顧客インサイトを導くCRMの本質。「推理力」で新たな購買動機を発見する
CRM(カスタマーリレーションシップ マネジメント)とは、単に顧客情報を管理するだけでなく、データをもとに購買動機を発見し、より高い価値を提供するための手法です。「CRMツール」を指すこともありますが、この記事では「手法としてのCRM」の取り組みについて解説します。
CRMによって整理した顧客データを分析すると、「顧客インサイト=顧客も気づいていない本音の購買動機」が発見できます。顧客インサイトからは、自社サービスを拡販するための新たな売り方や打ち出し方を見出すことが可能です。
この記事では、前回の記事で紹介したセグメント分析などの考え方を用いて顧客インサイトを見つけ、より高い価値を提供する方法を紹介します。隠れた動機を「推理」していくことで、「新たな購買動機」を発見し、顧客接点の強化につなげましょう。
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CRMの本質を改めて理解する
CRMから顧客インサイトを分析する具体的な方法を紹介する前に、まずはCRMとは本質的にどういうものかという点について改めて解説します。
経営コンサルタントとして経験を積み、現在は金沢工業大学虎ノ門大学院の教授としてマーケティングに関する講演など行っている三谷宏治氏の定義によると、CRMとは「すべての対顧客活動の基盤」となる概念です。
CRMはマーケティングやセールス、CSなどと並列に扱われるべき概念ではなく、それらの上位に位置する概念だと三谷氏は定義しています。各顧客接点で得られた情報を統合し、顧客インサイトを導くための取り組みが、CRMの本質的な意味合いです。
マーケティングやセールスなどの次に取り組む施策ではなく、各施策を通じて得られたデータをもとに購買動機を見出す取り組みとして、CRMが位置づけられます。
参考:What was/is CRM?(CRMとは何か?その本質と到達点)
CRMを実行する3つのステップ
CRMで顧客インサイトを推理するには、データを様々な視点から分析することが大切です。三谷氏はCRMに関するセッションの中で、CRMを実行し収益を高めるステップとして次の3つを挙げています。
・どの顧客LTVを狙うのか
・どんな価値を提供するのか
・どうやって価値を提供するのか
ここでは、上記の3つのステップに基づいて、顧客インサイトを探る方法を紹介します。
参考:What was/is CRM? (CRMとは何か?その本質と到達点)
どの顧客LTVを狙うのか
まずは、顧客ごとのLTVという視点から、顧客インサイトの分析を進めましょう。顧客ごとのLTVから有用な情報を得るためには、個客シェアという考え方が重要です。
個客シェアとは、市場全体ではなく、個々の顧客に対して自社商品が獲得できているシェアを指します。顧客が購入する商品のうち、どの程度の割合を自社が占めているかを分析すると、新たな購買動機を発見するヒントを得ることが可能です。
具体的な分析方法として、顧客規模(LTV)と個客シェアの2軸による分析が挙げられます。顧客ごとに、顧客規模と個客シェアの対応関係をグラフ上にプロットしてみましょう。
「LTVが大きい顧客ほど、個客シェアが小さい」といったパターンが見られた場合は、確認されたパターンからずれている顧客をより詳しく分析することが重要です。例えば、LTVが大きいにもかかわらず個客シェアも大きいという顧客が見つかれば、その顧客の購買動機を推理することが全体の個客シェアを底上げするヒントとなります。
また、顧客規模と個客シェアからは相関関係が見出せなかったとしても、個客シェアに差が生じている別の要因が見つかるかもしれません。例えば、商品の販売経路によって個客シェアに有意な差があれば、販売経路を見直す必要があるといった仮説を立てることが可能です。
どんな価値を提供するのか
CRMを自社商品の拡販につなげるためには、データをもとに顧客インサイトを探った上で、どのような価値を提供するか考える必要があります。
顧客に提供できる価値の種類は様々です。例えば、複数の機能を持つ商品やサービスを統合し、ワンストップで提供すると付加価値が高まります。
また、顧客が求めるタイミングに合わせてサービスを提供することや、個別のニーズに合わせて商品をカスタマイズするといった価値提供も可能です。
顧客インサイトを踏まえた上で、顧客のニーズや抱えている課題を解決するという視点に立つと、提供すべき価値が考えやすくなります。また、顧客に対するアンケート調査やヒアリングなどによっても、どのような価値を提供するべきかのヒントを得ることが可能です。
どうやって価値を提供するのか
続いて、どうやって価値を提供するかを考えていきましょう。マーケティングやセールス、サービスといった顧客接点ごとに考えると、価値提供の施策が立てやすくなります。
例えば、顧客が求めるタイミングに合わせて価値を提供したい場合、顧客の行動をトリガーとした施策が効果的です。自社のWebサイトの特定のページに繰り返し訪問した見込み顧客に対して、電話やチャットなどでアプローチを行い、課題解決のサポートをするなどの施策が考えられます。
価値を提供するために、何をすれば顧客接点がより強化できるか考えることが重要です。
「顧客軸」のビジネス設計を可能にするCRM
多くの企業では、ビジネスの戦略を組み立てる際に、どの商品がどれだけ売れたのかという「商品軸」で分析を進めます。しかし、商品にフォーカスした分析からは、顧客ごとの購買動機について仮説を立てることが困難です。
一方、どのような顧客に対して商品が売れたのかという「顧客軸」でデータを分析すると、顧客インサイトを推理するヒントが得られます。そして、「顧客軸」の分析を可能にするのがCRMの取り組みです。
顧客インサイトを分析した上で、提供すべき価値や顧客接点の強化施策を立案すると、戦略の陳腐化を避けられます。日々収集されるデータをもとに、「顧客軸」でビジネスを設計していきましょう。
顧客インサイトを分析することは、新たな鉱脈を発見すること
新たな顧客インサイトの発見は、市場を変えるほどの影響力を持つ場合もあります。例えば、従来は一部の写真愛好家向けツールであった「一眼レフ」を、お洒落に楽しむアイテムとして打ち出したことなどは、新たな購買動機の発見によって市場が拡大したケースの一つです。
日々のPDCAによる0.1%単位の改善と並行して、顧客インサイト分析による「新たな鉱脈」の発見という視点も取り入れていきましょう。
『ferret』の運営元、株式会社ベーシックが提供するBtoBマーケティングツール『ferret One』が過去に開催したイベントでは、株式会社LIFULLの柳沼寿茂氏をゲストにお招きし、顧客解像度を上げ9ヶ月でリード獲得数を6倍に成長させた方法やポイントについてお話しいただきました。
ぜひ、あわせて御覧ください。
顧客を知るにはセールスに聞け! デジタル化時代のマーケ組織の立ち上げ方 2021年3月18日回」開催レポート
BtoBマーケティングの成功メソッドがわかるferret Oneブログ「One Tip」より
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- CRM
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CS
- CSとはCustomer Satisfactionの略称で「顧客満足度」を意味します。顧客との関係維持、サービスの発展に関するマーケティング戦略に関わる用語です。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
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- セッション
- Googleアナリティクスは、ホームページに適切に組み込めばアクセス状況を把握できる便利なサービスです。Googleが無料で提供しており、日本でも大手企業や金融機関、政府など、その利用のシェアを広げています。そこで、もっとも基本的な単位がセッションです。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- LTV
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- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
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- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。