ferret編集部:2015年5月27日に公開された記事を再編集しています。

「この商品を売りたい!」
「多くの人に良さを知ってほしい!」

そんな思いを端的に表現し、消費者の購買意欲に訴えるのが、キャッチコピーです。
わずか数文字で人をぐっと引き込むことができる、まさに魔法の言葉でもあります。

しかし、いざコピーを書こうと思っても、印象的かつ効果的なコピーはなかなか思い浮かばないものです。
短い言葉で表現しなければならないからこその難しさがあります。

今回は、どうすればパッと目を引くコピーを作ることができるのか、優れたキャッチコピーの例に学びながら、そのコツを学んでいきましょう。

有名なキャッチコピーが取り入れている5つのコツ

1. 独自感・唯一感をアピールする

競争社会の中で勝ち残っていくためには、類似商品との差別化を図り、いかに自社の商品のほうが優れているか、いかに独自性に溢れたものかとアピールすることが必要です。
その上で、優れたキャッチコピーが大きな成果を発揮することがあります。

「地球上で最大級の品揃え」

これは、amazonのキャッチコピーです。
世界中どこにいても、世界中のものが、いつでも買える。
そのサービスを端的に表現した、思わずうならされるコピーです。

もちろん、いまやネットショップも競争が激化していますが、先駆的存在であるamazonだからこその説得力があります。

他に、逆説的な例として、キューサイさんの青汁のコピーで、

*「ん~、マズい! もう一杯!」*も、独自性が出ていてすばらしい例です。

2. 対義表現で本質を浮かび上がらせる

「あってはならない、なくてはならぬ。」

これは、某葬儀屋さんのキャッチコピーです。
普段できれば接したくはないサービスをどう知らしめるかにおいて、うまく言葉で表現した例です。

このように、対義的な表現で商品やその魅力を浮かび上がらせることは、キャッチコピーの有効な手段の一つとなります。

かつてハウス食品のククレカレーのCMで使われた*「おせちもいいけどカレーもね!」*も有名です。
CMを見た日本中の子供がカレーを食べたいと言い出す、とまで言われた名コピーです。

3. 具体的な数字や結果を提示する

直接的に結果を明示してインパクトを持たせるコピーもたくさんあります。
長く使われているものとして有名なのは、

「100人乗っても大丈夫」

というイナバ物置のコピーです。実際に100人乗れるかどうかは別として、数字のインパクトで多くの視聴者の印象に残ったコピーです。

昨年来、*「結果にコミットする」*というライザップのコピーをよく耳にしますが、直接的に数字や結果を明示しないまでも、この商品を買ったらどうなるのか、あるいは、この商品を買わなかったらどうなってしまうのか、見る人にそう思わせるコピーには、やはり説得力があります。

4. 女性がどう捉えるかを常に頭に置く

女性の財布の紐を緩めることができるコピーには、やはり秀逸なものがゴロゴロしています。
とりわけ昔から多くの素晴らしいコピーを生み出してきたのが、LUMINEです。

「去年の服が似合わなかった。わたしが前進しちゃうからだ。」
「可愛くならなきゃって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。」
「恋は奇跡。愛は意思。」

などなど、どれも思わずうなってしまうような優れたキャッチコピーばかりで、共通して言えるのは、一瞬考える時間が読み手に与えられていることです。
二度三度と読むうちに、言葉の意味、コピーの真意がじわじわと伝わってくるような印象です。

この“みなまで言うな”精神が、キャッチコピー作りの鉄則です。
そこにこそ、女性の感性に訴えかける秘密があるのではないでしょうか。

5. ゴロやリズムの良さにこだわる

日本人のDNAには七五調のリズムが刻み込まれています。
このリズムに乗った、またはそれに近いキャッチコピーには、インパクトと同時に覚えやすいという効果もあります。

かつてセブンイレブンのキャッチコピーだった*「セブンイレブンいい気分」*などは、その最たる例でしょう。
しかもこのコピーは韻まで踏んでいるという完璧なコピーです。

また、完全な七五調でなくても、先にも例に出したイナバ物置の*「100人乗っても大丈夫」*

かつての吉野家の*「早い、安い、うまい」*
インテルの*「インテル入ってる」*
タワーレコードの*「NO MUSIC, NO LIFE」*など

声にしやすいリズミカルなコピーは強く印象に残りやすい傾向にあります。

まとめ

この他に、としまえんや西友のように、広告のビジュアル面のインパクトを駆使しながら、ユニークさでアピールするキャッチコピーも見逃せませんが、こうして優れたキャッチコピーを挙げてみると、見えてくる法則があります。

それは、字余りにならずリズミカルに、かつ語り過ぎないコピーであることです。
どれだけ短い言葉で見る人の興味を引くか、それこそが、コピーライターという仕事の大きな醍醐味です。

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