マーケとセールスの垣根を崩す！「社内留学」の効果とは

マーケティングとセールスの担当部署が分かれている企業では、部署間の連携に課題を感じている方も多いのではないでしょうか。

マニュアル作成・共有システムを提供する株式会社スタディストでは、部署間のコミュニケーションを活性化させるユニークな取り組みとして、他部署の業務を経験できる「社内留学」を実施しました。

社内留学を始めた背景や取り組んだ内容、得られた効果について、株式会社スタディスト執行役員COO／Teachme Biz事業本部長の千葉大輔氏、営業部の石野秋穂氏に伺いました。

目次

1. 「社内留学」とは？取り組みを開始した理由
2. 社内留学の具体的な取り組み
3. 社内留学を始めるにあたって注意したポイント
4. インサイドセールスからマーケへの社内留学の取り組みについて
5. 社内留学に取り組んだ結果
6. 社内留学はどんな企業におすすめ？

「社内留学」とは？取り組みを開始した理由

ferret：
御社が取り組まれた「社内留学」は、いつどのような経緯で始まったのでしょうか？

千葉：
2023年9月から2024年2月までの半年間で、実運用前のフィジビリティー（検証段階）として実施しました。実施の目的は、大きく2つ。組織の活性化と人材育成です。

部署間での横のコミュニケーションを活性化するため

千葉：
前提として、2027年の達成を掲げている大きな目標に向けて、組織や事業を活性化させていきたいという狙いがあります。

当社では、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの各部署で施策を行う「The Model（ザ・モデル）型」の体制で事業を行っています。各部署内での専門性は深まっていたものの、部署間での横のつながりはほとんどないという状態でした。

各部署のメンバーが、他部署の業務について理解することで、新しいアイデアや相乗効果を産み出せるのではないかと考えたことが、社内留学を始めた理由の1つです。

他部門の業務を経験できる機会を作るため

千葉：
2つ目の理由は、他部署での業務を通じてメンバーが成長できる機会を作るためです。
例えば、マーケティングの担当者がインサイドセールスの業務を経験することで、マーケティング施策により現実味を持たせることができるのではないかと考えました。

異動となると、その分のマーケティング部署のリソースをどう確保するかといった課題が出てきます。

そこで、まずは週に1日程度、全体の20%の工数でできる業務を経験できる機会があると良いのではないかと考え、社内留学を実施するという意思決定を行いました。

社内留学の具体的な取り組み

ferret：
社内留学を実施する部署や、参加するメンバーはどのようにして決めたのでしょうか？

社内留学の対象となる部署の選定基準

千葉：
社内留学を受け入れる部署は、「20%（週1日分）の工数で経験できる業務があるか」、「教育を行う工数を割けるか」の2点を基準に判断しました。
その結果、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセス、リーンソリューション（コンサルティングチーム）の4部門で社内留学の受け入れを決定しています。

社内留学するメンバーの選定方法

千葉：
今回はフィジビリティとして「まずはやってみる」という段階だったため、部門責任者によるメンバーの選定を行いました。社内留学によって成長が期待でき、メンバー自身にとっても良い経験ができそうな人を選定し、本人と面談した上で社内留学の意思があるメンバーを9名選んでいます。

社内留学したメンバー9名の所属部署と留学先部署

• マーケティング → カスタマーサクセス
• マーケティング → インサイドセールス
• フィールドセールス → カスタマーサクセス
• フィールドセールス → リーンソリューション事業部
• 人事 → インサイドセールス
• リーンソリューション事業部 → インサイドセールス
• カスタマーサクセス → マーケティング
• プロダクトデザイングループ → マーケティング
• インサイドセールス → マーケティング

社内留学を始めるにあたって注意したポイント

ferret：
社内留学を成功させるために、どのような点に注意したでしょうか？