BtoB企業のマーケティング担当者・営業担当者にとって、受注につながる「リードの獲得・育成」は常に頭を悩ませる問題と言えるでしょう。

米国のマーケティング会社HubSpot社が2017年5月、世界中のマーケティング・営業活動にかかわる6000人以上を対象に行った調査で、「コンタクト,リード(見込み顧客)の顧客化」を今後1年間の優先事項とする担当者が全体の70%を占めました。

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参考:
State of Inbound 2017

皆さんのなかにも、このリードの獲得・育成という問題をどのような方法で解決するべきか迷っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、解決策の1つとして検討してもらいたい施策が「セミナー」です。

セミナーは潜在顧客を集客した上でリードとして育成できるほか、受注後のフォローやアップセルにも効果を発揮する施策です。

今回は、セミナー実施のメリットから、開催にあたっての注意点、成功させるためのポイントを解説します。新しいマーケティング施策・営業施策をお探しの方は、ぜひセミナーの開催を検討してみてください。

なぜマーケティング施策にセミナーが有効なのか?

まず、なぜセミナーが有効なのかを考えてみましょう。
セミナーを施策として行う場合、大きく4つのメリットがあります。

一度に大勢のユーザーを相手にできる

セミナーでは一度に大勢の参加者に自社商品の魅力を伝えることができます。

一社ずつアポを取り商談をして、潜在顧客のニーズを顕在化させ、商品を検討してもらうまでには当然手間や時間がかかります。セミナーは、そうした一連のマーケティング・営業活動を同時に多数の参加者に対して行うことができます。

商品の魅力を深く伝えられる

参加者と対面でコミュニケーションを取れるセミナーは、Web上で一方的に情報を提供するよりもわかりやすい上、安心感や信頼感を与えることができます。安心感、信頼感は自社のサービスや商品への深い理解を促すため、見込み客の育成・獲得につながります。

活用の幅が広い

セミナーはそれ自体を商品として提供できるほか、潜在顧客の集客・育成に利用することができます。さらに潜在顧客の抱える悩みを吸い上げたり、既存顧客の満足度向上により解約を防止したり、顧客単価を向上させたり(アップセル)と様々な目的を果たすことができます。

ブランディングになる

セミナーのようなイベントはSNSでのシェアを生みやすいことから、自社の専門領域を世間に認知させることができます。
告知にあたっては開催企業名や講師名を公開することで、企業や個人のブランディングにもつながります。

セミナーの実施でよくある失敗

セミナーは上手に活用することで先に紹介したような成果を上げることが可能ですが、行き当たりばったりで実施してしまうと、かけた費用や時間を無駄にしてしまうことになります。

実施にあたっては次の点にご注意ください。

とにかく数を集めようとしてしまう

参加者が定員を満たすに越したことはありませんが、集客数を意識するあまり、セミナーの目的と関わりのない人を集めてしまっても仕方がありません。

そのセミナーの目的が受注につながるリードの獲得だとすると、「お金をかけずに勉強したい」と思っている人や、既存顧客に来てもらっては、採算が合わなくなってしまいます。

段取りが悪く参加者を苛立たせる

受付から座席への誘導がスムーズでなかったり、セミナー開始後にマイクの電源が入らなかったりという運営側の段取りの悪さは、参加者にストレスを与えてしまい、自社商品の魅力を伝えるどころではなくなります。

セミナーに集中できるような環境づくりを意識しましょう。

「売り込み感」を出してしまう

セミナーの目的が「商品の販売」であり、参加者もそれを認識していれば問題ありませんが、基本的に「売り込み感」を出してしまうと参加者は引いてしまいます。

セミナーの目的はその場での受注だけではなく、顧客の育成という側面もあるので、商品の機能説明に終始するようなセミナーはやめましょう。

セミナーを「やって終わり」にしてしまう

参加者に喜んでいただくのは良いことですが、アンケート結果に満足してしまい、それっきりになってしまっては意味がありません。セミナー参加者へ商品提案のための後追い電話のほか、セミナーをキャンセルした見込み顧客のフォローも忘れずに行いましょう。

セミナーを成功させるために必ず押さえておきたい5つのポイント

では、これらの点をふまえて、押さえておくべき5つのポイントを紹介します。

セミナーの目的とターゲットを明確にする

本当に来て欲しい人を集めるためにも、セミナーの目的とターゲットを明確にしましょう。

目的が「顧客の育成」なのか、「商品の販売」なのかでセミナーの構成や内容は違ってきます。ターゲットによっても求める事例やデータは変わります。
ターゲットは「従業員規模100名ほどの企業の人事担当者。従業員の勤怠管理の方法で悩んでいる」といった具合になるべく具体的に設定することで、主催者側と参加者側の認識を合わせることができます。

セミナー構成は参加者の態度変容を意識する

人は「気付き」を得られた時、気持ちが動いた時に商品の検討を始めます。したがってセミナーの構成はいかに参加者の気持ちを動かすかという点を意識するべきです。

「興味ない」から「面白い」、「欲しくない」から「導入したい」と、どのタイミングで思わせるかを考えてセミナーを設計しましょう。用意した資料をただ読み上げるようなセミナーでは参加者の気持ちが動くはずはありません。

企画や集客といった準備にこそ力を入れる

セミナーの参加者が当初狙ったターゲット通りで、主催者と参加者がセミナーの目的を同じように認識しており、参加者を意識した内容のセミナーになっていれば、セミナーが失敗することはまずないでしょう。

セミナーの失敗の多くは、企画や集客段階で想定していたターゲットや用意するべきコンテンツが実際の参加者が求めるものと食い違ってしまったことによって起きるものです。よって準備にこそ力を入れるべきなのです。

運営の段取りや役割をまとめる

先に準備が大事と述べましたが、当日の段取りや役割決めも同様に重要です。参加者に気持ちよくセミナーを受けてもらうための配慮をすることで、参加者の満足度を高め、口コミによる紹介を増やすことにつながります。

セミナー後のアクションもあらかじめ決めておく

セミナーを「やって終わり」にしないために、その後の対応についても決めておきましょう。後追いの電話をするとしたらトークスクリプトの準備が必要ですし、翌日と1週間後、1ヶ月後にステップメールを送るのであればメールの原稿を準備しなければなりません。
また、獲得したリードの管理方法も考えるべきでしょう。

まとめ

セミナーはただ開催すれば成果が出るというものではなく、入念に準備をしてはじめて期待する効果を得られる施策です。企画や集客を含めた事前の準備は内容以上に力を入れるべきポイントです。

これからセミナー施策を考えている、以前取り組んだけど失敗してしまった、そんな方はセミナー実施の前に入念に準備を進めてはいかがでしょうか。

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