2019年4月11日、米国でサブスクリプションビジネス支援事業を行うZuoraが、サブスプリクション・エコノミー・インデックス(以下SEI)の最新版を発表しました。

サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)とは、サブスクリプション・ビジネスの収益化のためのプラットフォームを提供しているZuoraが、その蓄積されたデータを使い、サブスクリプション・ビジネスの成長データをまとめたものです。

SEI企業は好調傾向、SEIは幅広い経済トレンドの主要指標

北米・欧州・アジア太平洋地域におけるこの調査の対象企業では、収益成長率がこの7年で300%を超え、サブスクリプション・ビジネスの好調傾向があきらかになりました。この成長率はS&P 500企業および米国小売業のおよそ5倍となっています。

また、GDP成長率と比較した場合、SEI成長率は米国経済に1四半期先行して、連動して上下変動していました。ここからもSEIは幅広い経済トレンドの主要指標であることがわかります。

SEI企業の成長は、サブスクリプションを使う新規ユーザー(サブスクライバー)獲得によるもの

2018年の平均サブスクライバー増加率は14%で、2017年の11.7%より向上していることがわかりました。
しかし、料金の値上げ幅を抑えてサブスクライバーを獲得していたため、1アカウントあたりの平均収益の増加率は抑えられており、2017年は11.3%でしたが、2018年は8%となっています。

今回の調査から分かるSEI企業の成長は、新規サブスクライバー獲得によるところが大きいことがわかります。

BtoCのサブスクリプション企業の平均解約率が改善

2016年に、BtoCのサブスクリプション企業の平均解約率は、30%を超えました。
BtoCサブスクリプション企業の場合、解約をされずに継続的に購入してもらうことが、業績を上げるポイントになります。

2017年以降は改善をみせ、平均解約率は24%にまで向上しました。
この数字は、比較的継続されやすいBtoB(企業が企業にモノを売る)型サブスクリプション企業における解約率(28%)よりも下回った数字です。

SEI企業の成長率は欧州・中東・アフリカ地域が好調。

過去33ヶ月間におけるサブスクリプション企業の地域別年成長率は、アジア太平洋地域が16%、北米が21.6%となりました。欧州・中東・アフリカ地域が最も好調で、25.6%を記録しています。

SaaS・loTおよびテレコミュニケーション分野でも好調

2015年と2016年の最も成長率が高い分野はSaaS(サービス型ソフトウェア)でした。
2017年中盤には、loT(モノのインターネット)分野が上回るようになりました。その他にもテレコミュニケーション分野が好調傾向にあります。

確立しつつあるサブスクリプションサービス

サブスクリプションサービスは今や経済トレンドの主要指標となり、独自のビジネスモデルが形成されています。

解約率を抑えつつ、いかにサブスクライバーを獲得できるかが、今後のポイントとなっていくでしょう。