リスティング広告での不正クリックは、どのサイトでも発生している」

そう語ったのは株式会社日本クラウディア代表の吹戸尚之氏。
クリック回数が多いのにCVが少ないとき、出稿したキーワードやクリエイティブの改善をしてしまいがちですが、もしかするとそれは不正クリックが行われていることが原因かもしれません。

今回は『ferret』の運営元、株式会社ベーシック代表の秋山が、リスティング広告の不正クリック対策ツール『x-log.ai』を提供する株式会社日本クラウディア代表の吹戸尚之氏にインタビューいたしました。

広告費用が上がりすぎている」「クリック数は多いのに成果が出ない」などリスティング広告運用で悩んでいる方に向けて、不正クリックの現状や『X-log.ai』を導入することで広告効果を高められる理由について語っていただきました。

プロフィール

吹戸 尚之(ふきと なおゆき)氏
株式会社日本クラウディア 代表取締役
中央大学商学部を卒業後、株式会社日本総合研究所にてシステムエンジニアとして従事。ホームセンター、SE人材派遣業などを経験し、2012年より「健康なインターネットを世界に!」をグランドデザインとする株式会社日本クラウディアを設立。不正クリック対策ツールX-log.ai、ポータルサイトのアクセスランキングを不正から守るランキングプロテクターなどを世に送り出す。
秋山 勝(あきやま まさる)
株式会社ベーシック 代表取締役
「問題解決の集団として、情熱を妨げる世の中のあらゆる問題解決をやり抜き、多種多様な企業が強みに集中できる世界を創造する」をミッションに、オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One」、フォーム作成管理ツール「formrun」のSaaS事業と国内最大級のWebマーケティングメディア「ferret」のメディア事業を展開。

リスティング広告の不正クリックにおける課題と現状

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<株式会社日本クラウディア 代表取締役 吹戸氏>

秋山:
過去に自社サービスの広告運用をしていた時期があったのですが、パフォーマンスが良いと思ったら突然悪くなったことがありまして、今思えばそれが不正クリックの影響だったかもしれません。

吹戸氏:
その可能性はありますね。これまで十年ほどやってきましたが、不正クリックはどのサイトでも発生しています。リスティング広告における不正クリックとは、悪意のある人や業者が広告費を消費させる目的で無駄にクリックしたり、ユーザーがうっかり広告をクリックするなど、広告効果のないクリックのことになります。

弊社ではGoogle広告とYahoo!広告をメインに取り組んでいますが、10年前のリスティング広告は不正クリックが横行していました。近年はどちらも配信先制限やGoogle広告ではIPも制限できるなど広告主が不正クリック対策ができるように改善されてきていますが、そういった対策のできないfacebookやTwitterなどのSNS広告も台頭してきているため、不正クリックが減ることはなく、その数に大きな変化はありません。

秋山:
10年前よりインターネット広告が当たり前の世の中になってきたので相対的に不正クリックの数も増えている印象でしたが違うのですね。不正クリックが行われることでどれくらいの損失があるのでしょうか?

吹戸氏:
私たちの実績の話になりますが、例えば看護師転職サイトを運用している会社様では除外IP登録13件、256クリックを削減して30万円の効果が得られました。もちろん広告予算にもよりますが、数十万単位で削減できる事例が多いです。逆に言うと数十万円分も無駄な予算が発生し、本来届けたいユーザーに届いていないことになります。

秋山:
それは勿体ない話ですね。どういうものが不正クリックと判断されるのでしょうか?

吹戸氏:
大まかに言うと、先ほどお話ししたように広告効果のないクリックを指します。例えば、広告クリックはたくさん発生していても、サイトの中は全然見ていなかったり、一般の方があまりやらない方法でサイトを見に来ることが挙げられます。最近では、ゲームのまとめサイトや、電卓のアプリなどに表示されるディスプレイ広告が異様にクリックされる例を見かけますね。

GoogleやYahooも対策は行っているのですが、それを踏まえたうえで課金されるようにクリックをするケースが多いので、見つけるためには、クリック数の偏りやクリックするユーザーの動向を細かくチェックすることが必要になってきており、広告運用担当者の経験やスキルに依存してしまうため、誰もが判断できることではないのが現状です。

秋山:
なるほど。不正クリックを人力で見分けるのにも経験やスキルが必要なのですね。その課題を解決できるのが『X-log.ai』ということでしょうか?

吹戸氏:
はい、『X-log.ai』は3,000サイト以上の不正クリック対策実績のある『X-log』で蓄積したノウハウをAIに搭載しているため、怪しい動きを自動で検知して対策を行うことができます。そのため、広告運用担当者の経験やスキルに依存しません。

『X-log.ai』で解決できること

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<株式会社ベーシック 代表取締役 秋山氏>

秋山:
不正クリックを自動で検知してくれるのは御社のノウハウがあってこその技術ですね。具体的に『X-log.ai』を導入することでお客様にはどのようなメリットがありますか?

吹戸氏:
『X-log.ai』の特徴からご説明しますと、大きく3つあります。

  • 不正クリックを自動で採点
  • 自動で対策
  • 完全無料

「不正クリックを自動で採点」とは、サイトにアクセスしたパソコンやスマホ、IPアドレスなどそれぞれの振る舞いを確認し、アクセス状況や履歴からAIが自動で採点し、「不正レベル」を設定してくれる機能です。不正レベルが高いものほど怪しいクリックと判定されるので、広告運用担当者の経験やスキルに依存しません。

「自動で対策」は、本来なら不正クリックを発見すると担当者自身でIP除外や配信先の除外を行わなければいけなかったのですが、『X-log.ai』は不正レベルが一定以上になった場合は、除外IP登録(Googleのみ)や、除外配信先登録を自動で行います。

この様に、採点と対策を自動で行うため広告運用担当者の経験やスキルに依存しない上、人力で対策する必要がなくなることで業務効率改善にも繋がります。

担当者は初期設定をするだけで、無駄なクリックが除外され広告効果の改善を期待できるというわけです。

3つ目の「完全無料」は、これまでは有料版のみでしたが私たちが目指すのは「健康なインターネット」です。それを実現するためにより多くの方に『X-log.ai』を使ってもらいたく無料版をリリースしました。

『X-log.ai』の誕生秘話

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秋山:
御社の『X-log.ai』への想いが伝わります。元々どのような経緯で『X-log.ai』が生まれたのでしょうか?

吹戸氏:
当初私が在籍していた会社は韓国人SEを派遣する会社でした。そこで営業をやっていたのですがリーマンショックの最中で「不況に負けないサービス」を持っていないと厳しいと痛感していました。

韓国で知り合った会社から日本向けにサービスを展開して欲しいと紹介されたのが当時の『X-log』です。面白いツールだと思い販売を始めたのですが当時は全く売れず、社の方針として事業を売却する流れになりました。ですが可能性を感じていた私は自分で『X-log』を買収して会社を立ち上げ、X-logの権利を韓国から取得した後、それまでの実績やノウハウを活かし、オリジナル製品として開発したのが今の『X-log.ai』です。

秋山:
リーマンショックは10年ほど前になりますが、インターネットネット広告がまだ浸透してなかったですよね。その中で事業を成長させることは大変だったと思いますが『X-log.ai』を無料にされた経緯はなんでしょうか?

吹戸氏:
最初にお話したように不正クリックは、どのサイトでも発生しています。その実情を多くの人に知ってもらうためには、アンチウイルスソフトのように標準的に導入して欲しいという想いで無料で使い始められるようにしました。

まずは軽微なものでも不正が行われていることを知ってもらいたいです。特に広告予算を月30万円以上で運用されている会社様はほぼ確実に効果を実感いただけると思うので是非試してほしいです。

秋山:
アンチウイルスチェックのセルフチェック機能のように無料なので一度試してみるべきですね。有料版もあるとのことですが、どんな場合に有料へ切り替えた方がいいのでしょうか?

吹戸氏:
無料版でも「不正クリック(無駄なクリック)を自動で採点」「不正クリックの自動対策」などの基本機能が備わっているので十分に利用できますが、対策が10件まで、と制限を付けています。有料版は3万円からなので、5万円分の不正クリックがあった場合に2万円分のコスト削減を目指して導入していただく形になります。

『X-log.ai』の実績について

秋山:
『X-log.ai』を導入した方が広告運用効果が高まるとのことですが、どのような実績がありますか?

吹戸氏:
『X-log.ai』が自動で行ってくれる不正クリック対策は大きく分けて「除外」と「遮断」です。「IP除外」の事例を紹介します。

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「IP除外」とは不要なクリックを行った上位10個のIPを自動でGoogle広告管理画面へ除外登録してくれる機能です。(有料版は、500IPまで登録)パーソナルジムサイト様の場合ですと、除外したIPが368件でそのクリックを防いだ結果、約46万円もの削減効果がありました。大きく削減できた事例です。

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除外登録で対策できない場合に、もう一つの自動対策である「端末遮断」機能を使います。「端末遮断」は不要なクリックの多い端末がサイトに来た際に、遮断(白い画面になりブラウザがフリーズ)させるX-logの機能です。端末単位で遮断を行うので、端末がIPを変更してしまう場合でも対策が可能です。こちらも、X-log.ai(無料版)は10端末の遮断まで、X-log.biz(有料版)は、数の制限なく遮断ができます。

弁護士サイトの例ですと198端末遮断した結果、約75万円ものコスト削減ができました。どの端末を遮断するかを人力で行うのは大変な作業なので、時間的コストも抑えらえれています。

日本クラウディアが目指す「健康なインターネット」とは

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秋山:
コスト削減だけではなく時間短縮の効果があるのも大きなメリットですね。最後に『X-log.ai』の今後の展望を教えてください。

吹戸氏:
現在はGoogleとYahooの広告を対象にしていますが、その他の広告に向けても対策できるようにX-log.aiの拡張を行いたいと思っています。また、不正のデータが多く取れているので、不正の割合やどのような導線で行われるかなどの統計情報をみなさまにも共有して「健康なインターネット」をみんなで実現できるように取り組んでいきたいです。

秋山:
「健康なインターネット」にするには、まず自分の健康診断を行うことが大事ですね。そのためにも無料で『X-log.ai』を試してみるのが最初の一歩になりそうです。

本日はありがとうございました。