展示会出展のポイント

今回は、前述した種類の中でも「合同」での「ビジネス系」の展示会に出展する場合について解説します。

まずは、展示会出展を決めてから終了後までの流れをまとめました。以下の手順を辿っていきます。それぞれの段階でのコツを掴み、効果的な出展につなげましょう。

● 展示会への出展決定から終了後までの流れ

1. 展示会の目的と戦略を決める
2. 具体的なKPIとKGIを決める
3. 展示会の詳細を決める
4. 集客を行う
5. 当日対応
6. 会期後のフォロー

  

1. 展示会の目的と戦略を決める

展示会の目的

まず、展示会に出店する目的を明確にしましょう。詳しくは後述しますが、目的が自社の認知度向上なのか、新しい見込み客数なのかによって、打つ施策も変わります。

大まかな予算や投資対効果もある程度予測しておきましょう。
  

ほかの展示会や競合他社の出展をリサーチ

出展前に、ほかの展示会を見学したり、同じ展示会に出展する競合他社の状況を調べたりすることもオススメです。特に初めて展示会に出展する場合は、テーマや規模が似ている展示会をいくつか見学し、雰囲気や特徴を掴みましょう。

来場者の目線から、訪れたくなるブースや商品のPR方法などをリサーチします。良いブースと悪いブースを比較し、考察すると自社の運営に役立ちます。
  

2. 具体的なKPI(目標)とKGI(目的)を決める

展示会の目的は、契約(受注)までの流れの中で大きく5つにわけることができます。

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1. 企業・ブランド認知
2. サービス認知
3. 顧客情報取得
4. 商談
5. 契約

上記の段階のうち、どこに展示会の目的(KGI)を置くかで、そのための目標(KPI)も変わってきます。例えば「3.顧客情報取得」にKGIを置くのであれば “交換した名刺の枚数”、「4.商談」であれば “着席数・商談数”をKPIとします。
  

展示会の来場者を予測して決める

展示会の種類や内容によって来場者の属性や目的も異なります。出展予定の展示会にどのような来場者が集まるのか、過去のレポートやほかの出展予定企業などを調べて予測しましょう。

来場者リストがもらえる場合は、個社ごとに戦略やアプローチ方法を考えてもよいでしょう。
  

3. 展示会の詳細を決める

自社のブースのレイアウトや紹介するサービスの詳細を決めます。

社内で共通したイメージを持てるように、文章化したりデザイン化したりするのがオススメです。詳細を決める過程では、予算や納期なども考慮に入れ、計画的に進めましょう。

展示会で使用する資料の制作も行います。当日は来場者の荷物も増えるため、負担を減らす目的でできるだけデジタル化するのもオススメです。
  

4. 集客を行う

来場者、もしくは来場予定者に対して、集客のための事前広報を行います。当日のスケジュールや辞任配置、役割分担も決めておきましょう。
  

5. 当日

笑顔で呼び込み

合同展示会には、競合他社も含め、多くの企業が出展しています。その中で印象付けるためにも、運営メンバーは笑顔で呼び込みを行いましょう。

ブースの入り口で引き止め過ぎたり、同じ来場者と長く話し込んだりするのは避けます。新しい来場者が立ち寄りやすい雰囲気を心掛けます。
  

客層を掴む

呼び込みを行いながら、来場客を観察して見込み客を見付けます。来場者の流れや属性に応じて、臨機応変に対応することができます。

例えば、人気セミナーの前後は来場者数が増える傾向があるなど、流れをつかめば集客にも活かせます。
  

会場を回る

ブース前だけではなく、会場を周りながら観察と呼び込みを行うことも有効です。他社のブース前で呼び込むのはマナー違反ですが、資料置き場などで手持ち無沙汰にしている来場者にアプローチできる可能性もあります。

ただ、展示会によって集客や呼び込みのルールが決まっている場合もあるため、事前によく確認しておきましょう。
  

6. フォロー

展示会終了後は、自社のブースに訪れた来場者のデータを分析します。資料送付やその後のプロモーションなど、見込み顧客に対するフォロー施策を実施します。

当初設定していたKGIKPIの達成度も測りましょう。上手くいかなかった点がある場合は、出展の記憶が新しいうちに改善点を共有します。

展示会では見込みの高い顧客だけではなく、潜在化している顧客へのフォローと育成も重要です。展示会当日から長期的に期間をとり、見込み客からの受注率を測っておくと、次回の展示会出展の戦略に活かすことができます。