2021年の流行語大賞にノミネートされて以来、企業や自治体が「推し活」をビジネスに活用する事例が増え続けています。特にライフスタイルに「推し活」が根付いているZ世代は看過できない存在です。

そんなZ世代を巻き込むための推し活ビジネス戦略について、推し活のビジネスアドバイザーとして活動している現役大学生の瀬町奈々美氏に伺いました。

プロフィール

瀬町 奈々美 氏
推し活ビジネスアドバイザー
推し活当事者の現役女子大生。大学では「メディア×ビジネス」に興味を持ち、吉本興業など多数の企業との企画を実現させる。2023年、著書『推し活経済:新しいマーケティングのかたち』を発売。現在は個人や企業へのビジネスアドバイスを行う他、幅広い世代に「推し活経済」に関する講演を行う。

目次

  1. 令和の「推し活」をあらわす3つのキーワード
  2. 自分らしさの表現としての「推し活」

令和の「推し活」をあらわす3つのキーワード

ferret:
Z世代の8割が何らかの推しがいるという統計もあるようですが、どうやったら多様な価値観を持つZ世代のファンを増やしてビジネスを加速させていけるのか、お話を伺っていきたいと思います。

これまでJpop、Kpop、アニメ、マンガ、ボーカロイドなど10年以上推し活をされてきた瀬町さんにとって、令和の「推し活」とはどのようなものでしょうか

瀬町:
令和の「推し活」は3つのキーワードで語れると思っています。
創造」「成長」「コミュニティ」──この3つによって経済そのものや人々の心の豊かさを生み出している。それが令和の「推し活」だと、私は定義づけています。

令和の「推し活」3つのキーワード

創造

まず「創造」についてご説明します
これまでのビジネスでは、企業がプロダクトを作って消費者が買うという関係で、作り手の企業のほうがどちらかというと優位……という構図がありました。

しかし、令和においては、消費者側の人たちが“第2のビジネス生産者”になりつつあると感じます。

“推し”への気持ちが昂じて広報のように応援したり、自発的に他の人たちへ広めようとしたり。対象への感情移入や熱狂度が高まると、転職や節約をして活動費を捻出することもあれば、コンテンツを作って世の中に発信することもあります。

情報が溢れかえっている今、消費者側の人たちが自主的に発信している情報の信頼度が高いことからも、ビジネスを作る側の人たちとパワーバランスが平等になってきている印象です。もっとも、「推し活×経済」という文脈の中では、消費者側の人たちの地位が上がってきています。

成長

次に「成長」について説明します

賃金が支払われるわけでもないのに、なぜ消費者側の人たちの間で企業への「創造」行為が自然に起こっているのか。その背景にあるのが成長していく姿を支えたいという思いです。

人々は自分が手を貸し、関わる















Z世代の推し構造


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