「導入しても運用が大変そう……。」話題のWeb接客ツールに関する疑問をぶつけてきた
昨年ぐらいからEC業界の新たな潮流として、Web接客ツールが注目されています。その背景には、EC市場の激化が大きく関係しており、より差別化が求められています。
そうした流によって、これまで画一的だったマーケティング手法から、個に対するアプローチがより重要視されています。その一つの手段として挙げられるのがWeb接客ツールであり、実店舗と変わらない顧客対応をWeb上にも用いようとする動きが起こっているのです。
一方で、まだまだ歴史の浅いサービスゆえ、懸念点を抱く企業も少なくありません。そうした疑問を解決するべく、Web接客ツール『Chat Plus』を提供するチャットプラス株式会社にWeb接客ツールにまつわる疑問点などをお伺いしてみました。
Chat Plusに関する紹介はこちら
Web接客ツールにまつわる疑問をぶつけてみた
チャットプラス株式会社
代表取締役 西田 省人
ferret編集部:
Web接客ツールは、どんな企業が導入すべきなのでしょうか。実際にどういったお客様が御社のChat Plusを導入されていますか?
西田氏:
はい、現状で導入いただいているお客様の業種としてはECに限らず、不動産やマーケティングツールを提供する企業などBtoCからBtoBまで、さまざまです。その中で活用している目的は大きく2つですね。
顧客対応は時間との勝負、運用に必要なリソースは?
西田氏:
1つが、顧客対応です。カスタマーサポートの話ですが、一番最初の対応が肝心と言われていて、いかに早く対応するかが求められます。Web接客ツールでも同様で既にカスタマーサポートなどに力を入れている企業は、いかにレスポンスタイム(待ち時間)を減らせるかに力をいれていますね。
中にはチャットでお問い合わせがきたら“3秒で返す”くらい考えられてるお客様もいて、タイピング速度を考慮しても難しいですよ、とお話したほどです(笑)
ferret編集部:
早いですね(笑)Web接客ツール導入は、そういった意味でも企業にとっては運用が大変そう、と思ってしまいますがどれくらいのリソースが必要なのでしょうか?
西田氏:
さすがに毎回3秒は大変ですが、実際にお問い合わせがきても弊社のChat Plusでいえば、自動応答機能もあるので必ずしも最初から人が対応する必要はありません。滞在後、どれくらいの時間でメッセージを送るかも設定できるんですよ。ただし、その後はしっかりと人が対応することをオススメしています。
西田氏:
必要な人員としての理想は、専属の人を1名付けて欲しいと思いますが、現実的にそれをできる企業は少ないので、最低限であれば事務の方などが兼務するといいでしょう。目安としては、月間の問い合わせが1000件くらいまでだったら1名で十分だと思います。それに実際、1000件を超えるような企業ってあまりないんですよね。
弊社のお客様でもみなさん、片手間でやられている方が多いです。もしくは、全員で協力して対応してますね。チャットと言うと少し敷居が高いように感じると思いますが、普段の電話対応と変わらないんですよ。もしかすると電話対応より楽かもしれない。
ferret編集部:
確かに電話対応と比較するとチャットの対応も自然に感じますね。
インバウンド需要によって、ますますWeb接客ツールが必要になる?
西田氏:
実は、チャット自体、海外では当たり前になっているんですよ。日本では徐々に増えていますが、私がChat Plusの構想を考えてた当時(1年ほど前)、日本に比べて海外のマーケットが20倍くらいの開きがありましたし、チャットの普及率で言えば160倍も差があったくらいですから。
※西田氏による当時の調査結果に基づく
その背景には日本と違って多国籍文化なのもあって、例え流暢な言語を知らなくてもチャットだったら短文で送っても、ある程度の理解はできるじゃないですか。だから海外のレストランでも普通にチャットの窓口があったりします。
ferret編集部:
なるほど、そうなると国内ではインバウンド需要が高まっていますし、よりWeb接客ツールが必要になってくるかもしれませんね。
西田氏:
仰るとおりです。今後、旅館などの宿泊施設は必要性が高まるでしょうが、一方で多言語となると対応が難しいのでアウトソースするといった動きもでてくるのではと思っています。
弊社でも近々、チャット対応をアウトソースできるサービスを検討していて、東南アジアなどを中心に対応しようと思ってます。事業者によっては、限界もありますし、ユーザーもカタコトだと不安に感じてしまうので、チャット対応であってもネイティブな人が対応するのが理想ですよね。
Web接客を営業ツールとして活用できる?
西田氏:
そして、Web接客ツールの活用目的として2つめは営業ツールとしてです。Web接客はユーザーとのコミュニケーションだと考えています。なので、弊社のお客様の中には、Chat Plusの機能としてリアルタイムに訪問者の情報や企業情報も分かるので、例えば確度の高さによってチャットで積極的にコミュニケーションをとったり、アプローチ方法も変えたりしています。
※他社名が表示されているため一部ぼかしをいれている
ferret編集部:
実際にチャットからアポイントメントに繋がるんですか?
西田氏:
はい、弊社でもそうやって成約に繋がるケースは多いです。一般的な営業に比べてチャットで関係性を築けるので、実際に訪問する際は昔からの知人のような感覚に近いですね(笑)
ferret編集部:
そうなんですね、そういった営業ツールとして活用する際のポイントはあるんですか?
西田氏:
はい、BtoBに限りませんがWebサイトに訪れたユーザーの40%は10秒以内に離脱します。ただし、この10秒以内に離脱する人のほとんどは誤って訪れたような人たち。そして、30秒以内になると90%の人が離脱すると言われています。つまり、この10~30秒の間でユーザーに対して、どうリテンションを促せるかが重要なんです。
その1つの手段として、Web接客ツールを使う価値があって、商材によって違いはあれど、じっくり読み込む必要がある商材であれば20~25秒、早いものであれば15~20秒くらいのタイミングでアクションを起こすのがベストです。
あと、問い合わせを増やしたい場合は、フロント部分の文言が重要になります。例えば、商品が決まっていて、対応する内容も同じような顧客対応が目的(決まった商品でECの在庫や送料を返す場合など)の場合は、「チャットをする」や「チャットで問い合わせる」というような文言を入れる。
先ほどのように、営業ツールとしてお問い合わせを増やすことが目的の場合は「お困りのことはありませんか。」といった寄り添うような内容にすることを勧めています。これだけで、チャット開始率が30%以上高まったという例もあったんです。
でも、最近だとBotやAIで自動化する流れになってませんか?
ferret編集部:
最近で言えばチャットBotであったり、AIなどの“顧客対応の自動化”が話題に挙がりますが、それと比べたときにWeb接客ツールは人力ですよね。
西田氏:
そうですね、自動化の流れがありますが、私自身、以前データマイニングなどの研究もしてたんでたんですが、完全なBotやAIを作るのは簡単なことじゃないんですよね。例えば、チャットで言うと短文だし、「いらなくないですか?」や「大丈夫です」などの曖昧な表現を判断するのが難しい。
完全なものがあれば理想的ですが、Web接客はユーザーとのコミュニケーションだと思っていて、パソコンのブラウザ越しと言えど、“相手は人”。そこを機械任せにしていいのかということなんですよね。
問い合わせの内容が決まっているような場合は、自動化するのも1つの手だと思いますので、どこを自動化するか、どこを人が対応するかの使い分けが重要だと思います。
Web接客ツール『Chat Plus』とは
今回お話を伺った『Chat Plus』は、前述でも触れたように大きく「リアルタイムに行えるチャット機能」と「訪問者の詳細情報を可視化」2つの機能が特徴。
西田氏によれば2016年7月に正式リリース後、既に約250社が導入しており、中にはお問い合わせが150%増という結果に繋がった事例もあるとのこと。
Web接客ツールの導入を検討しているようであれば、30日間の無料プランもあるので、事前に試してみてはいかがでしょうか。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- BtoC
- BtoCとは、Business to Consumerの略で、企業と消費者間の取引のことを言います。
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
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- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
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- リテンション(retention)とは、既存顧客の維持、または既存顧客を維持しつつ継続的に利益確保していく活動のことを言います。
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