米国や英国などではポッドキャスト市場が急速に拡大しています。2018年、米国の広告出稿主はPodcast広告に対し、前年同期の3億1,400万ドルから53%増となる史上最高額、4億7,900万ドルを費やしたとされ、それが2021年までに10億ドルを超えると予測されています。日本でも、Voicyなどの音声配信サービスがシェアを広げています。立ち上げからわずか3年で累計利用者数250万人を突破するなど、ポッドキャストがいま注目を浴び、そこに広告費も流入が始まっています。

参考:
IAB FY 2018 Podcast Ad Revenue Study A detailed Analysis of the US Podcast Advertising Industry June 2019

ポッドキャストの視聴経験は過半数超え

オンライン広告の動向調査や法整備を行うIAB 社と、会計監査、ビジネスコンサルティングなどを総合的に手掛けるPwC社の調査によると、ポッドキャストを聞いたことがあるという12歳以上の米国人は51%となっており、その内の22%は一週間以内に聞いたとの回答を公表しました。そして、リスナーのうち78%は、ブランドによるスポンサーシップは気にしないと答えています。多数のコンテンツを目ではなく耳から受け取り、かつ「ながら」聴きができるポットキャストはこれからのデジタル時代にもマッチしていくと考えられます。

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画像引用:https://www.iab.com/wp-content/uploads/2019/06/Full-Year-2018-IAB-Podcast-Ad-Rev-Study_6.03.19_vFinal.pdf

ポッドキャストの優位性

ポッドキャストは、スマートスピーカーや自動車に組み込まれたオーディオ優先のテクノロジーと組み合わせられます。それによって何百万人もの潜在的な顧客に向けたマーケティングプラットフォームとして機能すると広告主には認識され始めているのです。

また、ダイレクトレスポンス広告の割合が、2016年の73%に対し、昨年は51.6%まで減少しているのはある理由があります。この減少時期は、ブランデッドコンテンツキャンペーンや、ブランド認知度向上を目的とする広告が出現した時期と一致しているのです。ポッドキャストは、コードやURLによるトラッキングを必要としないキャンペーンでは、より効果的な広告媒体といえます。

コンバージョンよりも露出量

2018年においては、1,000視聴あたりの広告費設定が依然として主要な価格モデルです。ここからわかることはコンバージョン1件あたりの広告費設定よりも露出量が重要であることです。そして、広告収入の半分以上は、消費者に対して直接商品やサービスを販売するD2C(Direct to Consumer)小売業者(22%)が1位となっています。次いで金融サービスプロバイダー(21%)、そして企業対企業で取引が行われるB2B(Business to Business)(14%)の広告バイヤーからのものとなっており、個人ユーザーに向けての広告が多く流されていることがわかります。