SWOT分析とは、経営戦略や計画の現状分析を行う際によく使われるフレームワークです。今回はSWOT分析の各要因の解説に加え、やり方や企業事例などを紹介します。

SWOT分析は新規事業創造などの大きな事柄を検討する際はもちろん、業務の見直しなどさまざまな場面で使用できます。ぜひ本記事を参考に、フレームワークを使った考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

目次

  1. SWOT(スウォット)分析とは
  2. 分析に必要な4項目の見つけ方
  3. SWOT分析のメリット・デメリット
  4. SWOT分析のやり方
  5. クロスSWOT分析とは
  6. SWOT分析の注意点
  7. SWOT分析を考える際に使えるフレームワーク
  8. 有名企業に当てはめて考えた事例
  9. SWOT分析のテンプレートと役立つ質問
  10. SWOT分析でまずは外部要因と内部要因を明確にしよう
  11. 関連資料のご紹介

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SWOT(スウォット)分析とは

SWOT分析とは、経営戦略や計画の現状分析を行うための分析手法で、使用される機会が非常に多い人気のフレームワークです。自社の内部環境と外部環境の分析を統合的に行い、自社のビジネスの機会を発見するために役立ちます。

図_SWOT分析.png

SWOTの「Strength」「Weakness」は、自社の企業努力でコントロールできる内部要因を指します。反対に「Opportunity」と「Threat」は外部要因(政治動向や規制、経済・景気、社会動向、技術動向、業界環境やユーザーニーズの変化など)を表します。

Strength:自社(内部環境)の強み

技術力の高さや長年の運用経験など、自社が持つ強みについて分析します。ユーザーがなぜ自社サービスや商品を利用してくれるのかを考えましょう。

Weakness:自社(内部環境)の弱み

自社の弱みや苦手なことについて分析します。コストやリソースなどで競合よりも足りていない部分や、情報の打ち出し方など、自社が苦手とする部分を洗いざらい抽出するようにしましょう。

Opportunity:機会(外部環境)

自社にとってビジネスチャンスとなるような環境変化や、変化に対して競合他社がどのような動きをしているのかなどについて分析します。徹底的にデータを収集し、どれほど小さなことでもチャンスとなりうる要因を1つでも多く抽出することがポイントです。

Threat:脅威(外部環境)

自社の強みを打ち消してしまう危険性のある環境の変化や、競合他社の動きなどを分析します。外部要因ですので、自社の企業努力だけでまかなえない部分もありますが、脅威を知ることで新たなビジネスチャンスの抽出が可能です。

「Opportunity」と同様、ささいなことでも脅威となりうることは全て抽出するようにしましょう。

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分析に必要な4項目の見つけ方

自社を取り巻く内的要因および外的要因を客観的に把握することがポイントです。
では具体的には、どうすれば的確な現状把握につながるのでしょうか?

「強み」の見つけ方

自社の「強み」を見つけるヒントは、「顧客」「支援者」「従業員」にあります。ここで言う「支援者」とは、例えば顧問税理士や社労士、経営指導員などの人々を指します。

「顧客」「支援者」「従業員」は、日頃のつながりを通して少なからず自社に対して好意を抱いてくれている人たちであり、商品・サービスを選んで使い続ける、あるいは、業務を通して自社とつながりを持ち続ける理由を見出していると言えます。

「強み」の可視化・言語化に行き詰まったら、思い切って「うちの強みや、いつも選んでくれている理由は何ですか?」と問いかけをしてみましょう。

「弱み」の見つけ方

自社の「弱み」を見つけるヒントは、「顧客」「競合」「従業員」にあります。

「弱み」は「強み」と表裏一体であるため、自社の「強み」を語れる人は、同時にウイークポイントについても言及できるはずです。

あるいは競合分析を行って、「競合と比較した場合に、自社に足りない要素(顧客から選んでもらえない理由)」を洗い出すしてみるのも良いでしょう。

ただし「脅威(外的要因:自社の力ではコントロール不可能な要素)」と混同しないよう留意しましょう。

「機会」「脅威」の見つけ方

自社にとっての「機会」「脅威」(外部要因)を見つけようとする際には、「マクロ視点(大きな視点)」と「ミクロ視点(小さな視点)」の双方から課題を洗い出してみましょう。

「マクロ視点」とは、「政治」「経済」「社会」「技術」など自社のビジネスに間接的に影響を与えるが、自社の力では制御不可能な要素を指します。

一方「ミクロ視点」とは、「競合」「消費者」「取引先」など、自社のビジネスを取り巻く環境で、マーケティングによって少しは影響を及ぼすことが可能な外部要因を指します。

「マクロ視点」「ミクロ視点」のどちらかが欠けていると、急速な時代の変化を捉えきれなくなり、ビジネス上の機会損失につながってしまいます。

中小企業は、大企業と比べて組織規模・資金力が小さいため、外部要因に適応してクイックに変化することが重要です。よって、「マクロ視点」「ミクロ視点」の双方を常に意識しましょう。

SWOT分析のメリット・デメリット

SWOT分析にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?利点と欠点を把握した上でフレームワークを活用することが大切です。

メリット

SWOT分析のメリットは以下の通りです。

  • 自社の強みだけでなく、弱みにも向き合える
  • 内部要因と外部要因の2つの観点から、客観的な視点が持てる

それぞれのメリットについて詳しく確認しましょう。

● 自社の強みだけでなく、弱みにも向き合える

SWOT分析では、自社の強みだけでなく、弱みも同時に分析することが可能です。強みについてはしっかりと分析しているものの、弱みについては認知できていない企業も多く見受けられます。

強みだけに焦点を当ててしまうと、強みを伸ばすための偏った施策しか行うことができません。しかし、弱みをしっかりと把握することで、弱みもカバーできるような総合的な施策を実践できます。

また、弱みは強みの裏返しであるため、新たなビジネスチャンスとして捉えることもできます。

● 内部要因と外部要因の2つの観点から、客観的な視点が持てる

SWOT分析のメリットとして、内部要因と外部要因の2つの観点から分析できる点が挙げられます。

内部要因については分析しているものの、外部要因と併せて事業の状況を分析している企業はあまり多くないのが実状です。

外部要因を踏まえた上で内部の状況を見ることで、客観的な視点を持つことができます。

いくら自社に強みがあっても、市場の動向によっては事業を拡大できない可能性もあるので、客観的に自社を理解することが重要なのです。

デメリット

SWOT分析のデメリットは以下の通りです。

  • 分類が極端になる
  • 情報の偏りが生じやすい

以下で、それぞれのデメリットについて説明します。

● 分類が極端になる

SWOT分析は、4つのカテゴリーで事業の状況を分析するフレームワークです。カテゴリーが限定されているため、分類が極端になることが懸念されます。

強みと捉えている事柄も、視点を変えたら弱みになり得ることがあります。例えば、リーズナブルな価格設定を強みとしている企業は、予算を達成するために商品・サービスを多く販売しなくてはいけません。

このように分類が曖昧な場合、フレームワークを超えて臨機応変に対応する必要があります。

● 情報の偏りが生じやすい

SWOT分析の実施方法によっては、情報に偏りが生じる可能性があります。偏りが生じないように情報の収集方法や分析を実施する担当者などに注意することが大切です。

例えば、特定の部門が分析を実行するのではなく、各部門から担当者を配置すれば、様々な視点から情報を集めることができます。

外部要因の調査も特定の媒体のみから情報を集めるのではなく、複数の媒体を活用するとよいでしょう。

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SWOT分析のやり方

SWOT分析は4つのステップで行います。それぞれの手順について、以下の項より詳しく解説します。

1. 分析対象の選定

まず、SWOT分析の対象範囲を決めます。会社全体または単体・複数の事業を対象とするのか、範囲を絞りましょう。

特に機会や脅威といった外部環境は対象を絞らないと、いくらでも拡大できてしまうため、精度の高い分析につながりにくくなります。

2. 外部環境(機会・脅威)の分析

分析対象が定まったら、外部環境(Opportunity:機会/Threat:脅威)の分析から行います。

どのような企業・事業でも、社会情勢市場環境の変化・競合他社の動向といった外部環境の影響は必ず受けるものです。外部環境が自社の内部環境に大きな影響を与えることもあるため、まずは外部環境から受ける影響を明らかにしておく必要があります。

3. 内部環境(強み・弱み)の分析

次に、内部環境の分析(Strength:自社の強み/Weakness:自社の弱み)を行います。分析は現状との乖離が生じないよう、できるだけ具体的な数値やデータを参照しましょう。

4. クロスSWOT分析の実施

SWOT分析により外部環境(機会・脅威)・内部環境(強み・弱み)を分析したら、今度はその内容を基にクロスSWOT分析を実施し、具体的な戦略や事業計画に落とし込んでいきます。

クロスSWOT分析とは

クロスSWOT分析.png

SWOT分析によって内部環境と外部環境を取り巻く現状把握ができました。その分析を基に戦略を考える際は、クロスSWOT分析を活用しましょう。

クロスSWOT分析は上図のようにSWOT分析の4要素を内部環境・外部環境に分け、4つの戦略を検討する分析手法です。

強み × 機会:積極化戦略

強みと機会を掛け合わせた「積極化戦略」は自社の強みを活かせるチャンスが到来している部分です。チャンスを最大限に活用するために積極的に取り組むべき施策を検討します。自社の優位性を高めるために、追い風に乗った積極的な戦略の採用が有効です。

強み × 脅威:差別化戦略

自社の強みを踏まえて、脅威による悪影響を切り抜けていく施策を検討します。脅威を逆手にとり強みを生かすことで、競合他社との差別化ポイントを探りましょう。

弱み × 機会:段階的戦略

チャンスは来ているものの、自社にとって弱みの部分です。段階的に弱みを改善してチャンスを取り逃がさないようにする施策を検討します。

弱みを理解しつつビジネスチャンスを逃さず新規参入を図るのか、あえて参入せず様子を見るのか、難しい判断が必要となります。いずれにしても「機会損失を生じさせない」という視点での判断が重要です。

弱み × 脅威:専守防衛・撤退

自社の弱みと脅威が組み合わさり、最悪の結果とならないよう避けるべき点を検討します。徹底的に防衛策を図るか、事業そのものを撤退するのかの判断が必要です。ここで判断を誤ると大きな損失につながりかねませんので、慎重に分析しましょう。

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クロスSWOT分析のテンプレート

クロスSWOT分析のテンプレート【パワーポイント形式】

SWOT分析の注意点

SWOT分析を実施する際は、いくつかのポイントに注意する必要があります。

広く正確、客観的な情報を集める

SWOT分析は実施方法や担当者によって、情報に偏りが生じる可能性があるため注意が必要です。視野を広くもち、正確性と客観性をポイントにしながら情報を集めましょう。

社員や現場のスタッフ、顧客、取引先など、あらゆる視点に立って企業・事業全体を捉えることが大切です。

また、SWOT分析は市場分析や現状把握に役立つフレームワークですが、戦略や施策立案にはクロスSWOT分析やPEST分析、5フォース分析など、複数のフレームワークを組み合わせることをおすすめします。

強みにも弱みにもなり得る項目に注意する

項目によっては強みにも弱みにもなり得るものが存在します。カテゴリーには分類できないものは、別に扱うなどして工夫しなくてはいけません。

また、誰にとっての強みや弱みなのかを考えるのも重要な視点です。例えば、顧客にとっては利点であるものも、企業にとっては弱みになる項目もあります。

その場合は、視点を変えながらSWOT分析を複数実施するなどして、対応するようにしましょう。

SWOT分析を考える際に使えるフレームワーク

ここでは、SWOT分析と併せて活用することで、精度の高い分析を実施できるフレームワークを紹介します。

バリューチェーン分析

図_バリューチェーン分析.png
バリューチェーン(価値連鎖)とは、事業を「主活動」と「支援活動」に分類した上で、どのフェーズで価値を出しているのかを分析するためのフレームワークです。分析結果をもとに事業の競合に対する強みを導き出し、事業戦略に役立てます。

バリューチェーン分析は、SWOTのうち内部環境の分析を行うのに適しています。バリューチェーン分析では自社の内部環境を一つひとつ細かい分類や項目に分解して検証できるため、内部環境の分析をどこから始めたらいいか分からないときや、強み・弱みをくまなく洗い出したいときに便利です。

▼バリューチェーン(小売業)のテンプレート

バリューチェーン(小売業) テンプレート

バリューチェーン(小売業) テンプレート【パワーポイント形式】

▼バリューチェーン(製造業)のテンプレート

バリューチェーン(製造業) テンプレート

バリューチェーン(製造業) テンプレート【パワーポイント形式】

5フォース分析

図_5フォース分析の例.png

5フォース分析とは、新規参入の脅威、原材料などを供給する供給業者、代替製品・代替サービスの脅威、買い手である顧客、既存競合者同士の敵対関係の5つの観点から、 企業を取り巻く業界の構造を把握するための考え方 です。

5フォース分析はSWOTの外部環境のうち、脅威(Threat)の分析を行うのに適しています。5フォース分析を利用することで自社を取り巻く脅威を客観的かつ多面的に把握できます。

取りこぼさす脅威を洗い出したい、さまざまな側面から脅威を把握しSWOT分析に使いたいときに役立ちます。

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5フォース分析のテンプレート

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3C分析

3C分析.png

3C分析とはCustomer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つを分析するフレームワークです。外部環境である「市場・顧客」「競合」と自社を照らし合わせることで、自社の弱み成功要因を見つけ、新規事業の方向性やマーケティング戦略の立案に繋げることができます。

業界・市場・競合他社を分析対象としているため、SWOTの外部環境分析のうち、特にミクロ分析に長けています。マクロ環境分析を行った後、自社を取り巻く業界・市場環境についてミクロの視点から分析を行う際に役立ちます。

3C分析を分かりやすく解説!市場分析から成功要因を導く方法とは?

PEST(ペスト)分析

図_PEST分析の要素.png

PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字を取った、マクロ環境分析を行うためのフレームワークです。自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が今後どのような影響を与えるのかを、把握・予測するために行います。

PEST分析はSWOT分析のうち、マクロの視点から外部環境(機会・脅威)を把握する際に役立ちます。

PEST分析では外部環境を4項目に分け、より詳細に分析できます。広範囲にわたる外部環境分析を細大漏らさず行いたいときや、どんな項目を挙げたら良いか分からない場合にも有用です。

関連記事:PEST(ペスト)分析とは?やり方やコツ、分析に役立つフレームワークを解説【テンプレートあり】

▼PEST分析のテンプレート

PEST分析のテンプレート

PEST分析のテンプレート【パワーポイント形式】

有名企業に当てはめて考えた事例

国内の有名企業をSWOT分析のフォーマットに当てはめた、具体的な分析事例を見ていきましょう。ぜひ、自社でSWOT分析を実践する際の参考にしてみてください。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社を例にSWOT分析を行ってみた事例です。

環境 プラス要因 マイナス要因
内部環境 【強み】
・ブランド力
・販売力
・高い営業利益
・自動運転技術への積極投資
・レンタカーやリース事業でも高い認知度を持つ
【弱み】
・軽自動車生産に力を入れてこなかった
・中国市場への進出で競合他社より出遅れた
・売上・利益が為替の影響を受けやすい
外部環境 【機会】
・新興国市場での自動車ニーズ拡大
・「コネクテッドカー(IoT)」「自動運転」など自動車業界で技術革新が進み、新たな切り口での成長可能性がある
・カーシェア市場拡大の可能性
・PHEV・EV、バイオ燃料車など環境に配慮した次世代自動車の需要
【脅威】
・人口減少社会で国内市場は縮小
・若者の自動車離れ
・カーボンニュートラルなどの環境規制
・海外工場における地政学上のリスク(自然災害・政情不安など)
・半導体不足
・家族形態が変化し、ファミリーカーの需要減
・「コネクテッドカー」「自動運転」「EV」など自動車業界で技術革新が進む中、異業種からの新たな競合が現れる可能性

トヨタ自動車の強みは何と言っても、国内外に誇るブランド認知度の高さでしょう。海外売上比率約8割を誇るだけあり、機会には「新興国市場での自動車ニーズ拡大」、脅威には「地政学上のリスク」、弱みに「為替の影響を受けやすい」など、多国籍企業ならではの要因が挙げられます。

株式会社三越伊勢丹ホールディングス

株式会社三越伊勢丹ホールディングスを事例にSWOT分析を行ってみた事例です。

環境 プラス要因 マイナス要因
内部環境 【強み】
・業界トップ企業
・高い販売力・ブランド力
・付加価値の高い商品やサービスの提供
・富裕層の優良顧客を持っている
・マーチャンダイジングに強い
【弱み】
・顧客の高齢化
・収益を新宿伊勢丹に依存している
・業績の悪い支店がある
・小売業態に注力しすぎている(他業態や新規事業の立ち上げがない)
外部環境 【機会】
・中国人観光客の増加
・ASEANの経済発展に伴う店舗進出・発展可能性
・EC市場の拡大
・富裕層顧客の増加
・顧客構造の変化(少子高齢化・ミレニアル世代への交代)
【脅威】
・人口減少社会で国内市場は縮小
・景気低迷による個人消費の縮小
・業界全体での売上縮小
・法人の贈答需要減
・競合との競争激化
・EC業界の台頭

国内外で圧倒的な知名度を持ち、顧客からの信頼も厚い三越伊勢丹。「ブランド力」「高い商品・サービス品質」を強みとする一方、「収益を新宿伊勢丹に依存している」などの弱みが挙げられます。

コロナ禍においてはリモートショッピングやオンラインサービスの提供など、デジタル化が一気に推進されました。ライバルであるECサイトとの競争は今後も苦戦を強いられそうです。

SWOT分析のテンプレートと役立つ質問

SWOT分析のテンプレート.png

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SWOT分析のテンプレート

SWOT分析のテンプレート【パワーポイント形式】

SWOT分析を行う際は、テンプレートを活用すると効率的に行えるためおすすめです。分析の対象範囲(企業・事業全体または一部)を決めたら、まずは外部環境・内部環境の順に項目を洗い出していきます。

分析を始める際は集団思考を避けるため、はじめに議論の参加者に付箋を配って各自に「Strength:自社の強み」「Weakness:自社の弱み」「Opportunity:機会」「Threat:脅威」のアイディアをそれぞれ記載してもらいます。付箋は1枚のボードに張り付け、同じアイディアは一つにまとめましょう。

アイディアによっては異論が起こることも考えられます。分析を行う際は責任者を決めておき、アイディアの可否など最終的な判断は責任者に委ねるようにしてください。

SWOT分析のアイディアを出す際、以下のような質問が役立ちます。ぜひ分析時の参考にしてみてください。

Strength:自社の強み

  • 事業で成功している点はどこか?
  • 自社や事業のブランド力や認知度はあるか?
  • 特許・機器・技術・資金などどのような経営資源を持っているか?
  • 自社にノウハウ・ネットワーク・スキル・専門性などの資産があるか?
  • 競合と比べた自社(事業)の強みはなにか?(価格・品質・サービスなど)

Weakness:自社の弱み

  • 自社や事業において最も改善すべき点はどこか?
  • 資金・設備など自社や事業に欠けている資源は何か?
  • ノウハウ・専門性・スキルなど自社や事業にかけている資産は何か?
  • 競合他社と比べた弱み(劣っている点)は何か?
  • 事業戦略や目標達成を困難にしている要因は何か?

Opportunity:機会

  • 自社や事業にとってプラスに働く市場の動きはあるか?(トレンド・イベントなど)
  • 自社や事業を拡大するチャンスとなる法律や規制の変更はあるか?
  • 顧客に人気のある製品・サービスは何か?
  • 目的や目標達成に利用できる資源はあるか?
  • 自社の製品・サービスを顧客はどう評価しているか?

Threat:脅威

  • 自社や事業にとってリスク・損失となりうる市場の動きはあるか?
  • 自社や事業運営の脅威となる法律や規制の変更はあるか?
  • 競合他社は優勢か?どのような戦略をとっているか?
  • 競合となる可能性のある新規参入企業はあるか?
  • 自社の持つ資源・資産が脅かされる危険性はないか?

SWOT分析でまずは外部要因と内部要因を明確にしよう

企業の戦略の方向性を決定するために、「 外部環境の変化をどれだけビジネスチャンスとして捉えられるか」 が必要な視点です。SWOT分析を行うと、自社を取り巻く外部環境から、自社の強み・弱みを把握できるため、市場分析に役立ちます。

分析を始める際は外部環境から検討して、何がどのように変化しているのかを把握しましょう。その上で内部環境とすり合わせ、クロスSWOT分析で戦略を考えていくようにしましょう。

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