ビジネスの観点からYoutubeやInstagramなどのSNSを見ると、「インフルエンサー」は気になる存在です。そのインフルエンサーについてUUUM(ウーム)株式会社と株式会社電通は「生活者のインフルエンサー受容性調査」を共同で実施しました。

調査の対象は、購入時の情報入手パターンごとに、一般層・SNS影響層・インフルエンサー影響層の3種類に分類し、分析を行いました。

その結果、インフルエンサーは生活者にとって信望性のある「新しい情報ポジション」として受け止められていることが浮き彫りになりました。

参考:
UUUM、株式会社電通と共同で「生活者のインフルエンサー受容性調査」を実施 〜インフルエンサーは「信望性」に立脚し、新たな情報ポジションを形成〜

信頼性と信望性の2つの軸

今回の調査は、「信頼性」と「信望性」という2つの軸で進められました。「信頼性」とは社会的な信用、伝統といったリソースを裏付けとするもの、「信望性」とはパーソナルな親しみ、好感、共感性を意味しています。

インフルエンサー影響層において、「信頼性」の指標は、テレビ、新聞といった伝統メディアが高くなっており、有名ポータルサイトも高い位置づけとなります。動画クリエイターは信頼性が54.7%、信望性が66.1%、Instagramクリエイターは信頼性が55.1%、信望性が68.5%となりました。

インフルエンサーは信頼性に加え、他のメディアや情報源と比較して信望性が高いスコアとなっており、特異的なポジションです。また、信頼性と信望性は対立する指標ではなく、信望性の高いインフルエンサーも、信頼性の高いマスメディアに露出することで、より自身の信頼性を高めるといったサイクルが指摘されています。

インフルエンサーの信望性は「個」によって担保されている

調査結果から見えてきたインフルエンサーの信望性とは、インフルエンサーが個としての発信を全うできているかどうかがポイントとなりました。一般層で51.9%、SNS影響層で56.8%、インフルエンサー影響層で71.1%が、動画クリエイターについて、「本音で発言している」ことが信頼性を高めると回答しています。

また「純粋に楽しんでいる」ことが信頼性を高めると考えるのは、一般層で39.1%、SNS影響層で36.0%、インフルエンサー影響層で50.0%となっています。同様に、Instagramクリエイターについて、「本音で発言している」ことが信望性を高めると回答した人の割合は、一般層で42.9%、SNS影響層で44.6%、インフルエンサー影響層で50.0%となりました。

SNS普及後の生活者は、「親和性」を重視

生活者の購買プロセスでは、商品・サービスの比較だけでなく、その商品・サービスが本当に自分に合っていると納得するための「親和性」も重要です。

購買プロセスの中で、商品を買う決め手になる意識の変容として「その商品が自分に合うと感じた」を挙げたのは、一般層で33.9%、SNS影響層で38.0%、インフルエンサー影響層で44.0%でした。

その中でもインフルエンサー影響層は比較・納得のフェーズで自分に合うかどうかという親和性を重視しています。加えて影響があるのがインフルエンサーの情報発信です。この結果から、SNS影響層とインフルエンサー影響層は、必ずしもインフルエンサーの推奨で衝動買いするようなことはなく、「自分に合うか」という基準を大事にしながら丁寧に比較検討していることが推察されます。