サブスクリプション型音楽配信サービスが勢力を強める中で、Spotifyは広告付きで音楽を無料配信していました。それに攻勢を仕掛けてきたのがGAFAの一角であるAmazonです。

Amazonは2019年4月18日、音楽ストリーミングサービスの「Amazon Music」に、広告つきの無料バージョンを追加する計画を進め、Alexa搭載デバイスでサービスを開始しました。現時点での対象国は米国のみで、日本への提供予定は明らかにされていません。

この新サービスは、Amazonが広告市場へ本格的に進出する一歩となると考えられます。

Amazonの新たな音楽サービス

Amazonの音楽サービスといえば、現在でもプライム会員が利用できる「Prime Music」と、有料の「Music Unlimited」があります。同社は、さらにこれらとは別となる、広告付きながら無料で利用できる新しい音楽サービスをAlexa搭載デバイスで開始しました。これを受けて、Spotifyの株価は下落し、今後はApple Musicなどほかのストリーミング音楽配信サービスにも影響が及ぶことが考えられます。

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Amazonの広告市場での台頭

今回の広告付き無料音楽配信でキモとなるのは、Amazonの広告市場での台頭です。Amazonは音楽ストリーミングに広告モデルを取り入れ、広告部門の売上をさらに伸ばそうとしています。Amazonは小売りが目立つのは当然ですが、2018年第4四半期(10〜12月)の決算で、デジタル広告が大半を占める「その他」部門の売上が、前年同期比で約2倍の34億ドルに達しています。

FacebookとGoogleは同期間にそれぞれ、約170億ドルと約400億ドルの売上を記録し、アマゾンの広告売上はこの2社に比べれば大きな数字ではありません。しかし、広告売上の成長率2倍という数字は注目に値します。

Amazonの広告市場への狙い

Amazonの狙いは、競合企業らの利用者数と広告売上を吸い上げることにあります。これまでSpotifyは広告つきのストリーミングで1億2000万人近い会員を獲得し、比較的速いペースで利用者を伸ばしてきました。Amazonの広告つき音楽ストリーミングは、Spotifyの無料サービスに影響を与えるでしょう。さらに有料サービスの利用者数、つまり、AppleやGoogleなどの音楽サービスにも影響を与えるのは明白といえます。

Amazon市場での囲い込み

これまでAmazonのMusic Unlimitedには、Echoデバイスでのみ利用できる割安のEchoプランが用意されてきましたが、月額利用料を払うなら、別のSpotifyなど他のサービスにしようと考えるユーザーもいました。

しかし、この広告付き無料音楽配信サービスがEchoを買ってすぐに利用できるとなれば、会員がSpotifyなどへ流れるのを防止できます。その上プライム登録やMusic Unlimitedへのアップグレードも期待ができる環境づくりにもなります。単に音楽を配信するのではなく、広告市場への台頭、そして自社への囲い込みまで考えられているのが、今回の隠された目的といえるでしょう。