様々な趣向を凝らして興味を引かせる広告業界の中から、今回は最新の印刷技術に注目しました。デジタルサイネージのような電子表示媒体だけではなく、アナログ印刷物の技術も革新が進んでいます。マーケティングの新たな可能性を拓く、最新印刷技術の現在地を見ていきましょう。

目次

  1. 印刷されたデザインがライトで変化! クリエイティブな演出を可能に
  2. デジタルコンテンツの一歩手前だからこそコスパ面も優秀
  3. 印刷技術の発展が拓く! デザインの新たな世界

印刷されたデザインがライトで変化! クリエイティブな演出を可能に

2023年11月に大阪メトロで実証実験されたのが、「リライトプリント」という最新の印刷技術。「リライトプリント」とは、ライトを照射することによってデザインが変化する印刷技術のこと。特殊ストライプ構造で印刷された絵柄に照明や太陽光を当てることで、隠れたデザインに切り替わります。

01.jpg
※自然光の時には左画面、LEDを点灯すると右の画面に変幻
出典:大阪メトロ アドエラ、絵が変幻する新印刷技術で駅看板広告から魅力ある発信の取組み

バックライトを照射し、オンオフの変化によって感性を刺激するような広告製作が可能に。印刷物なのに画面が動くように見えたり、色や形を自在に変化させられます。ティザー広告など、断片的な情報を見せて興味を引く演出とも相性が良いでしょう。

リライトプリントを取り入れた実証実験を行なったのが、株式会社大阪メトロ アドエラ。産業用インクジェットプリンタを扱う株式会社ミマキエンジニアリングが協力し、2023年11月にOsaka Metro御堂筋線梅田駅の改札内ショーウィンドウに特殊広告を掲載しました。

自然光の時には黒いシューズと女性のデザインされた画像が、LEDを点灯するとシューズの色や背景が変わるなど多様に変化する広告を実現。インパクトのある仕掛け印刷を用いた広告は、今後の広告の変化を予感させます。

デジタルコンテンツの一歩手前だからこそコスパ面も優秀

2024年7月にOsaka Metroなんば駅と、南海なんば駅をつなぐ地下通路に登場したのは「電照3面ベローズ」という技術を使った広告。こちらは既存の電照看板の上に印刷したプリントを貼るだけで、左右

02.jpg

03.jpg