文筆業だけでなく、マーケティングや販促の場でも宣伝広告記事を執筆するための文章作成は必要です。しかし、文章の素人が顧客の心へ訴えかける文を作成するのは難しいもの。

そこで今、文章作成をサポートしてくれるAIツールが続々と登場し、素人でもプロが書いたようなクオリティを実現することが可能になっています。

目次

  1. 文章のプロ・朝日新聞社がAI校正ツールを提供
  2. AIの力でSEOコンテンツも適切に修正
  3. 無料で使えるAI校正ツールも

文章のプロ・朝日新聞社がAI校正ツールを提供

Typoless」は朝日新聞社が提供する文章校正AIツール。これまでは独立したソフトとしての利用しかできませんでしたが、2024年7月からはMicrosoft Wordのアドインとして使えるようアップデートされ、文章作成中にリアルタイムでの校正が可能になりました。

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出典:朝日新聞社の文章校正AI「Typoless(タイポレス)」に新機能

「Typoless」は朝日新聞社の過去40年間の記事データ、そして校正・校閲のプロが厳選した膨大な校正履歴をAIに学習させています。さらに編集者やライター、企業の広報担当者などに幅広く活用されている『朝日新聞の用語の手引』から、約10万を超える新聞社の校正ルールを反映。そのため見逃しがちな文法の誤りや誤字脱字、誤変換などを見逃さず、誤りやすい日本語や漢字、慣用句、専門用語などの修正候補も文脈を理解して的確に提示します。

ダイバーシティーに配慮した言葉も辞書登録されているため、例えば「看護婦→看護師」のように現代だからこそ気をつけたい表現も教えてくれる機能も。もちろんユーザーが自由に設定できる機能もあり、「カスタム辞書機能」では社内表記ルールなど独自の用語集やルールを登録可能です。

5月には、文章を整えて読みやすくしてくれる「良文サポート機能」も搭載。半角カナや読点の数、助詞の連続など18項目をチェックします。ほかにも、偏見や差別的な表現が含まれていないかをチェックする「炎上リスクチェッカー」でリスクを回避できるなど、幅広い業種で役立つ文章校正ツールです。

AIの力でSEOコンテンツも適切に修正

PXC株式会社が提供するAIコンテンツ生成サービス「AMAIZIN」では、2024年7月に新機能として「AI編集機能」が追加されました。

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出典:AIによるコンテンツ生成サービス「AMAIZIN(アメイジン)」、AI編集機能(β版)をリリース-プロ編集者の技をワンクリックで再現し記事品質を向上

「AMAIZIN」はAIが高品質なSEO記事を自動生成してくれるサービスですが、AIが生成した記事にはまだ説明不足な点や不自然な表現が残るケースもあります。そのため、これまではAIが生成した記事を編集者がチェックし、ライターが修正するなどの手間が必要でした。

今回追加された「AI編集機能」は、ユーザーが編集したい文章を選択して「具体例の追加」など9つの修正指示から選ぶと、AIが指示に基づいて数秒で3つの修正案を提示します。その中から1つを選んで文章へ挿入するだけで修正が完了するため、文章修正にかかる工数の大幅な短縮が可能。AIはSEOコンテンツ作成の現場で行われたプロ編集者の指摘データを分析し学習しているため、編集者が望む適切な修正候補を提示できます。

無料で使えるAI校正ツールも

「Typoless」や「AMAIZIN」のような有料のAI文章校正ツールはほかにもありますが、無料のツールも進化しています。株式会社ユーザーローカルは2023年12月より、ChatGPTとルールベースによる「文章校正AI」の無料提供を開始しました。

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出典:ユーザーローカル、ChatGPTとルールベースによる「文章校正AI」を無料提供

「てにをは」などの助詞の誤用や文法上の誤りを訂正するだけでなく、「ら抜き言葉」や誤用表現を適切に修正。さらに、受動態の表現を主体・客体関係がわかりやすくなるよう能動態に言い換えるなど、より簡潔でわかりやすい表現の修正案を提示してくれるため、誰もがすっきりとした「プロの文章」を作成可能です。文章をペーストするだけで校正できる手軽さも、作業効率の向上に役立つでしょう。

これまでは執筆や編集の経験がなければ難しかった、マーケティング・販促の場での文章作成。しかし近年では、AIの活用で誰にでもプロのような文章が作成できるようになりました。また、文法上の誤りや誤字などを指摘してくれるだけでなく、SEO記事マーケティングに必要なコンテンツ生成ができるツールも登場しています。文章校正AIで執筆や編集にかかる時間と手間を大幅に短縮できれば、本来の業務へ注力し成果を出すことが可能になるのではないでしょうか。