームワークを用いて、振り返りを行ってみましょう。

ちょっとした出来事に対してコンパクトに振り返りたい場合には「YWT」や「4行日記」を用い、1年の中でも大きな影響のあった業務に対しては「経験学習モデル」や「PDCA」「KPT」を用いるなど、自分の目的ごとに使い分けながら活用してみてください。
  

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