日本の広告費の予測

日本の2018年の広告費成長率(実績)は、前回予測の0.2%から2.2%へと大幅に上昇しました。その理由として、想定を上回るペースで伸長したデジタルの運用型広告、マス4媒体社が提供するデジタル広告を追加したことが挙げられます。

デジタル広告は運用型広告を中心に引き続き二桁成長(14.5%)する見通しです。とりわけモバイル(21.2%)、オンライン動画(29.2%)、マス4媒体社が提供するデジタル広告が成長を牽引する見込みです。そのため、2019年は、2018年実績を基準に前回予測の0.6%から上方修正し、1.2%で堅調に成長すると予測されています。また、2020年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等があるため、成長率は2019年を上回る1.8%と予測されています。

世界的な広告費の流れ

世界の広告費成長率は冒頭で述べたように3.6%(前回予測は3.8%)、広告費は6,099億ドルに達すると予測しています。不透明な経済状況が及ぼす消費活動への影響と中国、ロシア等における成長減速はあるものの、インド、ブラジル、英国、カナダ等は高成長率で好調を続けており、全般的には引き続き安定した成長が見込まれます。

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画像引用:http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0613-009834.html

デジタルが引き続き二桁成長で広告市場全体の成長を牽引

広告市場の成長を牽引するのがデジタル広告です。デジタル広告の2019年の成長率は11.5%と予測されています。モバイル経由の広告の成長率は21.4%で、2020年には総広告費に占めるモバイル経由の割合が3分の1に迫る勢いです。

デジタル広告シェアは、2019年に4割を超え、2020年には45%に迫る見通しにもなっています。主たる要因はオンライン動画広告ソーシャルメディア広告の成長です。デバイスとしてはモバイルの成長率が21.4%と大きく、デジタル広告市場の成長に貢献しています。

デジタル広告以外は伸び悩み

媒体別では、世界各地で引き続きデジタルが広告市場の成長を牽引しているのは前述した通りですが。そのほかの媒体をみると新聞が成長率で-7.7%、雑誌が-7.4%、テレビが-0.1%と厳しい状況が続くきます。これまでの主要メディアは厳しい状況に置かれると見て良いでしょう。しかし、伸びる媒体もあり屋外/交通広告は4.3%、ラジオは1.7%の成長が見込まれています。このような傾向は2020年も続く見通しですが、テレビは0.6%に回復すると予測されています。これらのメディア以外にも音声メディアへの広告出稿などが考えられ、これからの広告成長率にも影響を与えそうな要因はあります。それらのシグナルを見逃さず、マーケティングを行っていく必要があるでしょう。