リテンション(retention)とは、既存顧客の維持、または既存顧客を維持しつつ継続的に利益確保していく活動のことを言います。

新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの約5倍程度であると言われており、コストを抑えつつ企業の収益を上げようとすると、既存顧客の維持すなわちリテンションが重要な課題となります。

リテンションが成功するポイントとして考えられるのが、商品購入後やサービス利用後の顧客の体験です。商品やサービス自体の使用体験だけではなく、サポートや企業と顧客とのコミュニケーションのやり方により、顧客が感じる体験の中身は随分と変わります。購入後も心地よい体験を繰り返し味わうことができればその顧客が離脱しないばかりか、企業に対してのロイヤリティが上がり、むしろ他の消費者に対するプロモーターとなり企業の収益向上に貢献してくれます。

一顧客に投入できる維持コストには限界がありますので、顧客を購買額や購買頻度により層分けし、特に利益貢献してくれる見込がある層や、逆にこちらからアクションを起こさなければ離脱してしまう可能性が高い層などに集中的に顧客維持コストを投入するという方法が広く用いられています。

人事用語におけるリテンション

人材業界では、自社の人材の離職を防ぐための活動をリテンションと言います。
良い報酬や労働条件を出すだけでなく、働きやすくやりがいのある環境を作るのもリテンションの一環です。

使い方

リテンションの基本は、顧客が『もう止めよう』と思う前に手を打つことだね」
リテンションももちろん大事だけど、新規客も集めないと裾野が拡がらないよ」
「今度社内にリテンション専門部署を作ろうと思うんだけど、どう思う?」