データはあるものの「どう分析すればいいかわからない」「解決に結びつけられない」という経験があるマーケターは多いのではないでしょうか。この記事では、そうした悩みを解決するべく、データ分析に重要な「仮説問いの作り方について、データサイエンティストの松本 健太郎氏に伺います。

プロフィール

松本 健太郎 氏
1984年生まれ。龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で“学び直し"。その後、デジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は事業会社でマーケティング全般を担当している。主な著書に『人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学』『データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい』(以上、毎日新聞出版)、『なぜ「つい買ってしまう」のか?〜「人を動かす隠れた心理」の見つけ方〜』『誤解だらけの人工知能』(以上、光文社)、『データから真実を読み解くスキル』(日経BP)など。

松本氏が2022年6月に発売した書籍『データ分析力を育てる教室』から、そのヒントを紐解きます。

データ分析とは「仮説をつくり、仮説を裏付ける作業」

ferret :
「データ分析」とはそもそも、どんな意味を持つものなのでしょうか?

松本 :
わたしは長い間、「データ分析」=「仮説検証」だと思っていました。でもある時、それは狭過ぎる定義だと気づきました。

仮説をつくり、仮説を裏付ける作業がデータ分析だとわかりました。閃いたキッカケは『データ分析力を育てる教室』の冒頭で紹介しています。

データ分析は、問題、問い、仮説、データ収集、証明、結論、意思決定というプロセスをたどります。何か「問題」があり、それを解決するために何がわかればよいのか、という「問いを立てることが最も重要です。

データ分析のプロセス.png
引用:松本健太郎著(2022)「データ分析力を育てる教室」(マイナビ出版 )

ferret :
なぜ「問い」が最も重要なのでしょうか。

松本 :
「問い」は、データ分析におけるすべての入口であり、入口を間違えると正解にはたどり着けないからです。「問い」に対する「仮説」を立て、仮説を検証するために「データ収集」し「証明」して「結論」を導き、最後に「意思決定」を下します。

したがって、データ分析は意思決定を下すために行うものだと考えています。意思決定を下すにあたって、何が問題かが問われます。意思決定を下すためにどんな「問い」を立てるべきかを間違えると、その後の工程がいくら正しくても「間違った問題を正しく解く」ことになるので、意味ありません。

「問い」を間違えると、全部間違えてしまいます。