マネージャーとして新たにキャリアをスタートした方の中には、「部下が自発的に動いてくれない」「組織のモチベーション維持が難しい」とマネジメント業務に課題を感じている方もいるのではないでしょうか。

マネージャーは、部下の能力を引き出し組織として成果を出すことが重要です。業務の指示出しや進捗管理が大切ですが、人材育成やモチベーション管理も非常に大切な業務です。

部下と良好な関係性を築き、円滑にマネジメントを行うためのカギとなるのが、コミュニケーションです。部下との関わりを密にするための手法として「メンタリング」があります。「メンタリング」は、経験者がメンターとなり経験の少ない若手や部下とコミュニケーションを行うことで、能力を引き出し、自発的に成長を促す人材育成手法です。

今回は、「メンタリング」に関する基礎知識を解説し、実施する上でメンターが気をつけるべきポイントについてご紹介します。

メンタリングとは

「メンタリング」とは、対話を通してメンタリング対象者の能力を引き出し、将来の可能性として支援する人材育成方法です。企業で行う場合、上司や他部署のマネージャーなどが「メンター(指導・支援者)」という立場になり、メンタリングを受ける対象者を「メンティー(被支援者)」とします。

1対1で対話を行う「メンターシップ」という関係性の中で、メンターが仕事に関わる悩みの相談(キャリア支援)人生における悩みの相談(心理社会的支援)を行い、メンティーは自発的に行動できることが目的です。

上司から部下への人材教育という点から「コーチング」と同義のように見えますが、コーチングはあくまで業務やキャリアにおける支援に特化しており、成果を上げるために行う支援であるのに対し、メンタリングは「その先の人生」に関する心的な支援なども行う点が異なります。そのため、コーチングはメンタリングに含まれる要素の1つと言えるでしょう。

メンタリングとは何?|国際メンタリング&コーチングセンター

メンターの役割

メンタリングを行う際、メンターはどういった役割を持ってメンティと関わるのでしょうか。メンタリングにおいて最も重要なのがメンティを自発的、自律的に成長させることです。

自発的に成長できなければ、単なる「人生相談」に過ぎず、メンターが行う必要もないでしょう。そのため、メンターは相談や支援を行う上で自発性を念頭に置いてメンタリングを実施しましょう。

具体的には、仕事に直接関わる相談や指導から、社会人としての振る舞い方のアドバイス、人生の先輩として自身の経験を元にしたプライベートなアドバイスなどが挙げられます。「メンティが将来的に自発的に行動できる」メンタリングを行うのがメンターの役割です。

参考:
メンターに「学ぶことがあった」先輩は73%!もらいたいアドバイスとは? - リクナビNEXTジャーナル

メンタリングのメリット・デメリット

次に、メンタリングを行うメリットやデメリットについてご紹介します。メンタリングは、「仕事」という枠組みに縛られないコミュニケーションが行えるというメリットがあります。

メンターは、メンティーの価値観やこれまでの体験を知ることで、仕事中には気づかなかった「強み」を見つけることができます。また、メンティーは、相談を通して業務時に解決しなかった課題を解決したり、新たなスキルを身につける機会になるでしょう。

とはいえ、メンタリングにデメリットもあります。仕事からプライベートに関することまで密に対話を行うため、お互いの相性がそもそも合わない場合はメンターシップとして成立しない点です。

また、直属の部下と上司が深く関わるため、組織全体として関係性に差が生じる恐れもあります。それを防ぐため、他部署同士でメンターシップを組むなどの工夫も必要です。