「日経クロストレンドBtoBマーケティング大賞2024」コンテンツ部門部門賞を受賞するなど、株式会社ミスミのYouTube戦略が注目されています。
機械部品の製造販売を手掛けるBtoBトップシェアの企業でありながら独自のコンテンツ制作を行っている同社の取り組みは、社内外で高く評価されています。
本記事では、ミスミがいかにしてYouTube動画を活用して顧客ニーズを満たし、売り上げ貢献したのか、その具体的な戦略と今後の展望を掘り下げます。

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五十嵐公俊 Masatoshi Igarashi
IDマーケティング推進室 GoToMarketチーム チーフディレクター

2009年より製造業に従事、工作機械メーカーで5軸マシニングセンタをユニークな手法で販売し最年少で東日本エリアの営業所長。2022年ミスミ入社後、メビーのマーケティングに従事。SNSやYouTube動画施策に演者として出演。SNSでは「5軸マ」の愛称で親しまれている。

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石塚直哉 Naoya Ishizuka
IDマーケティング推進室 GoToMarketチーム

大学卒業後、2020年にミスミに新卒入社。meviyのセールスに従事した後、2022年よりマーケティング推進室に自ら手を挙げ異動。現在はYoutubeをはじめとしたコンテンツ制作の企画/制作を統括。US/EUへのグローバルマーケティングにも挑戦中。

目次

  1. ウェビナーの参加者数減少と動画施策の検討
  2. 社内向けコンテンツで社内の支持を集めていった
  3. コンテンツのテイストの変化と成功
  4. 一番大事なのは、視聴者を楽しませること
  5. 日本のものづくりを世界に発信するプラットフォームを作りたい

ウェビナーの参加者数減少と動画施策の検討

ferretメディア:
2016年に誕生し、2020年から4年連続で国内シェアNo.1を獲得したミスミの機械部品調達のAIプラットフォームmeviy(メビー)」ですが、認知度向上や初回利用のコンバージョン率アップのため2022年からウェビナーを始めたものの、参加者数が次第に減少していったと伺いました。その背景にあった課題について詳しく教えていただけますでしょうか?

meviy Webサイト

石塚:
当初はウェビナーが新しい試みとして注目を集めていたので、参加者も順調に増えていました。ウェビナー自体は、新規顧客の認知を広げるためのツールとしては有効でしたが、時間が経つにつれて、参加者数が右肩下がりになり始めたんです。

当時は、他の多くの企業も同様にウェビナーを展開し始めていて、視聴者がどこを選ぶべきか迷うようになり……。だんだん参加意欲が薄れていく、いわゆる「ウェビナー疲れ」のムードが広がり始めたんです。

ferretメディア:
ウェビナー疲れは、最近のBtoBマーケティングでもよく聞かれる問題ですね。そこで、ウェビナーから新たな施策への転換を考え始めたのですね。

五十嵐:
最初は多くの企業にとってウェビナーは新鮮だったかと思います。ですが、コンバージョン率は高くないものの、認知度に対する実際の利用者数が思ったほど伸びていないことに気づいたのです。

費用対効果が合わないなど、さまざまな問題が顕在化し、ユーザーアンケートには「あとで見返したいのでアーカイブ配信してほしい」「動画なら社内に共有しやすい」「会議と時間が被ってライブだと視聴できない」といった声がちらほら。

石塚:
そこで、ウェビナーに代わる新しい取り組みとして、YouTubeでの動画施策に切り替えることを決断しました。
YouTubeにしたのは、動画というフォーマットが視覚的に分かりやすく、さらに視聴者が自分のペースでいつでもどこでも視聴できる点が、顧客に寄り添うと思ったからです。

社内向けコンテンツで社内の支持を集めていった

ferretメディア:
YouTube動画を作成する際、ミスミのような大企業では社内の賛同や理解を得るのは多くのステップをふまなければいけなさそうに見えます。具体的にどのようなプロセスでコンテンツ制作を進めていったのでしょうか。

五十嵐:
確かに最初は社内でYouTubeをマーケティングに活用することに対して、多少の懸念があったことは事実です。特にBtoBの分野では、YouTubeを積極的に活用する企業はまだ業界内でも少なく








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