近年、副業解禁や労働不足などの複合的な要因から、多くの企業がフリーランス活用に注目しています。

日本では労働人口7,000万人弱のうち、約4分の1がフリーランスと言われています。自社でも業務内容に合わせてフリーランス人材を活用することで、人材不足やスキル不足といった業務課題の解決が期待できるでしょう。

そこでこの記事では、フリーランス人材の導入ステップや活用のメリットについて紹介します。

目次

  1. そもそもフリーランスとは?
  2. フリーランスへ注目が高まっている背景
  3. フリーランスを活用するメリット
  4. フリーランス活用のステップ
  5. フリーランス活用のポイント
  6. フリーランス活用の課題と解決策
  7. フリーランス活用でプロジェクトを加速させよう

そもそもフリーランスとは?

フリーランスとは特定の会社や団体、組織に所属せず、独立した形態で企業や個人と契約を結んで仕事を請け負う働き方のことです。フリーランスは以下の通り、独立系フリーランスと副業系フリーランスに大別されます。

独立系フリーランスは、企業や組織と雇用関係は結ばずに、個人として企業や個人クライアントにスキルや専門知識を提供して生計を立てる働き方です。

副業系フリーランスは、本業と並行して追加収入を得る目的で業務を請け負う働き方です。本業以外の時間で業務に対応します。

フリーランスへ注目が高まっている背景

フリーランス人材に注目が集まる背景には、副業の敷居が低くなっていることと、労働人材不足や経済の縮小が関係しています。

副業の敷居が低くなっている理由として、次の3つが挙げられます。

  • オンラインで完結する業務が増えている
  • 政府が副業を促進している
  • プラットフォームやSNSで容易にフリーランス人材と関わりを持てる

労働力人口は2020年に8,622万人、2022年に6,902万人と右肩下がりの傾向にあります。今後この流れはさらに加速し、2060年には約40%減の4,418万人になると予測されています。

人手不足は企業経営において深刻な問題であり、専門性の高い仕事をスポットで依頼できるフリーランスに注目が集まっています。

参考:総務省統計局|労働力調査(基本集計) 2022年(令和4年)平均結果

フリーランスが活用できる分野

フリーランスが活躍できる分野はさまざまな職種に広がっています。

職種 業務領域
人事 制度設計、研修導入、労務管理、組織風土の改善など
マーケティング データ分析、販売戦略策定、Web広告運用など
財務・経理 資金繰り、調達支援、月次決算、製品別収支管理など
広報 HP、メディアプロモーション、SNS運など
デザイン・編集 印刷物制作、Webデザイン、記事作成、動画制作など
IT導入・システム HP・システム開発、営業メール配信・効率化など
新規事業 市場調査、事業開発、事業計画策定、PMなど
営業 大都市圏・海外などへの営業代行、顧客情報収集など
事務 データ入力、資料作成、営業リスト作成、翻訳など

経営戦略立案など高いコミュニケーションが要求される業務から、デザインやシステム開発など専門性の高い業務、突発的に発生した業務への対応など、フリーランス人材で対応できる業務は多岐にわたります。

フリーランスを活用するメリット

企業がフリーランスを活用するメリットは以下の3つです。

  • 専門的スキル・知識を持った人材を活用できる
  • 人材管理の負担軽減
  • 業務量や納期を柔軟に調整できる

それぞれについて説明します。

専門的スキル・知識を持った人材を活用できる

フリーランス人材は、特定の分野や技術に秀でている人材が多い傾向にあります。

スキルや知識が不足しているプロジェクトにフリーランスを起用することで、新たな視点やアイデアの取り入れや、業務効率化の促進が期待できるでしょう。

人材管理の負担が軽減する

フリーランスは企業や組織と対等な立場で契約を結び、プロジェクトに従事します。

正社員や契約社員との雇用契約とは異なり、社会保険や年金制度、交通費、昇給・賞与などの人材管理が発生しないのが特徴です。人件費が変動費となることからも、企業側の負担を大幅に軽減できます。

業務量や納期を柔軟に調整できる

フリーランスは、自分自身で働く時間や業務量を管理します。

そのため、新規プロジェクトにすぐにアサインしたり、繁忙期にだけ業務量を増やしたりなど、柔軟に対応できるケースが多いです。

フリーランス活用のステップ

企業がフリーランスを活用するステップは以下の通りです。

1. 自社の課題を分析

フリーランス活用の前に、自社の課題やニーズを明確にしておきましょう。PEST分析や3C分析などのビジネスフレームワークを活用すると、課題分析が行いやすいでしょう。課題を分析した上で、フリーランスに求めるスキルや経験、アサインするプロジェクトなどを洗い出します。

関連記事:フレームワークとは?論理的思考がしやすくなるビジネスフレームワーク19選

2. 人材要件を定義

ポジションに求めるフリーランスのスキルや経験を定義します。業務内容と期待する成果、納期を書き出しておくと、適切な人材を見つけやすくなります。

3. 募集

フリーランスに特化した求人サイト人材マッチングサービスなどを活用し、フリーランスの募集を開始します。企業の担当者がTwitterやInstagram、noteなどに直接フリーランスへDMを送る方法もあります。

4. 採択・契約

書類選考、面接を経て合否を決定します。採用後に業務範囲、報酬額、支払い条件、期間、業務の過程で発生する知的財産権の帰属などについて定めた契約を結びます。

5. キックオフ

プロジェクトにアサインする前に、フリーランス人材とチームメンバーがミーティングを行います。キックオフミーティングでは目標や各自の役割を共有しましょう。

6. 業務の割り当て

フリーランス人材に具体的な業務を割り当て成果物の内容と期限を明確に伝えます。進捗確認のルール、定例ミーティングのタイミングなども共有します。

7. 定例ミーティング

プロジェクト進行中に定期的にミーティングを開催し、コミュニケーションの活性化を図ります。進捗状況の確認や問題点の共有、改善策の検討などを行います。

8. 契約更新または解除

契約期間満了時にリソースが足りていないときは更新、充足したときは解除するなど、更新または解除を判断します。

フリーランス活用のポイント

フリーランス活用のポイントについて説明します。

活用目的や課題を明確にする

フリーランス人材を適切に活用するには、今ある課題を明確にする必要があります。

人手不足、スキル不足、組織強化などの問題点を整理することで、自社に必要なフリーランス人材を定義しやすくなります。

課題の抽出には、経営もしくは事業推進におけるボトルネックを明確にすると良いでしょう。その上で本質的な課題を見出し、即効性やコストなどを踏まえて、優先度の高い内容から解説を図ります。

自社のニーズに沿った人材マッチングサービスを活用する

フリーランス人材を獲得するためには、フリーランス専門のマッチングサービスを利用するのも有効です。

マッチングサービス側がフリーランスの管理を行うため、マネジメントコストを最小限に抑えられるのもメリットです。他にも請求や契約をまとめて行えるのも、マッチングサービス利用者ならではの利点と言えます。

マッチングサービスにはさまざま種類があり、適したサービスを活用すると、自社の人材要件にマッチする人材が見つかりやすいでしょう。

フリーランス人材とマッチングできるサービスについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:【企業向け】おすすめのフリーランスマッチングサービス7選!選び方も解説

共感を呼ぶ求人訴求を心がける

フリーランス人材は、報酬だけが目的ではなく、やりがいや社会貢献新しい知識や経験の習得などを重視している人も多くいます。そのため、フリーランスから共感を得られるような求人訴求を心がけると、より高いスキルを有したフリーランスのアサインが行いやすくなるでしょう。

求人の訴求力を高めるポイントは以下の3つです。

  • 事業者の目指している将来ビジョンや課題を共有する
  • 期待値や業務内容をすり合わせる機会を設ける
  • 経営者や担当者など一緒に働く人材の人柄を伝える

求人票の内容、面接時にこれらのアクションを含めることで、マッチングの精度を高められます。

フリーランス活用の課題と解決策

フリーランスは企業の即戦力として活躍が期待できる一方、外部人材であることから活用する際にさまざまな課題があります。ここではフリーランス活用の課題と解決策について説明します。

コミュニケーション不足による認識のズレ

フリーランス人材と企業間でのコミュニケーション不足は、納期や成果物のクオリティにマイナスの影響を与える可能性があります。

解決策
オンラインツールやビデオ会議を活用して、定期的な情報共有やフィードバックを実施しましょう。プロジェクトの目標や進捗状況、メンバーの役割や責任などが明確になり認識のすり合わせが行えるほか、フリーランス人材のモチベーションアップも期待できます。

業務管理の難しさ

フリーランス人材は複数のクライアントやプロジェクトを同時に進行させています。コミュニケーションが不足していたり、期限を設定してなかったりすると、自社のプロジェクトの優先順位が低くなり、企業側の業務管理が難しくなることがあります。

解決策
プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールを導入して、作業内容や期限、成果物を可視化しましょう。メンバーに自主性や裁量権を与えることで、マイクロマネジメントを回避して、効率性と満足度を向上できます。

契約や報酬のトラブル

業務内容の伝達不足や納期の変更などにより、契約や報酬に不一致が生じる可能性があります。

解決策
事前に契約書や見積書などの書面で、報酬額や支払方法、納期やキャンセル料などについて明記しておきます。トラブルが発生した場合は、第三者機関にも相談しましょう。

情報漏えいのリスク

フリーランス人材は複数のクライアントと関わることが一般的であり、不適切なデータ管理、物理的セキュリティ対策の不備、意図的な情報漏えいなどのリスクが生じます。

解決策
フリーランス人材と機密保持契約を締結し、セキュリティソフトを導入することでリスクを軽減します。

フリーランス活用でプロジェクトを加速させよう

フリーランス活用は採用難の時代を乗り切るために必要な選択肢です。企業とフリーランスをつなぐプラットフォームを活用して、プロジェクトの品質向上と業務効率化を実現しましょう。

フリーランス人材のモチベーション管理案件進捗管理の仕組みを整えることで、企業の組織力をさらに強化できます。