CSSの読み込みを高速化するための5つのポイント
読み込み速度を高速化することは、戦略上非常に重要なことです。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の面からも、SEO上の観点からも、読み込みの遅いサイトより速いサイトのほうが有利です。
UXの観点では、Google Researchのブログ記事より、サイトの読み込み速度が速ければ速いほど、ユーザーは快適に感じ、サイト内の滞在時間まで長くなることが分かっています。
さらにKissmetricsによれば、読み込みに3秒以上かかってしまうと、40%の人が読み込みを諦めて離脱してしまうことが分かっています。
SEOに関して言えば、Googleが検索結果を決めるのに使っている200以上もの要素の中の一つに明らかにページ読み込み速度を使っていることが明らかになっています。
もちろん、GoogleだけでなくBingもページの読み込み速度を重視しています。
ferretでは、これまでSVGを使った画像の最適化方法やコンテンツSEOなどで、サイト内の高速化のためのノウハウをご紹介してきました。
今回は、CSSの読み込みを高速化するための5つのポイントをご紹介していきます。
CSSの読み込みを高速化するための5つのポイント
Source: pexels.com
1. セレクタは浅い階層にとどめておく
プログラミングの世界では細かく指示を出すことが重要だと考えられていますが、CSSの世界では、そうではありません。
基本的には、いつでもどこでも、セレクタの階層を浅く設定しておいたほうが、キロバイト単位でCSSを軽くすることができます。
例えば、次のようなCSSがあるとしましょう。
header nav ul li .nav-menu-item { … }
これは文字数が多いのでCSS自体のファイルサイズも大きくなるだけでなく、ブラウザにも負担をかけてしまうので、ミリ秒単位で読み込みが遅くなってしまう原因にもなります。
したがって、上記のCSSであれば、以下のようにするだけでよいのです。
.nav-menu-item { … }
ブラウザの負担になってしまうというのは、ブラウザはセレクタを右から左に読み込むからです。
セレクタがより深い階層にあれば、それだけブラウザがレンダリングするのに時間をかけてしまいます。
理想的にはシングルセレクタで済ませたいものですが、これは必ずそれ以外すべてのセレクタを削らなければならないということではありません。
場合によってはいくつかのセレクタを加えても構いませんが、バランス良く、実践的なコーディングを心がけていきましょう。
2. ショートハンドプロパティを使う
ショートハンドで記述できるプロパティを使うのは常識的だと思う人もいるかもしれません。
しかし、もっと省略して書くことができる箇所はあります。
例えば、フォントサイズや行間、フォントの種類などを決める時には、通常このように書きます。
font-size: 1.5rem;
line-height: 1.65;
font-family: "Helvetica", sans-serif
しかし、これはfontプロパティを使ってショートハンドでまとめることができます。
font: 1.5rem/1.618 "Arial", "Helvetica", sans-serif;
これはほんの一例に過ぎませんが、ショートハンドプロパティを使うことで、ロングハンドのプロパティよりもおよそ40%のスペースを節約できます。
最初は可読性に欠けると感じるかもしれませんが、読み込み速度も上がり、修正も1箇所のプロパティを見るだけで済むので、使う価値は大いにあるでしょう。
3. リソースプレロードを使う
リソースプレロードとは、ブラウザにHTML全体を読み込ませる前にページに表示される予定のアセットをあらかじめ用意してサーバーのHTTPヘッダーから直接読み込ませることを言います。
例えば、CSSを読み込む際には、通常headタグ内以下のようなタグを入れます。
<link rel="preload" href="style.css" as="style">
あるいは、HTTPヘッダーではこのようになります。
Link: <style.css>; rel=preload; as=style
どちらであってもHTML全体を読み込む前に、style.cssを優先して読み込むことができるのですが、HTTPヘッダーを使った方が好ましいようです。
HTTPヘッダーであれば、HTML本体を読み込む前にCSSを読み込んでいるので、より反応が早くなるからです。
4. csscssを使って余剰を取り除く
Screenshot on 25th July
CSSを人の手で書いていると、案外余計なコードを書いていることがあります。
例えば、h2とpタグで同じフォント色や行間、マージンを取っているにもかかわらず、2回書いてしまったりという具合です。
その時に役に立つのが、RubyベースのCSSチェッカーであるcsscssです。
使い方は簡単で、まず以下のコマンドを打ってcsscssをインストールします。
Macの場合はRubyがすでにインストールされているので、ターミナルを起動し、以下のコマンドを打ちます。
gem install csscss
インストールしたら、以下のようにCSSファイルを指定します。
csscss -v style.css
このコマンドによって、共通して使用している部分を指摘してくれます。
{h2} AND {p} share 3 declarations
- color: #0060e6
- line-height: 1.65
- margin: 0 0 1.5rem
この指摘にしたがって、共通部分をまとめていきます。
h2, p{
color: #0060e6;
line-height: 1.65;
margin: 0 0 1.5rem;
}
このように、無意識に2回使っているプロパティの余剰部分を取り外すだけで、CSSのサイズが大幅に短縮します。
csscssは非常に簡単に使えるので、ぜひインストールしてみてください。
5. cssnanoを使ってcssを圧縮する
Screenshot on 25th July
もう一つ便利なツールなのが、Node.jsのnpmで使えるcssnanoというツールです。
cssnanoを使うことで、CSSファイルの余分な空白や改行を取り除いてファイルを圧縮することができます。
npmのインストールに関しては、下記をご覧ください。
参考:
知っておいて損はなし!新人Webデザイナーのための「npm」入門
まず、npmで以下のコマンドを打ってcssnanoをインストールします。
npm i -g cssnano-cli
続いて、読み込むCSSファイルと、生成するファイル名を指定します。
cssnano style.css optimized-style.css
たったこれだけでCSSのファイルサイズが圧縮されるなんて便利ですよね。
空白や改行がなくなるだけで大きくファイルサイズを減らすことができるので、ぜひ試してみてください。
- UX
- UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験を意味します。似たような言葉に、UI(ユーザーインターフェイス、User Interface)がありますが、こちらはユーザーと製品・サービスの接触面を指した言葉です。
- SEO
- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
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- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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- CSとはCustomer Satisfactionの略称で「顧客満足度」を意味します。顧客との関係維持、サービスの発展に関するマーケティング戦略に関わる用語です。
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- ファイルサイズ
- ファイルサイズとは、コンピューターで扱うファイルの容量のことをいいます。 ハードディスクなどにファイルを転送する際などは、この容量をしっかりチェックしておく必要があります。その数値に応じてデータをコンピューターに保存することができます。
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- フォント
- フォントとは、同一の特徴を持った文字の形状を一揃いでデザインしたものです。
- HTML
- HTMLとは、Webページを記述するための言語です。"HyperText Markup Language "の略です。"<"と">"にはさまれたさまざまな種類の「タグ」によって、文章の構造や表現方法を指定することができます。
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- HTTPとは、HTMLで記述されたWebページなどの情報を、WebサーバーとPCなどのクライアント端末間でやり取りする方法を定めた通信手順のことです。Hyper Text Transfer Protocolの略です。
- ヘッダー
- WEBページの上部スペースに位置し、どのページが開かれても常に共通して表示される部分です。ヘッダーの役割は、まずWEBページを目立たせ、ブランドイメージを訴求することにあります。会社のロゴなども通常はここに置きます。また目次となるメニューを表示し、自分が今どのページにいるかを分からせることもあります。
- CS
- CSとはCustomer Satisfactionの略称で「顧客満足度」を意味します。顧客との関係維持、サービスの発展に関するマーケティング戦略に関わる用語です。
- タグ
- タグとは、原義では「モノを分類するために付ける小さな札」のことです。英語の「tag」を意味するものであり、荷札、付箋といった意味を持っています。特にインターネットに関する用語としてのタグは、本文以外の情報を付与するときに用いられます。
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- ファイルサイズとは、コンピューターで扱うファイルの容量のことをいいます。 ハードディスクなどにファイルを転送する際などは、この容量をしっかりチェックしておく必要があります。その数値に応じてデータをコンピューターに保存することができます。
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