メンタリングを実施する上でメンターが気をつけるべきポイント

次に、メンタリングを実施する上でメンターが気をつけるべきポイントについてご紹介します。メンタリングの目的である「メンティーの自発的な成長」を促すため、実施する際はぜひ参考にしてみてください。

1. 自身の知識や経験を押し付けない

1つ目のポイントは、メンターは自分自身の知識や経験をもとにメンタリングを行う際、決してメンティーにその方法を一方的に押し付けてはならないことです。押し付けはメンティーの自発性を損ねてしまう恐れがあるためです。

メンターは、メンティーとの対話から見えた強みをもとに、適していると感じたらアドバイスを行うことが大切です。

参考:
メンターとは?|国際メンタリング&コーチングセンター

2.メンティーの「価値観」など心的な側面を踏まえてアドバイスを行う

メンタリングは、仕事の枠を超えた関係性の構築が重要です。とはいえ、いままで仕事でしかコミュニケーションを取っていなかった方であれば、「なにを話せばよいのかわからない…」と感じることもあるでしょう。

そこで大切なのが、「価値観」など、人生を通して持っている考え方を踏まえたアドバイスを行うことです。メンティーはどういった経緯でいまの仕事に就いたのか、そのキッカケはどこにあるのか、学生時代の話などを聞いてみるのが良いでしょう。

参考:
「メンタリング」とは? - 『日本の人事部』

3.メンターも「弱み」を出し、“対等なコミュニケーション”を行う

メンタリングは「メンター(支援者)」と「メンティー(被支援者)」という関係であることから上下関係であると認識してしまうこともあるでしょう。しかし、お互いが「上下関係」という認識のもとコミュニケーションを取ることで、本来引き出せたはずの能力が引き出せない可能性があります。

お互いが「なんでも話せる」関係性を作るために、メンター自身もアドバイスだけでなく自身の弱みを出すなど、対等なコミュニケーションを行うのが良いでしょう。

参考:
本人も知らない部下のポテンシャルを引き出す「メンター上司」の対話術 | 未来を変えるプロジェクト by DODA

まとめ

「メンタリング」は、部下の成長支援やキャリアを支援など「組織で成果を出す」ための役割はもちろん、従業員の精神的な支えやモチベーションアップなどの役割もあります。

通常の業務研修と異なり、「絶対的な正解」は無いため、対話するメンティとの関わりの中から、能力を引き出しコミュニケーションを行うのがポイントです。一方で、個々のコミュニケーションを重視するため、メンターの負担が大きくなるのも事実です。また、人間関係の相性もあるため、必ずしも全てのメンタリングが成功するわけではありません。

部下との関わり方に悩むマネージャーであれば、それらを踏まえた上でメンタリングを実施してみてはいかがでしょうか。