もはや画像編集ソフトの代名詞ともいえる、Adobe Illustrator

多機能で様々なことができる反面、あまり使いこなせていないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、デザインのプロでもないノンデザイナーでも、いくつかの方法を学ぶだけで、アッという間にプロも驚く写真加工ができてしまいます。Illustratorにはもともと素晴らしい機能があるのに、使いこなせていないのはもったいない……。

そこで今回は、ノンデザイナーでも知っておきたい、Illustratorの基本操作と便利な小技を11個紹介していきます。

Illustratorをまだお持ちでない方は、Adobeのホームページで30日間無料体験ができる体験版をダウンロードできますので、ぜひそちらもあわせてご利用ください。
  

Illustratorの基本操作&便利な小技11選

1. 美しい曲線を描く

きれいな曲線を描こうと思うと、どのようにIllustratorを操作すればいいかわからない人も多いのではないでしょうか。Illustratorを使いこなすには、パスを思いどおりに使いこなすことが大切です。

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(1) 美しい曲線を描くには、ツールパネルから「ペンツール」を選択して「曲線を描きたい方向」にドラッグします。Shiftを押しながらクリックすると、0度の角度から45度刻みで直線を描くことができます。
(2) すると、アンカーポイントを中心に両側にハンドルが伸びます。
(3) 次に、「曲線の向きが変わる箇所」にマウスポインタを合わせます。
(4) 「曲線を描きたい方向」にドラッグします。
(5) この手順を繰り返すことで、波線を描くことができます。

  

2. アンカーポイントを追加・削除する

パスを扱う時に、アンカーポイントと呼ばれるパスを扱う点を追加したり削除したりする操作を覚えると便利です。

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アンカーポイントの追加
(1) アンカーポイントを追加するには、ツールパネルから「アンカーポイントの追加」ツールを選択します。
(2) アンカーポイントを追加したい箇所をクリックします。すると、アンカーポイントが追加されます。
(3) アンカーポイントをクリック・ドラッグすることで、パスを操作することができます。

アンカーポイントの削除
(4) アンカーポイントを削除するには、ツールパネルから「アンカーポイントの削除」ツールを選択します。
(5) アンカーポイントを削除したい箇所をクリックします。すると、アンカーポイントが削除されます。

  

3. コーナーポイントとスムーズポイントを入れ替える

Illustratorのオブジェクトにはハンドルを持たない*「コーナーポイント」とハンドルを持つ「スムーズポイント」*の2種類のアンカーポイントがあります。これを入れ替えるにはどうすればいいでしょうか。

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(1) コーナーポイントとスムーズポイントを切り替えるには、ツールパネルから「アンカーポイントツール」を選択します。
(2) 切り替えたいポイントをクリックすることで、ポイントが変わります。(図2の赤い点部分をクリックしました)
(3) コーナーポイントをスムーズポイントに切り替えた時には、そのままドラッグをすることでハンドルが伸び、変形を行うことができます。

  

4. アンカーポイントを連結する

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離れた端点を連結する
(1) 離れた端点を連結するには、選択ツールでオブジェクトを選択します。
(2) メニューから、「オブジェクト」→「パス」→「連結」を選択します。
(3) すると、離れたパスの端点が連結されて閉じ、クローズパスになります。

2つのオブジェクトを連結する
(4) ツールパネルから「ダイレクト選択」ツールを選択します。
(5) 連結する端点から、繋げたいもう一つの端点にドラッグします。
(6) 両方の端点をつなぎ合わせることで、2つのオブジェクトが1つに結合されます。

  

5. グリッドを描く

方眼ノートのようなグリッドを描きたい時には、どうすればよいのでしょうか。
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(1) ツールパネルから「長方形グリッド」を選択します。
(2) そのままドラッグすると、グリッドを描くことができます。Shiftを押しながらドラッグすることで、グリッドを正方形にすることが可能です。
(3) ドラッグせずにクリックすると、「ツールオプション」ダイアログが表示されます。各項目を設定して「OK」を押すことで、設定内容に応じたグリッドが描画されます。
(4) 同様に、「同心円グリッド」を選択することで、図のような同心円を描くことができます。

  

6. グラフを作成する

Illustratorでベクターデータの美しいグラフを作成するには、どのようにすればいいのでしょうか。
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グラフを作成するには、グラフツールを使用します。
グラフの種類は全部で9種類あり、作成したグラフは後から簡単に変更することができます。

(1) ツールパネルからグラフツールを選択します。ここでは「棒グラフツール」を選択してみましょう。
(2) 幅と高さを任意の値に変更します。
(3) 「グラフデータ」ウィンドウにデータを入力します。1行目と1列目に文字列を入力することで、グラフにラベルを付けることもできます。
(4) 指定した範囲に棒グラフが作成されます。
(5) グラフ作成後にグラフの種類を変更するには、メニューから「オブジェクト」→「グラフ」→「設定」を選択し、「グラフ設定ウィンドウ」を開いて再設定します。

  

7. オブジェクトの形や色をブレンドする

色や形の異なるオブジェクトを結合・ブレンドしてみましょう。
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(1) 異なるオブジェクトをブレンドするには、ツールパネルから「ブレンド」ツールを選択します。
(2) 2つのオブジェクトを順番にクリックします。
(3) すると、2つのオブジェクトの形や色が混ざり合い、グラデーションのようにつながります。
(4) 2つのオブジェクト間のオブジェクトの数を変更するには、「ブレンド」ツールをダブルクリックしてオプションダイアログを表示します。間隔を「ステップ数」に変更し、数字を任意の数に設定します。
(5) このようにすると、中間のオブジェクトが任意の数になります。

  

8. オブジェクトを隙間なく配置する

オブジェクトを隙間なくぴったりと配置する方法を確認しましょう。
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(1) メニューから「表示」→「ポイントにスナップ」を選択して、この機能をオンにします。(デフォルトではオンになっています)
(2) ここでは、図のようにオブジェクトの角と角をぴったりと合わせていきます。選択ツールでアンカーポイント上にマウスポインタを合わせ、右下に白い四角が表示されたのを確認して、オブジェクトをドラッグします。
(3) この状態でマウスを離すと隙間なくオブジェクトを配置することができます。

  

9. 背面にあるオブジェクトで型抜きする

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(1) 前面・背面に配置するパスオブジェクトを用意します。
(2) 前面に型として使用するパスオブジェクトを背面のオブジェクトの上に配置します。
(3) メニューから「オブジェクト」→「パス」→「背面のオブジェクトを分割」を選択します。
(4) すると、前面に配置したオブジェクトの型どおりに背面のオブジェクトに分割が適用されます。
(5) 型の内側を選択して移動させると、型どおりに分割されたことが分かります。

  

10. オブジェクトをランダムな形状にする

オブジェクトをユニークな形に変形してみましょう。
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(1) 対象となるオブジェクトを選択し、メニューから「効果」→「パスの変形」→「ランダム・ひねり」をクリックします。
(2) オプションウィンドウで任意の設定に変更します。
(3) 「OK」ボタンを押すと、「ランダム・ひねり」が適用されて、外観をひねったような形状に変化します。その後に着色を行うこともできます。

  

11. オブジェクトをアナログポップ調にする

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(1) 対象となるオブジェクトを選択し、メニューから「効果」→「ピクセレート」→「カラーハーフトーン」をクリックします。
(2) オプションウィンドウで任意の設定に変更します。
(3) 「OK」ボタンを押すと、「カラーハーフトーン」が適用されて、ポップな感じに変化します。