日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」を発表した。全国 216,325 票の応募の結果、今年の世相を表す漢字は元号にちなんだ「令」となった。

ferret_日本漢字能力検定協会.png出典:公益財団法人 日本漢字能力検定協会

2位は「新」、3位は「和」、4位は「変」、5位は「災」、6位は「嵐」、7位は「水」、8位は「風」、9位は「天」、10位は「税」と続いた。

過去の「今年の漢字®」と選定理由

1995年 「震」

阪神・淡路大震災や、オウム真理教事件、金融機関の崩壊などに「震えた」年。

1996年 「食」

O157食中毒事件や狂牛病の発生、税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発。

1997年 「倒」

金融機関など経営破たんの続出。
サッカー日本代表が並み居る強豪を倒してFIFAワールドカップ初出場決定。

1998年 「毒」

和歌山のカレー毒物混入事件や猛毒ダイオキシン、環境ホルモンなどが社会問題に。

1999年 「末」

世紀末。東海村の臨界事故や警察の不祥事など信じられない事件が続発して、「世も末」と実感。

2000年 「金」

シドニーオリンピックでの日本人選手の金メダル獲得や、南北朝鮮統一の実現に向けた“金・金”首脳会談など。

2001年 「戦」

米国同時多発テロ事件で世界情勢が一変し、対テロ戦争、炭疽菌との戦い、世界的な不況との戦いなど。

2002年 「帰」

日本経済がバブル前の水準に「帰り」、昔の歌がリバイバルされ大ヒット。
北朝鮮に拉致された5人が24年ぶりに帰国。

2003年 「虎」

阪神タイガース18年ぶりのリーグ優勝、「虎の尾を踏む」ようなイラク派遣問題など。

2004年 「災」

台風や地震などの記録的な天災や、イラクでの人質殺害や子どもの殺人事件など、人災が多発。

2005年 「愛」

紀宮様のご成婚、「愛・地球博」の開催、各界で「アイちゃん」の愛称の女性が大活躍。
残忍な少年犯罪など愛の足りない事件が多発したこと。

2006年 「命」

悠仁様のご誕生に日本中が祝福ムードに包まれた一方、いじめによる子どもの自殺、虐待、飲酒運転事故など、痛ましい事件が多発。ひとつしかない「命」の大切さを痛感した年。

2007年 「偽」

身近な食品から政界、スポーツ選手にまで次々と「偽」が発覚して、何を信じたら良いのか、わからなくなった。

2008年 「変」

日米の政界に起こった変化や世界的な金融情勢の変動、食の安全性に対する意識の変化、物価の上昇による生活の変化、世界的規模の気候異変など様々な変化を感じた年。

2009年 「新」

政権が交代し新内閣が発足、アメリカでも新大統領が就任、スポーツ界ではイチロー選手とボルト選手の新記録、裁判員制度やエコポイント制度などの新しい制度も始まった。

2010年 「暑」

猛暑日の連続で熱中症にかかる人が続出、地球温暖化の警鐘を感じた。チリ鉱山事故による暑い地中からの作業員生還や、大気圏突入時の猛烈な暑さに耐えた「はやぶさ」の帰還に未来への希望を得た年。

2011年 「絆」

東日本大震災など大規模災害の体験から、身近な人との絆の大切さを再確認した年。ソーシャルメディアを通じて新たな人との絆が生まれ、なでしこジャパンチームの絆には日本中が勇気付けられた。

2012年 「金」

金環日食や金星観測など天文現象の当たり年、ロンドンオリンピックでは日本史上最多のメダル獲得、ノーベル賞の受賞など数多くの金字塔が打ち立てられた年。

2013年 「輪」

2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催、富士山の世界文化遺産登録が決まり、日本中が輪になって歓喜にわいた。また自然災害で多くの支援の輪が広がった。

2014年 「税」

消費税率が17年ぶりに引き上げられ「税」について考えさせられた年。日常生活に欠かせない消費財の買いだめや高額商品の駆け込み消費が増加。公共料金も実質値上がりし、国民生活に大きく影響を与えた年。

2015年 「安」

戦後70年の節目の年に安全保障関連法案の採決を巡り、国論が二分した。世界でテロ事件や異常気象が発生。建築偽装問題やメーカーの不正が発覚するなど暮らしの安全が揺らいだ。

2016年 「金」

リオオリンピックの日本人選手の「金メダルラッシュ」と4年後の東京オリンピックへの期待が高まった年。一方で前東京都知事の政治資金問題、築地市場の豊洲移転問題など、政治と「金」(カネ)の問題が次々と浮上。

2017年 「北」

「北」朝鮮ミサイルの「北」海道沖落下や九州「北」部豪雨などの災害から、平和と安全の尊さを実感した年。
スポーツ界では、「北」海道日本ハムファイターズの選手に期待が集まり、「キタ」サンブラックが大活躍した。

2018年 「災」

北海道・大阪・島根での地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的猛暑など、日本各地で起きた大規模な自
然「災」害により、多くの人が被「災」した。自助共助による防「災」・減「災」意識も高まり、スーパーボランティアの活躍にも注目が集まった。新元号となる来年に向けて、多くの人が「災」害を忘れないと心に刻んだ年。

プレスリリース→2019 年「今年の漢字®」第1位は 「令」

*調査概要
◆募集期間 2019 年 11 月1 日(金)~12 月 5 日(木)
◆募集方法 ・はがき
・インターネット(「今年の漢字」特設応募サイト https://www.kanken.or.jp/kanji2019/)
・応募箱
(清水寺、書店、図書館など全国 1,600 箇所以上に設置)
・団体応募
◆募集内容 2019 年の世相を表す漢字一字と、選んだ理由