デザインの世界において、は重要な役割を担います。
どのような色使いをするかで、ブランドイメージは大きく左右されます。

今回は、Webデザインにおける色使いについて知っておきたい3つの事実をご紹介します。
単なるデザイン的な要素としての色彩だけでなく、心理学的なアプローチとして知っておいて損はないポイントをおさえていきましょう。

1.男女の性別・年齢層によって色の好みは変わる

艶やかな雰囲気を演出したいから、ここでは「紫」を使おう ── そんな風にイメージから使う色を決めている場合には、一つ知っておいてほしい事実があります。

それは、男女の性別差や、年齢層によって、好みの色が変わってくるということです。

Most Liked Colors
男女の好み / 画像引用元:Joe Hallock

色彩心理学者のジョー・ハロック教授によれば、色の好みを選んだ場合、性差によって好みが変わるという違いがあることが明らかになっています。

例えば、青色については男女ともに好みとして選ばれやすい色である一方で、オレンジや茶色は好きではない色として選ばれるという点では共通しています。
一方で、紫色のように女性には好まれるのに男性には好まれにくい色もあります。

また、世代によっても好みの色は変わっています
例えば、黄色は多くの子供が大好きな色ですが、大人になるに従って黄色は幼稚な色に感じ、身に付けるのを避ける傾向にあります。
一般的に、若いほど色調の波が高い色(赤・オレンジ・黄色)を好み、年を重ねるごとに色調の波が低い色(青・緑・紫)などを好むようになります。

このように、ライフステージや所属する社会集団、性別などによって、好みの色が大きく変わってくることが分かります。
Webデザインでは、ターゲティングによって、「誰のためのホームページか?」を意識してカラーパレットを作成する必要があるでしょう。

2.色の使い方はプロダクトサービスによって異なる

コマースサイトでは、購入を決定する前に、多くの人がそのプロダクトやサイトの色の雰囲気から購入を決定しています。

例えば、ロレックスとG-SHOCKに期待する価値を考えてみましょう。

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スクリーンショット:2017年10月

ロレックスの場合、最高品質の原料を表す光沢感や、ゴールドやシルバー、ローズゴールドといった高級感あふれる色合いが、ブランドイメージを高めるために重要な要素となっています。
そのため、白背景を基調として、高級感を演出しています。

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スクリーンショット:2017年10月

一方、G-SHOCKの場合、耐久性と強烈な存在感をが重要になるため、プロダクトカラーやホームページの背景は、黒が中心になっています。

まったく同じジャンルのプロダクトであっても、ユーザーのパーソナリティを考えた時に、ベストな色使いは異なっていきます。
G-SHOCKの大胆な黒の色使いが、かえって来訪者の視線を惹きつけ、プロフェッショナルというよりはクールさを身に付けたい若い人を中心に心を掴むことに成功しています。

3.人はプロダクトを色のイメージで記憶する

プロダクトデザインの要諦は、カスタマーにそのよさを理解されやすいようにするだけでなく、カスタマーに認識されやすくすることにあります。

実際、アメリカのローランド・ホール氏が提唱した「AIDMAの法則」によれば、注意喚起をして、興味を持ってもらわなければ、そもそも購買行動には至らないという事実が示されています。
高価なものでも売れることもあれば、安いからと言って売れないのは、この事実が存在するからです。

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しかし、AIDMAの法則では注意喚起にばかり視点が移ってしまいがちですが、肝心なのはM=「記憶」の部分です。

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LOFTと言えば「黄色の看板」のように、イメージしやすい色がある / スクリーンショット:2017年10月

例えば、あるダイエット食品を知らない消費者に呼びかけ注意を引き知ってもらい(Attention)、その商品に興味を持てば関心の段階(Interest)へ進み、使ってみたいなと思えば欲求段階(Desire)に進みます。
ところが、通常はすぐに購買活動に至らない場合のほうが多いものです。

その時の欲求が強ければ強いほど記憶されていきますが(Memory)、あるとき買い物に行った時やインターネットでその商品を見つけた時になどにその記憶が甦るというトリガーがあってはじめて、その商品を購入するという行動(Action)に至るのです。


その記憶を焼き付けるのに効果的なのが、色彩です。
商品名や商品の形などを忘れていても、何色だったかは覚えやすいものです。

ブランドカラーはそのブランドを認識してもらうために重要な色なので、特に重要です。
あまり多くの色を使いすぎると、かえってブランドカラーを認識してもらいにくくなってしまうので、注意しましょう。

まとめ

単にユーザーが好きそうだからという理由で色使いを決めていくのではなく、これらの事実を考慮することで、さらに効果的なカラーパレットを作成することができるようになるでしょう。

色彩を操るのは一朝一夕ではうまくいきませんが、色彩の心理学的アプローチを利用してWebデザインに取り組んでみましょう。