昨年Googleが発表した「モバイルファーストインデックス(MFI:Mobile First Indexing)」が、ついに今年実装されます。実装時期は未定ですが、導入することは確実に決まっており、注目を集めています。

MFIが始まることで、Googleは従来のPCサイトではなくスマートフォンサイト(スマホサイト)を基準にすることになります。
そこで、ホームページを運営しているという方は具体的にMFIがどんな施策なのか、今後影響があるのかを知っておかなければなりません。

今回は、MFIの基礎知識から注意点までをまとめてご紹介します。ホームページをお持ちの方は、目をとおしておきましょう。
  

MFIの基礎知識と注意点、対策について

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1. MFIとは

GoogleがMFIを発表し、大きな話題となっています。

参考:
Mobile-first Indexing|Webmaster Central Blog
  
MFIとは、Google検索で実装を予定している仕様変更のことです。Gary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が2016年10月に開催したPubCon Las Vegas 2016で先行発表しており、同年11月4日にGoogleが正式に導入を発表しました。

具体的には、従来PC(デスクトップ)向けページの評価を検索結果の基準にしていたところを、モバイル向けの評価を基準にするというものです。

これまでは、モバイルからの検索も全てPC向けページを基準にしていましたが、今後MFIによりモバイル向けページの評価が検索結果に反映されることになります。つまり、検索結果を表示する上で今までのPC向けページがメインだったのが、モバイル向けページメインになるということです。

従来:
スマホから検索していても、PC向けページの評価を基準に検索結果を提示していた。
MFI導入後:
PCからの検索も含めて、モバイル向けページの評価を基準に検索結果を提示する。

SEO上重要度の高い変更ですので、正しく理解した上で対策を行う必要があります。
  

2. MFI実装に至る経緯

GoogleがMFI導入を決定した要因は、モバイルユーザーの急増です。

スマホの急速な普及によりモバイルからの検索が増え、現時点でPCからの検索を上回っています。2015年5月の公式ブログでも、Google検索においてアメリカや日本を含む10ヵ国でモバイルからの検索がPCを超えたことを明らかにしています。

参考:
Building for the next moment|Inside AdWords

前述のとおり、MFIを導入することはこれまでの検索結果をひっくり返すことになります。しかし、モバイルユーザーが増えている今、このままPC向けページ検索結果の基準にするよりもモバイル向けページをメインとしたほうが、より快適な検索ユーザー体験が提供できるに違いありません。

例えば、スマホでとあるページを検索で見つけ閲覧しようとしてみると、実際には見れないことができます。これは、PC向けのページが基準で検索結果が作られているものの、モバイル向けのページが存在しないからです。

MFIを導入することで、こういった検索上の問題を防ぐことができます。検索ニーズが従来のPCからモバイルに映ったこと、今後モバイルユーザーがますます増えてくることを予期した、時代に合わせた実装といえるでしょう。
  

3. MFIの注意点

MFI導入でどうなるのか、何に注意する必要があるかをご説明していきます。

ポイントは次の2つです。

(1)PC向けページのコンテンツを見なくなる
(2)具体的な導入時期は未定

(1)PC向けページコンテンツを見なくなる
最大のポイントは、PC向けページコンテンツを見なくなることです。そのため、PC版とモバイル版で別のコンテンツを用意し、重要なコンテンツをPC版だけに用意している場合、今後は評価されなくなります。

ブラウザに合わせて表示を切り替えるレスポンシブデザインを採用していたり、動的な配信を行っている場合など、PC・モバイル版でコンテンツ内容が同じ場合には問題ないでしょう。しかし、現時点でモバイル版に重要なコンテンツが用意できていなければ、検索結果の順位に影響が出る恐れがあります。

レスポンシブデザインが普及している今、多くのホームページでは大掛かりな対応は必要ありません。
ですが、いまだにレスポンシブデザイン、モバイルサイトに未対応という企業もあるのが現実です。モバイル向けページコンテンツが中途半端だったり内容が薄いという場合や、PC向けを重視してモバイル向けを極端に力を入れていない場合には、MFIに向けて対策を行うべきといえます。モバイル=PCの情報を削ぎ落としたものという風に考え、ただ単に情報を軽くして作っているという場合には要注意です。

(2)具体的な導入時期は未定
具体的な導入時期は未だ決まっていないものの、導入すること自体は確実に決まっています。何らかの対策が必要な場合にはいつ始まってもいいように、早急に対策しておくべきでしょう。
  

4. MFIに向けた対策

現段階の公表内容では、多くのホームページの場合特別な対応は必要ないといえます。先の注意点で問題がありそうな状態であれば、モバイルファーストインデックス導入前に対策を行っておきましょう。

(1)モバイル向けのホームページを用意していない、モバイル対応が中途半端
モバイル向けのページがないからといって、検索結果から消えてしまうわけではありません。これまで同様デスクトップ向けページを評価して表示します。しかし、モバイル重視の流れを考え、モバイル向けのホームページをしっかりと準備したほうがいいのではないでしょうか。

(2)モバイル向けページコンテンツを省略している
デスクトップ向けと同じようなコンテンツが提供できるよう、用意をしましょう。そのままにしておくと、モバイル向けページで不足しているコンテンツ関連のキーワードにおいて、検索順位が下がる恐れがあります。

MFI導入関連の質問に対して、Googleのゲイリー・イリーズ氏、長山氏がTwitterで随時回答しています。気になる方は、今後の対策・対応の参考にしてみてはいかがでしょうか。

ゲイリー・イリーズ氏 Twitter
長山一石氏 Twitter